キャンピングカーは年々進化し、さまざまな種類のモデルが登場しています。また、ユーザーの使い方にも多様性が見られ、広い世代がキャンピングカーに興味を持ち始めているようです。
若い世代や女性のユーザーも増加しており、求められるキャンピングカーのスタイルも変わってきました。
キャンピングカービルダーのRVビックフットも「顧客層の変化を感じている」といいます。特に同社では以前から人気のあったハイエースをベースにしたキャンピングカーに注目が集まっているようです。
創業当初から守り続けてきた職人気質なモノづくりが、オーナーの満足度にも繋がっているRVビックフットのキャンピングカー。その代表的なモデルがACSリトルノオクタービアMと呼ばれるハイエースベースのキャンピングカーです。
目次
ハイエースのキャンピングカーにホワイトを基調としたインテリア
ACSリトルノオクタービアMはそのインテリアの雰囲気が独特です。ホワイトを基調としたインテリアで、室内の広がりを感じます。
デザインの基本は社長と専務によって考えられたそうです。ホテルの部屋を参考にしていて、ホテルライクなインテリアにいやされます。
実際に旅で使ってみて、ソーラーや電力についても、十分な性能を追求しているそうです。車名の頭についている「ACS」はACシステムの略で、高性能な電源システムが投入されていることを表しています。
ボディサイドのエントランスを入ると、正面に見えるのが大きな冷蔵庫。冷蔵庫のサイズは138Lと大きなタイプを採用しています。その横にオプションの電子レンジが見え、一般家庭のキッチンのような光景。
冷蔵庫を小さなタイプへ変更して、カウンターテーブルのようなキャビネットにすることも可能だそうです。
ホワイトのインテリアカラーはエントランスからリアのベッドエリアまで続き、空間に奥行きを出しています。
ライトはダウンライトにアクセントとなる間接照明を組み合わせることもできます。それぞれのライトのオンオフで室内の雰囲気もいろいろと楽しめそうです。
冷蔵庫の横にはコンパクトにまとめられたキッチンが設置されていました。シンクの横にあるのはIH調理器具。RVビックフットでは、早くからIH調理器具を採用していて、このACSリトルノオクタービアMには標準で装備されています。
キッチンエリアのために設置されたオプションの上部収納は、作業する際も使いやすい位置にあります。壁側には間接照明がキッチンエリアを照らし、幻想的な空間が広がっていました。
キッチンの逆側、エントランス横にはソファを設置。ソファはレザータイプの表皮を採用し、高級感を感じる作り。オプションで抗ウイルス機能を持つレザーへの変更、その他のカラーバリエーションも選択できるそうです。
サイドにはAC出力コンセントが取り付けられていますので、ソファでくつろいでいる時などに、簡単に電源を確保できるようになっています。
リアのベッドエリアも広々。横180㎝、奥行き140㎝を確保できるので、十分な広さがあります。
バンコンではリアサイドウインドー部分を広げ、ベッドエリアを広くする加工をしているモデルが多いのですが、ACSリトルノオクタービアMでは、空気抵抗を減らすために、あえて窓部分の外側への拡張は行っていないそうです。
限られたスペースのバンコンでアレンジも可能な収納スペースを確保
キッチンとベッドエリアの間にクローゼットが設置されています。フロント側とリアの空間を分ける、レイアウトのアクセントにもなっているようです。
ベッド下の扉は、リアのラゲッジスペースとつながっています。普段はあまり使うことのないモノを収納するストッカールームとしても利用できそうです。
リアラゲッジスペースはベッド下全体に広がっています。一番奥に見えるのは室内からアクセスできる扉です。奥行きもあり、たくさんの荷物を載せることができます。
上部がベッドになっているのですが、木材に曲線を採用しているのが、このクルマの特徴を表しているともいえるでしょう。
リアラゲッジスペースの床も汚れに強いフロア素材が採用されています。室内と同じフローリングで、いろいろな用途に使えます。
例えば、ペット専用スペースとして利用することも可能です。実際にベッド下をペットスペースとして利用するオーナーもいるそうです。
旅行して分かった、キャンピングカー電源システムの重要性
ACSリトルノオクタービアMのリアバンパー部分には、外部電源入力端子が2個あります。これにより、2系統の電源入力を可能にしました。
こうすることで、効率よく電気を充電することができたり、インバーターに負担をかけることなく、大容量電流の家電を利用することもできるのです。
実際にキャンピングカーを使ってみて、使いやすさ、利便性を追求して、この電源システム=ACSが完成したようです。この細かい作り込みから、電気へのこだわりを感じます。
ソーラーパネルは標準装備で出力185Wタイプが2枚。クルマを駐車場に停めていても、しっかりと電気を作ってくれて、いつでもサブバッテリーへ充電しておくことができるのは便利。駐車場から自宅まで遠かったり、外部電源を確保できない場所でクルマを保管する人にとっては、このソーラーパネルが強い味方です。
ルーフの前方に取り付けられたスポイラーはRVビックフットの特徴的な装備。このスポイラーは、風の流れを変えて、ルーフに取り付けられた、ソーラーパネルなどの装備品による空気抵抗を軽減してくれます。
車内はいろいろな場所にコンセントが取り付けられています。冷蔵庫の上には標準装備となる、集中コンセントが設置されていました。バッテリーモニターの他、車内家電の電源プラグが集まっていました。
例えば、自宅にいる時など、冷蔵庫の電気を外部電源から供給したいのであれば、ここでコンセントを差し替えるだけ。電源の切り替えが簡単にできるので便利です。
オプションで家庭用エアコンを取り受けるオーナーも多いようです。それでも、RVビックフットでは、既存の鉛タイプのバッテリーを勧めている、といいます。
これも、実際の旅を通して実感したことがベースになっています。鉛のバッテリーであれば、日本のどこでも修理できること、そして、コスパが素晴らしいことなど、鉛バッテリーのアドバンテージが大きいことが、おすすめしている理由です。
インテリアとのコーディネイトが感じられるカーテンも標準装備。車内の雰囲気に合わせたインテリアアイテムとして、一式で揃っているのはありがたいのではないでしょうか。
サイド上部にはパネルが装着されています。3枚のパネル構成で、中央のパネルはレザーで覆われています。
パネルのベースは木材なので、ハンガーラックなども追加で取り付けられます。オーナーがDIYしやすいように、前後に長いパネルを装備し、カスタムできる余白を残しているのは、オーナーにキャンピングカーを楽しんでほしい、というメッセージなのかもしれません。
全体の作りも目を見張るものばかりなのですが、細かい個所にも手が込んでいます。このフロントシートの高低差をカバーするトリム部も、シートと同じ生地が採用されていました。
小さなポケットを装備して、キャンピングカーライフでのちょっとしたサポートをしてくれるギミックが隠されているのです。
ACSリトルノオクタービアMはホワイト基調で、コンパクトなボディに広がりのある空間を再現しました。また、充実した電源システムなど、キャンピングカーを使う人の立場で設計された機能性にあふれています。
そして、カウンタートップ、テーブルなど、インテリア全体に美しい曲線があしらわれていて、その空間から優しさを感じることでしょう。
コンパクトなバンコンでありながら機能性が高く、ホテルライクな優しい空間を求めるのであれば、ACSリトルノオクタービアMをチェックしてみるのもいいかもしれません。
ACSリトルノオクタービアM諸元
- ベース車両
- ハイエース5.3
- エンジン
- ガソリン/ディーゼル
- 駆動方式
- 2WD/4WD
- 車体サイズ
- 全長 5,380mm/全幅1,880mm/全高2,380㎜
- 定員
- 乗車定員4名/就寝定員2名
- 価格
- ¥7,051,000~