日本でもっとも人気の高いキャンピングカーは、バン・ワゴンの内装を架装したバンコンだ。主流となっているのは、トヨタ・ハイエースをベースにしたモデル。優れた走行性能と安全性、充実した装備、広大な室内空間、スタイリッシュな外観デザインで、普段使いからレジャーまでマルチに活用できるのが人気の理由だ。
多くのビルダーから多種多様なモデルが販売されているため、「どれを選べばいいのかわからない」とお悩みの方も多いかもしれないが、そんな人にオススメなのが、埼玉のバンコン専門店「ティピーアウトドアデザイン」だ。同社ではすべてのボディバリエーション(スーパーロング・ワイドミドル・標準ボディ)のハイエースバンコンを取りそろえており、車両価格も比較的リーズナブル。全モデルに内装架装品の「永久保証」が付いているので、初心者でも安心して購入できる。今回は、同社のラインナップからオススメの5車種をセレクト。それぞれの特徴と「どんな人に合っているのか」について解説する。
目次
充実装備のフラッグシップモデル
①トラボイLBD200SL-R(ベース車:スーパーロング)
ティピーのラインナップ中、もっとも装備の充実度が高い王道モデル。全長5380mm×全幅1880mm×全高2285mmのスーパーロングをベースにすることで、ゆったりとくつろげる居住空間を作り出している。内装のレイアウトは、セカンドに1500mm幅の3人掛けFASPシート、サードに900mm幅の2人掛けFASPシートを装備した3列シート仕様。シートを前向きにすればミニバン感覚で7名が快適に乗車でき、シートを対面にすればテーブルを挟んでゆったりと食事や休憩を楽しめる。「キャンピングカーの醍醐味を存分に味わいたい」という、ファミリーユーザーにピッタリのモデルだ。
2~3列目シートを展開したベッドは、長さ3300mmの超ロングサイズ。常設リアベッドとの組み合わせで大人2名+子供2名が就寝でき、ファミリーユースにも対応する。
室内左手のキッチンには、角型シンクと上開き式の40L冷蔵庫を完備。
車名の末尾に「R」が入ったティピー製ハイエースバンコンには、運転席・助手席にレカロシートLX-Fが標準装備されている。
トラボイLBD200SL-R 諸元
- ベース車両
- ハイエース スーパーロング特装車 ワイドボディ ハイルーフ
- 車体サイズ
- 全長5,380mm/全幅1,880mm/全高2,285mm
- 定員
- 乗車定員7人/就寝定員4人
- 登録
- 8ナンバー(キャンピング車)
- 価格
- 648万円~
大型ミニバン感覚で乗り回せる
②トラボイHJ200WS-R(ベース車:ワイドミドル)
3ナンバーミニバンとほぼ同じ大きさの、ワイドボディ・ミドルルーフ(全長4840mm×全幅1880mm×全高2105mm)がベース。2列目に1200mm幅の3人掛けFASPシート、3列目に900mm幅の2人掛けFASPシート、後部に常設ベッドを配した、LBD200SL-Rと同様のレイアウトを採用している。「スーパーロングは大きすぎて運転や駐車が不安……」という人にピッタリの、機動性と居住性のバランスに優れたモデルだ。
7名が前向き乗車できる3列シート仕様。立体駐車場にも入れるサイズなので、ミニバン感覚で街乗りも快適にこなせる。
2~3列目のFASPシートをフラットに展開して補助マットを組み合わせれば、大人2名が就寝可能なベッドになる。リアの上段には、長さ1700mm×幅950mmの常設ベッドを配置。
ワイドS-GLベースの兄弟モデルとして、T200WS-R(568万円~)も用意。FASPシートと横向きサイドシートで9人乗車を実現し、リアのマットを外せばバイクも積載可能なカーゴスペースになる。アクティブ派に最適なトランポ仕様のキャンピングカーだ。
HJ200WS-R 諸元
- ベース車両
- ハイエース S-GL ロングワイドボディ ミドルルーフ
- 車体サイズ
- 全長4,840mm/全幅1,880mm/全高2,105mm
- 定員
- 乗車定員7人/就寝定員3人
- 登録
- 8ナンバー(キャンピング車)
- 価格
- 568万円~
コンパクトサイズの多目的バンコン
③トラボイSG200N(ベース車:標準ボディ)
5ナンバーミニバンと同サイズの標準ボディをベースにした、8ナンバー登録のコンパクトなキャンピングカー。運転の苦手な初心者や女性ドライバーでも安心して乗り回せ、通勤、買い物、子供の送迎などの普段使いも快適にこなせる。広大なフルフラットベッドと大容量カーゴスペースを備えることで、「乗る」「積む」「寝る」の3要素をバランスよく実現。「普段乗りから車中泊、キャンプまで1台で使いたい」という人にピッタリの、マルチパーパスモデルだ。
後部のマットを取り外せば、サーフボードなどの長尺物や大型キャンプギア、自転車なども積載可能。子供の部活道具も大量に積めるので、遠征の送迎車としても重宝する。
セカンドシートに1200mm幅のFASPシート、リア左右に横向きベンチシートを装備して、乗車定員9人を実現。
フラットに展開したシートにマットを組み合わせれば、長さ2750mm×最大幅1500mmのベッドになる。
トラボイSG200N 諸元
- ベース車両
- ハイエースS-GL ロング標準ボディ 標準ルーフ
- 車体サイズ
- 全長4,695mm/全幅1,695mm/全高1,980mm
- 定員
- 乗車定員9人/就寝定員3人
- 登録
- 8ナンバー(キャンピング車)
- 価格
- 458万円~
トランポとしても使えるロングセラー
④トラボイT200SL-R(ベース車:スーパーロング)
ティピーアウトドアデザインが約20年前に初めて手がけた、スーパーロングベースのロングセラーモデル。セカンドには1500mm幅の3人掛けFASPシート、リアの左右には横向きシートが装備され、最大9名の乗車を実現している。最大の特徴は、無駄な装備を省いたシンプルな架装で、スーパーロングの広大な室内空間をフルに生かしたこと。バイクやアウトドアギアなどの「トランスポーター」と、車中泊やキャンプを快適に楽しめる「キャンピングカー」という、2つの要素を両立した機能性抜群の1台だ。
リアマットを外すことで、大型バイクが積めるほどの広大なカーゴスペースを確保できる。モータースポーツやトランポツーリングを楽しみたい人にもオススメだ。
トラボイT200SL-R 諸元
- ベース車両
- ハイエース スーパーロング特装車 ワイドボディ ハイルーフ
- 車体サイズ
- 全長5,380mm/全幅1,880mm/全高2,285mm
- 定員
- 乗車定員9人/就寝定員3人
- 登録
- 8ナンバー(キャンピング車)
- 価格
- 578万円~
サーファーの要望を叶えた遊びグルマ
⑤トラボイMD200SL-R(ベース車:スーパーロング)
現役サーファーの要望をもとに開発された、“遊び”特化型キャンピングカー。装備をシンプル化して家具を低く設計することで、スーパーロングの車内空間をフルに生かしている。最大7名が前向き乗車できる「ドライブモード」、対面レイアウトの「リビングモード」、全面フラットの「ベッドモード」といった基本要素に、大容量のリアカーゴと長尺物を積載できる上部収納スペースをプラス。サーフィン、キャンプ、釣り、スキー&スノボなど、アウトドア好きのアクティブなユーザーに最適な1台だ。
ベッドマットを外せば大型ギアもラクに積み込め、キャンプから長期旅まで幅広い使い方に対応。天井にオプションのルームキャリアをセットすれば、サーフボードやスキー&スノーボード、釣り竿などの長尺物もスマートに積載できる。
セカンド&サードシートをフラットに展開してベッドマットを組み合わせれば、室内全体が広大なベッドスペースになる。
トラボイMD200SL-R 諸元
- ベース車両
- ハイエース スーパーロング特装車 ワイドボディ ハイルーフ
- 車体サイズ
- 全長5,380mm/全幅1,880mm/全高2,285mm
- 定員
- 乗車定員7人/就寝定員3人
- 登録
- 8ナンバー(キャンピング車)
- 価格
- 578万円~
ひと口にハイエースベースのキャンピングカーと言っても、モデルによってボディサイズや内装レイアウトなどは大きく異なる。ティピーアウトドアデザインでは、さまざまなライフスタイルに対応する多彩なハイエースバンコンを用意しているので、使い方をじっくりシミュレーションして自分に合った1台を見つけ出そう!
取材協力 ティピーアウトドアデザイン