日本初のワイルドなオーバーランドスタイル・トラキャン「デシエルト:De01」

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日本初のワイルドなオーバーランドスタイル・トラキャン「デシエルト:De01」

「ジャパンキャンピングカーショー2022」で初お披露目された、新作トラキャンデシエルト:De-01。日本では誰も見たことのないセンセーショナルなスタイルに、会場内のギャラリーから大きな注目が集まった。

デシエルト:De01は、現行型ハイラックス専用設計の新型キャビン。ピックアップトラックの荷台に積載するタイプの、トラキャン(トラックキャンパー)と呼ばれるキャンピングカーのカテゴリーだ。日本では圧倒的マイノリティであるトラキャンが、ここまでスポットを浴びるのは、異例の事態と言っていいだろう。

このエポックメイキングなニューモデルをリリースしたのは、トラキャン&ピックアップトラックを熟知した日本唯一のトラキャン専門店MYSミスティック。既存モデルとは明らかに一線を画す、ハイラックストラキャンの新境地に注目だ。

最旬のオーバーランドスタイル

デシエルト:De01の後方

最大のポイントは、日本では他に類を見ないワイルド&タフなビジュアルに尽きる。モデル名の「デシエルト」は、スペイン語で「荒野」の意味。そのネーミング通り、既存のキャンピングカーとは一線を画すヘビーデューティなスタイルが、デシエルト:De01のアイデンティティだ。ポップアップルーフ機構を搭載したシェルと、ビッグボディのハイラックスの組み合わせは、あまりにもワイルド!

私事になるが、ショーの直前にデシエルト:De01の発表を知ったとき、「ミスティックがまたやってくれた!」と手を叩いて喜んだ。日本では、誰も見たことがないトラキャン。既存のスタイルから、よりクロカン4WDのワイルド感を強調したトラキャン。もちろん、それはそうなのだが、実はデシエルト:De01の真価はもっとディープなところにあると筆者は考える。

トヨタハイラックスとデシエルト:De01

クルマとアウトドアをテーマにしたカルチャーとしては、海外発信の「バンライフ」が日本でも定着しているが、ここ数年それをしのぐ勢いで、よりワイルド感を強調した「オーバーランドスタイル」が人気を集めている。オーバーランドは、もともとアメリカ、オーストラリア、南アフリカなどの、広大で自然に恵まれた国々を中心に広がったアウトドア・カーカルチャーで、砂漠や森林、岩場などを走破性の高い車両で長距離移動しながら野営をする旅のスタイルのことを指す。

使用されるクルマは悪路に強いクロカン4WDが主流で、リフトアップや大径オフロードタイヤによる走破性アップも必須。野営手段としてルーフテントも人気だが、ポップアップルーフ仕様のコンパクトなシェルを荷台に積載したトラキャンスタイルも、海外では多く見られる。

4駆イメージを強調したワイルドなフォルムのデシエルト:De01は、そうした海外の流れを汲む日本初のオーバーランドスタイル・トラキャンと言えるだろう。

ワイルド&タフなエクステリアデザイン

デシエルト:De01のリアビュー

個性の強さを感じさせる、独特なデザインのリアビュー。荷台にキャンパーを積載する際は、リアゲートの取り外しが必須だ。エントランスドアは上下分割式で、オープン時に下部のドアがステップになるのがポイント。アウトドアユースに便利な、電動サイドオーニングも標準装備されている。

リアゲート

丸型LEDテールランプや、リアエンド右上のスタックリカバリーラダーなど、オーバーランド感を高めるアイテムが要所に配される。

デシエルト:De01のポップアップルーフ

アシストダンパー付きポップアップルーフが、デシエルト:De01のアイデンティティのひとつ。ルーフをオープンすれば、大人が立って歩ける開放的な居住空間を実現でき、ルーフをクローズすれば、スマートなルックスと走行安定性を両立できる。ポップアップルーフによって低く抑えた全高は、オフロード走行においても大きな武器だ。

展示車のシェル

展示車のシェルは、ハイラックスの純正色ダークブルーマイカに合わせて調色したマットダークブルーでペイントされ、ベース車とシェルの一体感を演出している。キャンパー外装部のオールペイントはオプション設定となり、好みによって艶消しと艶ありの2種類のフィニッシュを選択可能だ。

ハイラックスのオーバーフェンダー

ベース車のハイラックスは大型のオーバーフェンダーでワイド化され、足元にはMLJの17インチアルミホイールとグッドイヤーの大径オフロードタイヤをマッチング。荷台に積載したデシエルト:De01のイメージに合わせ、よりワイルド感を強調したコーディネートとなっている。このあたりのセンスは、長年トラキャン&ピックアップトラックを扱ってきたMYSミスティックの面目躍如というべきものだ。

ヘビーデューティ仕様のインテリア

デシエルト:De01の室内

ホワイトとブルーの2色でシンプルにコーディネートされたインテリア。少人数での使用を前提にしたコンパクトな空間ではあるが、上部が大きく開くポップアップルーフの恩恵で窮屈感は皆無だ。

デシエルト:De01のダイネットスペース

最大4名でテーブルを挟んで座れるダイネットスペース。展開することで、1600×965mmの子供用ベッドにもなる。

デシエルト:De01のダイネットスペース

バンク部分には、スライド式のベッドを装備。展開することで2000×1350mmの広々とした就寝スペースを確保できる。

デシエルト:De01の室内全景

バンクベッドから見た室内全景。無駄を省いたコンパクトな空間に、生活に必要な装備が絶妙なレイアウトで配置されている。

キャビネット

室内の左右上部と正面には、オープンタイプのキャビネットを完備。内装パーツのほとんどがアルミ素材で構成されており、一般的なキャンピングカーとは一線を画すヘビーデューティなイメージが漂う。

スイッチ・メーター類

スイッチやゲージ類のデザインも、非常にワイルドでメカニカル。男心をくすぐる硬派なビジュアルが、ディテールにも貫かれる。

過酷な環境にも対応する充実の装備

デシエルト:De01の装備

オフロード走行やワイルドな環境での使用を想定したデシエルト:De01だが、実は既存のトラキャンをしのぐほどの快適装備も標準化されている。

リアの右手にセットされたキッチンスペースには、常設ツーバーナーコンロと丸型シンクが完備され、キャビネット内部に40L冷蔵庫も標準装備。給水タンクには、大容量の85Lタンクが採用されている。

外部シャワー

コンパクトなシェル内には、ナント12V電源方式の温水ボイラーも標準装備! キッチン横のコネクターに付属のシャワーホースを接続すれば、外部シャワーとして利用できる。

ポータブルトイレ

標準装備のポータブルトイレは、ダイネットシート下部の専用スペースにスッポリと収納。マルチルームはないが、緊急時にトイレが使えるという安心感は高い。

デシエルト:De01のフォルム

ポップアップルーフ式のコンパクトなフォルムと、他に類を見ないワイルド&タフなビジュアルで、既存のトラキャンよりもさらに尖った個性を放つデシエルト:De01

居住性、快適装備、細部の作り込み……。それも大事だが、クルマ好きにとって最も大切なのは、純粋なカッコよさやたたずまい。細かいことを気にするユーザーには用がない。本当に乗りたい人だけが選べばいい。デシエルト:De01の尖った個性は、スタイルや生き方に強いこだわり持つユーザーにこそ、よく似合う。

WRITER PROFILE
岩田一成
岩田一成(いわた・かずなり)

1971年東京生まれ。キャンピングカーライフ研究家/キャンピングカーフォトライター。日本大学芸術学部卒業後、8年の出版社勤務を経て、2003年に独立。ライター・エディターとして、自動車専門誌を中心に累計1000誌以上の雑誌・ムック製作に携わる。家族と行くキャンピングカーの旅をライフワークとしており、これまでに約1000泊以上のキャンプ・車中泊を経験。著書に『人生を10倍豊かにする 至福のキャンピングカー入門』がある。

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