コンパクトなのに6名就寝!運転しやすい『Travio』ベースの最新キャンピングカー「TaBee-Ks Jr.」が登場

キャンピングカー紹介
, , , , , , ,

コンパクトなのに6名就寝!運転しやすい『Travio』ベースの最新キャンピングカー「TaBee-Ks Jr.」が登場

「普通免許でだれでも乗れる!」というキャッチフレーズで、いすゞのトラック「エルフミオ」が宣伝されているのを目にした人は多いのではないでしょうか。ピンとこない人もいるかもしれませんが、トラック業界全体からみても画期的なことだったのです。

車両総重量3.5t未満のディーゼルトラックに仕上げ、普通免許を持っている人であれば、誰でも運転することができるようになったモデルです。もちろんオートマ限定でもOK。

このエルフミオの登場に合わせて作られたキャンピングカー専用ベース車両が「Travio(トラビオ)」。以前、いすゞからはBe-camというキャンピングカー専用ベース車両が供給されていましたが、Be-camとは別のモデルとなります。

Travioを使ったキャンピングカーはこれまでに、日本特種ボディーからKAGAYAKIEXPEDITION STRIKERというモデルが提供されていました。そして今回、Travioの特徴をさらに引き立てるニューモデルが誕生したのです。

コンパクトなサイズで街中もスイスイ!TaBee-Ks Jr.

TaBee-Ks Jr.のロゴ

免許取得年に関係なく、普通免許の区分で運転できるTravioを使ったニューモデルはキャンパー鹿児島TaBee-Ks Jr.(タビークスジュニア)というキャンピングカー。いすゞのベース車両を使ったキャンピングカーで有名な日本特種ボディーが製造したモデルです。

TaBee-Ks Jr.の特徴は、なんといってもTravioを使っていること。さらに、ボディサイズをシェイプアップして、全幅が抑えられている点がメリットになります。キャビン部分が狭くなってしまうのでは!と思うかもしれませんが、就寝定員は6名を確保しているのです。

TaBee-Ks Jr.のパーツ

Travioはこれまで人気があったBe-camの軽量版といった位置付けです。軽量化することによって、パーツの質量が減ってしまい、耐久性、剛性に不安を感じるかもしれませんが、その走りはBe-camゆずりで、高い安定感が特徴です。軽量化する際にパーツ点数を減らすというよりは、今までのパーツの機能性を保ちながら、軽量化に努めたようです。廉価版といったイメージではありません。

もともと、トラック業界という巨大なマーケットで、数々の問題点をクリアして生まれたクルマだけに、その素性はとても良いといっていいでしょう。誰でも乗れるようにしたからこそ、初心者であったり、運転に不安を感じる人でも安心して運転できるようになっているのです。

最先端の安全装置が標準装備されているのもうれしいポイント。横断中の歩行者を検知するプリクラッシュブレーキ、車線逸脱警報などが装備されていて、乗用車と比べても安全性の高いモデルといえるでしょう。

TaBee-Ks Jr.のリア

Travioの最小回転半径は4.4m。なんと軽自動車と同じスペックなんです。このベース車両にキャンパーのキャビンを載せるのですが、今回登場したTaBee-Ks Jr.のシルエットを見ると、細身であるのがすぐに分かります。

そのボディーサイズは4930╳1770╳2930mmで、全幅は1770mmしかありません。全長は5m未満で、街中での駐車場探しでも安心できるサイズ感。ベース車両のポテンシャルと組み合わせると、高いパフォーマンスを発揮することは間違いありません。

コンパクトなボディに広がる機能的なレイアウト

TaBee-Ks Jr.のインテリア

TaBee-Ks Jr.のコンセプトは、普通免許区分で運転できるキャンピングカーであるとともに、誰もが運転しやすさを感じるボディサイズを目指したことです。全幅は1.8m未満で最小回転半径も小さい事で、街中での運転がしやすいのが特徴です。

しかし、ボディをコンパクトにすると、気になるのが室内の広さ。キャンピングカー作りで最も難しいのが、限られたスペースでの空間の確保です。TaBee-Ks Jr.でもいろいろな工夫で狭さを克服しているようでした。

TaBee-Ks Jr.のベッド展開

冷蔵庫はエントランスよりも前に設置され、リア側にある水回りのスペースをコンパクトにまとめています。フロントからリアに向けて動線を確保しながらも、効率的にスペースを組み合わせて、動きやすさを感じながらも各スペースでの作業性を向上させる設計を感じます。

セカンドシートとサードシート部分はベッドが展開できるようになっていますが、無駄なスペースがありません。スペース確保に効果的な家具が設置されていてすっきりとしています。展開したベッドは1805╳1105mmというサイズ。大人2人が寝られる広さです。

TaBee-Ks Jr.のリア2段ベッド

全幅を抑えたことで、リア2段ベッドの長さは1650mmになってしまいました。しかし、このサイズはコンパクト化のためにやむを得ない設計、と割り切って作られているそうです。幅は795mmが確保されているので、狭さを感じることはありません。

ベッドの高さも充分にあり、上段には棚までセットされていました。ブックライトとして使える照明の下にはコンセントが取り付けられていたり、製造元である日本特種ボディーらしい気配りを感じる仕上がりです。

コンパクト化に隠された就寝スペースの確保

TaBee-Ks Jr.のセカンドシート

セカンドシートは隣に冷蔵庫があるにも関わらず、2名着座のスペースを確保しています。背もたれ部分が外れるようになっているので、運転席からのリアへの移動もスムーズ。ヘッドレスト付きのハイバック仕様で座り心地もいいです。冷蔵庫上のカウンタートップも広く、TVを置いてもスペースに余裕がありそうでした。

TaBee-Ks Jr.の工夫された室内構造

リビングエリアの右壁をみると、スペース確保のために工夫された設計を感じます。しっかりと収納スペースを有した吊り下げ棚に少し小さめの窓。省スペース化を実現したシート構造など、アイデアが詰まっています。

そして、このクルマの最大の特徴ともいえるのが、コンパクトでありながら大人数で利用できるポテンシャルを秘めていること。その実現のためにバンクベッドに工夫があるのです。上写真の左側、クルマのフロント側から壁際にレールが伸びているのが確認できます。実はバンクベッドがリア側に大きく引き出されるようになっているのです。

TaBee-Ks Jr.のバンクエリア

バンクエリアのフロアが大きく広がることで、バンクベッドの広さは1615╳1950mmという広大なものになりました。大人が3名で縦に寝られるスペースを確保しています。ということは、バンクベッドで3名、ダイネットベッドで2名、リアに2段ベッドがあるので、人数だけでカウントすると7名が寝られる計算です。

リアの長さが短いので大人が寝られないことで、子供2人という計算になりますが、子供2人を大人1人とカウントして、就寝定員が6名と表記されているそうです。

小さくても大きく使えるコンパクトキャブコン

TaBee-Ks Jr.のマルチスペース

TaBee-Ks Jr.の全長は4930mmに抑えてあります。もちろんキャビン部分のスペースも制限されてしまうのですが、マルチルームがちゃんとありました。トイレとしても利用できる広さがあり、大きな収納スペースとしても利用できます。

ボディーサイズを他の乗用車と比べるとクラウンクロスオーバーと同じ長さでした。あのクルマのサイズ感にマルチルームと6名が寝られるスペースがある、と考えたら、さらに驚くのではないでしょうか。

TaBee-Ks Jr.のキッチン

キッチンエリアは非常にシンプルにデザインされています。水回りのスペースに余裕があるのは使いやすいです。右側のカウンターを使って調理などの作業スペースとして利用したり、食器を一時的に置くスペースとしても使えます。しかも、シンクの左側にも少しスペースが確保されているので、洗剤などを置いておくのにも重宝しそうです。

TaBee-Ks Jr.のリアを収納スペースへ

コンパクトキャブコンだと収納スペースに不安を感じる人がいるかもしれませんが、使い方次第では、大量の荷物を載せることも可能です。上の写真はリア2段ベッドのマットを取り外して、すべてをラゲッジスペースとして使える状態にしてあります。

縦への高さもあるので、大きな荷物も余裕で載せることができます。ベッド用に取り付けられたライト以外に、最下段にはラゲッジスペース用のライトまで設置されているのが分かります。

コンパクトなキャブコンに搭載された充実の装備たち

TaBee-Ks Jr.のエアコン

コンパクトを追及しても、機能性を諦める必要はありません。製造元の日本特種ボディーでは、数々の充実装備で、オーナーの満足度を高めてくれます。完全に独立して家庭用エアコンを使えるようにしたり、オプションで大容量リチウムイオンバッテリーを用意するなど、利用者の使い方を考えた設備は人気があります。

TaBee-Ks Jr.の電子レンジ

キャンパー鹿児島TaBee-Ks Jr.にも充実の設備が用意されていました。エアコン、電子レンジなどは標準装備品。ソーラーパネルやリチウムイオンバッテリー、大容量インバーターなどもオプションメニューにしっかりと入っています。

TaBee-Ks Jr.の冷蔵庫

キャンピングカーとしても充実した設備がありながら、ドライバビリティを向上させる運動能力の高さ、そして、コンパクトなボディサイズ、とたくさんの魅力的なスペックが詰まったTaBee-Ks Jr.。誰でも運転できる、ベース車両Travioのキャラクターも合わさって、次世代を感じるキャンピングカーに仕上がっていました。

キャブコンのなかには、普通免許で運転できない車種もあるため、レンタカー業界などからは解決策を探しているところでした。そんな声に応えて、今回のキャンピングカーも製造されたといいます。

また、親子で旅行している時も、子供世代が運転を交代できるのもメリットになるといいます。親が運転できても、子供が運転できない、というシチュエーションに陥ることはありません。

日本特種ボディーでは将来を見据えて、普通免許だけを持っている世代が増えることを考えているといいます。次の世代のキャンピングカーユーザーにとって、メリットを感じられるキャンピングカーを作ることにも注目していたのでした。その先見性が日本特種ボディーの革新的なキャンピングカー開発の原動力になっているのでしょう。

TaBee-Ks Jr.は1月31日から開催されるジャパンキャンピングカーショー2025でキャンパー鹿児島ブースに展示されます。

TaBee-Ks Jr.諸元

ベース車
いすゞ自動車 Travio
エンジン
ディーゼル1.9L
駆動方式
2WD
車体サイズ
全長4,930mm/全幅1,770mm/全高2,930mm
定員
乗車定員6人/就寝定員6人
価格
998万円(税込)~
WRITER PROFILE
渡辺圭史
渡辺圭史(わたなべ・けいし)

1971年東京生まれ。アウトドア好きな編集者、そして、算数が好きだったライター。アウトドア用品メーカー、出版社を経て、キャンピングカー専門誌編集長に。現在はフリーとして、いろいろなメディアにて執筆中。アウトドアをキーワードに、より楽しいライフスタイルを求めてゆるりと奮闘中。最近気になっているワードは、旅、ミニマリスト、車中泊。趣味はコンパクトな旅とモノづくり。

キャンピングカーライター一覧へ

キャンピングカー紹介
, , , , , , ,

レンタルキャンピングカーネット