ジャパンキャンピングカーショーではたくさんのキャンピングカーが展示されていました。毎年、このイベントに合わせて、各社から新しいモデルが発表されるのが定番です。会場で初お披露目されるモデルも多く、その新車をみるのも来場者の楽しみの1つ。
そんな来場者の期待に応えるように、新車発表のイベントを大々的に行っていたのがダイレクトカーズでした。ブースにはたくさんの新型モデルが並び、来場者の目を引いています。
ダイレクトカーズといえば、2023年に本社を移転して、広大な敷地のショールームをオープンさせるなど、勢いのある会社です。会場に並んだクルマのラインアップをみてみても、その勢いを感じることでしょう。
今回はそんな勢いを感じるダイレクトカーズにスポットを当ててみました。
キャンピングカーの新車発表にアンベール式を開催
ジャパンキャンピングカーショー2024の初日、ダイレクトカーズのブースにはプレスの人たちが集まっていました。事前にアンベール式が行われることが告知されていて、ベールに隠された新車の姿をいち早くカメラに収めようとしていました。
アンベール式はモーターショーなどではよく見かける光景ですが、国内のキャンピングカーショーではあまり行われることがありません。見慣れない光景だけに、そのシルエットのダイナミックさに圧倒されます。今回は2台のクルマに黒い幕がかけられていました。
最初に姿を現したのはNINJAというクルマ。キャブコンらしいスタイリングで、シルエットだけでは想像できませんでしたが、フロントマスクなどデザインに特徴を感じるキャンピングカーでした。スタイリッシュな仕上がりで、サイドのグラフィックもアクティブな印象を放っています。
サイズ感も一般的なキャブコンと変わりませんが、そのNINJAという名前からも、何かが隠されているような空気感が漂っています。アンベールとともに、車両の細部についての説明が始まると納得。その車名の由来を感じさせる、さまざまなギミックが隠されていました。
特徴的なのが、上の写真のようなストレージがリアとサイドに取り付けられていたこと。引き出しのようにボディからスライドアウトする機構が採用されていました。普段はボディにぴたりと収まっていて、荷物の出し入れの時だけ、引き出して使うのです。
どちらも大きなスペースですが、注目はリアのスライド式ラゲッジスペース。横幅が1870㎜もあるので、スノーボードなどがそのまま収納できるようになっています。深さもあって、ブーツも立てた状態で収納できます。スキーやアウトドアアクティビティを終えて、汚れたままのギアをそのまま収納できるのが便利です。
キャブコンシリーズにもキャラクターの違いを感じるカテゴリー分け
ダイレクトカーズはハイエースなどのバンコンキャンピングカーが主流でしたが、最近のラインアップをチェックしてみると、キャブコンモデルも多数開発していることに気づきます。そして、その新車が発表されるサイクルも短いのが特徴かもしれません。
さらにキャブコンシリーズのなかでもカテゴリーが分けられていて、充実したぜいたくな旅を実現してくれるフラッグシップモデルから、ボディサイズをコンパクトにした扱いやすいモデルなど、オーナーの用途に合わせたモデルを選べるようになっています。
アンベール式で2台目にその姿を現したのが、このBEACHでした。まだ、参考出展ではありましたが、さらにコンパクトなキャブコンをラインアップに加えようとしているようです。可愛らしいシルエットでデザインもポップで幅広い世代に支持されるようなデザインです。
ベース車両はタウンエース。キャブコンとしての広さがあり、充実した設備を備えながらも、コンパクトボディでアクティブに行動できるそうです。キャビンの上部には小さな横長のウインドーが取り付けられた特徴的なデザイン。視線を遮断しながら光を取り入れることができるのでしょう。
ダイレクトカーズのキャブコンシリーズで忘れてはいけないのが、このBR75です。ハイエースの荷台にキャビンを架装し、キャンピングカーへとトランスフォームさせています。ハイラックスのアクティブな走りにより、これまで以上にキャンピングカーの行動範囲を広げてくれたモデルです。
以前はリアサイドから乗り込むレイアウトだけでしたが、今回はリアにエントランスを設けて、マルチルームレスとし、室内空間が広がっています。アウトドアでの利便性を追求した、アウトドアシンクまで設置されていて、フィールドでの機能性がさらに向上しています。
オールラウンドでフィールドをサポートするダイレクトカーズのキャンピングカーたち
キャブコンシリーズのアッパーセグメントをカバーするTRIPシリーズにもニューモデルが加わったようです。こちらのモデルはキャビン部分がスライドアウトするモデル。走行時はコンパクトなスタイル、目的地では広々とした空間を提供することができます。北米のキャンピングトレーラーや輸入車の大型キャンピングカーでは見かけたことがありますが、国内モデルでは珍しい存在となります。
キャビンの右側が外側に出ていて、外観からもその快適性がうかがえます。せり出したキャビンの上部にはロールアップされたテントが広がるようになり、雨などの侵入を防いでくれるようです。スライドアウトさせた状態でも、ボディとのデザインバランスも絶妙です。
室内はスライドアウトの恩恵を十分に発揮していました。リビングエリアに取り付けられたシートが外側に移動していて、中央の通路部分のスペースに余裕が生まれています。これまでの国産キャブコンにはなかった、広々とした開放感を感じます。大きなキャンピングカーが欲しくても、ドライビングを考えて、コンパクトなモデルをセレクトしてきたオーナーであれば、気になる存在となることでしょう。
室内の照明にはラインLEDが採用されていて、そのライティング自体がインテリアのデザインを構成しています。スライドアウト部分にもアクセントとなるライトが配置されていて、広がった空間に一体感を持たせていました。その光に包み込まれる空間は上質なリラックスタイムを提供してくれそうです。
ダイレクトカーズのブースにはトレーラーなども展示されていました。ディスプレイ用にバイクが並んでいたり、フィールドを疑似体験できるような世界が広がります。同社の体感型ショールーム鈴鹿ベース、厚木ベースの世界観と同じです。
ラグジュアリーからアウトドアテイストあふれるキャンピングカーまで、幅広いラインアップを取り揃え、次から次へとニューモデルを生み出すダイレクトカーズ。その勢いの理由が、その世界観に隠されているのかもしれません。
新しい価値観、そして、幅広いカテゴリーに対応できる柔軟性は、さまざまな体験を通して生まれているのは明らかです。そのひとつとして、体験を共有化してユーザーに寄り添うことが影響しているのは間違いないようです。