アネックスリバティの次世代モデル52DBiと断熱・電力のパワーアップメニューが登場

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アネックスリバティの次世代モデル52DBiと断熱・電力のパワーアップメニューが登場

ジャパンキャンピングカーショー2024ではたくさんのニューモデルが発表されました。この国内最大のキャンピングカーイベントに合わせて、新しいクルマを発表するのが、国内キャンピングカービルダーの通例となっています。

キャンピングカーのニューモデルだけではなく、新しい技術のお披露目の場所にもなっているのです。最近では電源システムのリチウムイオンバッテリーがトレンドでした。オーナーがバッテリーを強化したい理由としては、キャンピングカーにエアコンを設置するのが一般的になってきたからともいえるでしょう。

より快適なキャンピングカーライフを過ごしたい人やペットがいるオーナーなど、効果のある空調設備をキャンピングカーに設置するのことが当たり前となりつつあります。その一環として再び注目を集めているのがボディ断熱です。断熱効果を高めることが、エアコンの効きをよくして、電源の消耗を減らせる事に、多くの人が気づき始めたようです。

そして、電源の強化、断熱効果の向上、この2つを新たなメニューとして取り入れたのが、今回紹介するアネックスリバティ52DBiです。次世代モデルとして銘打ったリバティのニューモデル。その進化に注目してみたいと思います。

LACグループのキャブコンを担う、アネックスのリバティ

ジャパンキャンピングカーショーのLACグループブース

ジャパンキャンピングカーショーの会場ではLACグループが大きなブースを展開していました。さまざまなブランドが並び、たくさんの新車が発表されています。そのなかで、アネックスはオリジナルのバンコン、そして、リバティのニューモデルなどを発表していました。

リバティ50DB

会場の中央にはコンセプトモデルとして、2023年末に発表されたリバティ50DBが展示されています。全長5mを切るコンパクトなボディにリバティ52クラス同等の設備を組み込み、新しいハイクオリティコンパクトキャブコンをイメージさせるモデルでした。

以前はコンセプトモデルとしての紹介でしたが、今回は市販モデルとして新しいキャンピングカーのラインアップに加わリました。さらにアネックスではニューモデルの発表も行なっています。そのモデルがリバティの次世代モデルとなる52DBiというクルマ。高い断熱効果と強力な電力システムもオプションとして新しいメニューで登場していました。

キャブコンの断熱を高める塗装と強力な電源システム

リバティ52DBiのチャコールグレーの特徴的なカラーリング

展示されていたニューモデル、リバティ52DBiはチャコールグレーの特徴的なカラーリングで目立っています。この新しいボディカラーが遮熱塗装仕様になっていたのです。ボディに取り付けられたステッカーを見てみると、ロックペイントのハイロックエコが使われているようです。

このハイロックエコの遮熱タイプは、熱の発生源となる赤外線を表面で反射することで、ボディに熱を溜めない仕組みになっています。日中であってもボディが熱くなりにくいので、車内に設置された家庭用エアコンの効きも期待できます。元々、キャンピングカーのシェルは断熱効果の高い構造になっていますが、一番外側の層でも遮熱をすることで、さらに遮熱効果を高めるのです。

元々、キャンピングカーのシェルは断熱効果の高い構造になっていますが、チャコールグレーのような熱を吸収するカラーは敬遠されてきました。しかし、この塗料のおかげで一番外側の層で遮熱をしてくれるので、これまでの塗装とは違う効果を発揮します。

リバティ52DBiの電装のアップグレードオプション

そして、注目されていたのが、電装のアップグレードオプション。エクストラパワー2400ウルトラパワー4800マックスパワー9600の3つのメニューが用意されていて、利用する電気容量に合わせて、電源システムを強化できるようになりました。基本はリチウムイオンバッテリーに高出力インバーター、そして、充実した充電システムの組み合わせです。

オプションメニュー名の後ろに付いている2400などの数字は、リチウムイオンバッテリー容量を表しています。例えば2400の場合、電気容量は2400Wh。ポータブル電源と同じ表記なので、クルマのサブバッテリーサイズをイメージしづらい人にとって、分かりやすい表記になっているといえるかもしれません。

リバティ52DBiの電装、ウルトラパワー4800

展示モデルに搭載されていたのはウルトラパワー4800という仕様でした。バッテリーシステムにはビクトロンエナジーが使われています。システムはベッド下のリアラゲッジスペースに設置されていました。システムは4800WhのBMS付リチウムイオンバッテリー、出力3000Wと960W充電のインバーター・チャージャー、600Wの走行充電システムが組み込まれています。このモデルのリチウムイオンバッテリーはリン酸鉄タイプになっているそうです。

進化したキャブコンリバティの快適な室内装備

リバティ52DBiのインテリア

インテリアは既存のリバティと大きな違いはありません。リビングスペース、マルチルーム、キッチン、リア2段ベッドの組み合わせで、明るいインテリアが特徴的なモデルです。天井には間接照明が取り付けられていて、美しい光に包み込まれた空間が心地よく広がっています。

既存モデル同様、FF床暖房システムが標準装備されていました。リバティはベースの機能性が高く、快適な環境が整っているのですが、さらに上質な空間を求める人にとって、この遮熱塗装や強力な電源システムが用意されていることは心強いかもしれません。

リバティ52DBiのリビングスペース

このDBiのレイアウトはDBと同じで、7名乗車、5名就寝のスペースが確保されました。リビングスペースにはフロント側に大きなベンチがあって、フロント側だけで大人4名が座れるスペースが確保されています。セカンドシートと合わせて大人6名がテーブルを囲むことができるのも魅力的です。

リビングスペースはベッドにすることで大人1人が寝られるスペースになります。バンクベッド2名、リア2段ベッドを合わせて、合計5名の就寝定員。しっかりとしたベッドが設置されているので、リビングをベッドに展開することは少ないかもしれませんが、いざという時にプラス1名のベッドを確保できることは便利なのではないでしょうか。

リバティ52DBiの吊り下げ棚と家庭用エアコン

リビングエリア上部、インテリア右側の吊り下げ棚部分には家庭用エアコンが設置されています。これまでにも480Ahのリチウムイオンバッテリーが標準装備されていたので、エアコンの利用は問題ありませんでした。さらに、今回から大容量のバッテリーをオプションで追加できることから、連泊の際も家庭用エアコンを使いやすくなることでしょう。

次世代キャンピングカーとしての進化を感じさせる、バージョンアップ

リバティ52DBiのフロント上部

現行のリバティは2018年に登場して、細かい仕様変更を行なってきました。インテリアなども素材やパーツのバージョンアップが繰り返され、上質な空間に磨きがかかります。これまで、ボディ自体には大きな変更はなかったのですが、リバティ52DBiから、フロント上部の形状が変更されることになりました。

バンク上部両端の形状が変更され、水が流れる雨どいとしての機能性を持たせています。これまでは、雨水などがバンク全体から滴り落ちていたのですが、形状を変更して雨どいを追加したことで、フロント側に余分な水が回り込んで、先端から排出される仕組みになりました。おかげで、バンク周辺を囲む雨どいを設置する必要がなくなり、よりスマートなエクステリアデザインを実現することができるのです。

リバティ52DBiのボディ

細かいところですが、ボディシェルの工法にも改良が加えられ、ボディ表面の仕上がりが、より滑らかになっていました。横からみると、その作りの良さを実感することができます。ボディに映り込む風景にも大きな歪みがなく、キャンピングカー全体の品質向上につながっています。

エントランスのステップはドアの開閉に連動していて、ドアを開くと自動的にせり出してきて、スムーズな乗り降りのサポートをしてくれます。ドアステップはしまい忘れがあったり、乗り込む際に、ドアを開けてからスイッチ操作するクルマが多く、ワンテンポ遅れた動作になりがちです。そんな、小さなストレスを軽減してくれることで、快適性は一段と向上していくのです。また、ドア自体にイージークローザーが搭載され、軽く閉めるだけで、モーターがしっかりと最後までドアを閉めてくれます。車中泊をしていると、ドアの開け閉め騒音が気になりますが、イージークローザーのおかげで、周りに迷惑をかけることもありません。

リバティ52DBiのコントロールパネル

インテリアのエントランス上部には、コントロールパネル類がまとめられていました。ボイラー、FFヒーターなどのコントローラーに合わせて、左側に大きなモニターが2つ取り付けられています。下はアネックスオリジナルのコントロールモニターで、サブバッテリーや水タンクの容量を視覚的に確認できるようになっています。また、電灯のオンオフ、インバーターのスイッチなども、このコントロールモニターで操作できるようになっています。

左側上部にあるモニターは電源システムのモニターで、このキャンピングカーに搭載されていたビクトロンエナジーの状態を確認できるようになっています。各種システムが相対的に見られるようになっていました。消費電力などもしっかりと表示されているので、残りどのくらいの電気を利用することができるのか、すぐに分かる表示になっています。

リバティ52DBiはこれまでのモデルの機能性を継承しながら、新設計のFRPボディを採用するなど、革新的なモデルとしてデビューしました。さらに、オプションのメニューを充実させることで、幅広いユーザーの使い方に対応しているのも特徴です。これまでにも最新技術を投入してきたリバティらしい正常進化系モデルといっていいでしょう。

アネックスリバティ52DBi 諸元

ベース車両
カムロード
エンジン
2.8Lディーゼル
サイズ
全長5,230mm╳全幅2,040mm╳全高2,880mm
定員
乗車定員7名/就寝定員5名
価格
1,353万円〜
WRITER PROFILE
渡辺圭史
渡辺圭史(わたなべ・けいし)

1971年東京生まれ。アウトドア好きな編集者、そして、算数が好きだったライター。アウトドア用品メーカー、出版社を経て、キャンピングカー専門誌編集長に。現在はフリーとして、いろいろなメディアにて執筆中。アウトドアをキーワードに、より楽しいライフスタイルを求めてゆるりと奮闘中。最近気になっているワードは、旅、ミニマリスト、車中泊。趣味はコンパクトな旅とモノづくり。

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アネックス:LIBERTY52DBiリバティ次世代モデル完成
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