
軽キャンパーのベース車両といえば、ハイゼットやエブリイ、そして、この2車種のOEM車両が一般的です。今回、オートワンから発売されたピッコロキャンパーはホンダN-VANをベースにしたキャンピングカー。これまでの主流とはちょっと違ったキャラクターが注目されます。
軽自動車のコンパクトなボディサイズは都市部でも扱いやすく、維持費の負担も少ないことから、趣味用途だけでなく普段使いを前提とした選択肢として広がりを見せています。そうした流れのなかで登場した「ピッコロスマイル」は、ホンダN-VANの高い室内高とフラットな床構造を生かして、軽自動車の枠を超えた広がりのある空間を実現しました。
運転席回転機構や多彩なシートアレンジにより、移動や仕事、休息という異なる時間の過ごし方を一台でカバーします。車中泊はもちろん、リモートワークや日常の買い物まで無理なく対応できる設計は、これからの軽キャンパーの新しい基準といえるかもしれません。
N-VANの利点を最大限に生かした広々空間設計
ピッコロスマイルの最大の特徴は運転席が回転すること。運転席を回転させることで、車内は簡単にリビング空間へとトランスフォーム。前後の座席が向かい合うことで、適度な空間を保ちながら、自然な会話の場を提供してくれるのです。また、軽自動車とは思えないゆとりある足元スペースが快適性をさらに高めてくれます。
停車中にシートを回すだけでくつろぎのリビングレイアウトが完成するので、景色の良い場所でコーヒーを楽しんだり、旅先でのリラックスタイムにも最適。車内で過ごす時間そのものが目的になる、そんな居心地のよさを実感できるレイアウトです。
走行時は4名乗車が可能なシートレイアウトを確保しています。普段は一人旅や車中泊中心の使い方であっても、家族や友人と出かける際に乗車定員を簡単に確保できる点は大きな安心材料です。日常使いのクルマとしてもしっかりと実用性を備えているのも注目です。
平日は通勤や買い物、週末はアウトドアや小旅行といった使い分けにも柔軟に対応します。必要なときに人を乗せられることで、本格的なキャンピングカーを敬遠していた人にもピッタリ。生活の中で軽キャンパーの活躍の幅が広がります。
セカンドシートはすっきりと収納でき、倒した部分にはフロア加工が施され、しっかりとした室内という雰囲気。N-VANの特徴であるピラーレス構造によりエントランス部分は大きく開放され、荷物の積み下ろしがしやすく、大型のアウトドア用品や自転車などの大型ギアの積載もスムーズに行えます。
助手席までを収納スペースとして利用すれば、軽自動車とは思えない広大なラゲッジスペースが確保できます。引っ越し時の荷物運搬やアウトドアギアの収納など、多目的に活用できる実用性の高さが魅力です。
多彩なレイアウトが生む自由な過ごし方
上の写真は車内レイアウトアレンジの1つ。このコの字型レイアウトでは、運転席側の回転シートとマット展開によって、フラットなスペースが生まれます。エントランスドアを開けておけば、開放的な環境のなか、外の空気を取り込みながらデスクワークなども行えます。
この広々とした空間とアレンジの効くレイアウトは、リモートワークの拠点としても大活躍することでしょう。自然のなかで仕事を進める新しい働き方も実現できます。移動と仕事、休息が一体化した自由な時間の使い方を提案してくれるのです。
マットを敷き詰めることで全面フルフラットのベッドが完成。助手席側は2m以上の長さが確保されているので、身長の高い方でも足を伸ばしてゆったりと休むことができます。ベッドにした時も天井が他の軽キャンパーよりも高い位置にあるので、開放感があります。
長距離移動の疲れをしっかりと癒やせるこのような広々とした就寝スペースは、車中泊旅の快適性を大きく左右します。夜間の休息の質が高まることで、翌日の行動もより快適になります。
リアには吊り下げ棚やシンクを備えたキャビネットを設置。必要な小物を整理して収納できるほか、ちょっとした調理や手洗いにも対応。天井に設置された間接照明が柔らかな光を広げ、落ち着いた室内環境を演出します。
間接照明は夜間の車内でも目に優しく、長時間の滞在でも疲れにくい設計といえます。軽キャンパーでありながら、居住空間としての快適性をしっかりと作り込んでいるのは、オートワンならではの技術力の高さといえるでしょう。
日常と旅を支える実用装備
壁側に収納されていたのがスイングアーム式テーブル。使いたい位置へ自在に動かせる設計になっています。コンパクトながら安定感があり、食事やPC作業、読書など幅広い用途に対応。シートアレンジと合わせて、テーブルの位置を自由に調整できるのは便利です。
必要なときだけ展開して、使わないときは邪魔にならないように壁側へテーブルトップを縦にして収納可能。限られた空間を有効活用できるアイデアあふれる実用的な装備です。
リアサイドのキャビネット内側には大型の鏡を装備。鏡の近くの上部に照明がついていて、夜間でも身だしなみを整えやすく、アウトドアや車中泊時に便利な装備となっています。旅先での準備や着替え時にも役立ち、車内生活の快適性を高める細やかなアイデアが詰まっています。
リアゲート部分にはテーブルを設置できるようになっています。簡単なセッティングでアウトドアリビングが完成し、外の景色を楽しみながら食事やコーヒータイムを過ごせます。キャンプ場や海辺、山間のスペースでも、すぐにくつろぎの空間を作れる点は旅の満足度を高める大きな魅力です。
快適性と機能性を高める構造と電源システム
走行モード時はセカンドシートを立ち上げ、分割されたリア側のマットはそのままの状態で使えるようになっています。上部のクリアランスに余裕があるので、そのままラゲッジスペースとしても使えます。このレイアウトでは、日常の買い物からアウトドア用品の積載まで対応でき、使い勝手の良さを実感できます。
ベッドマットには通気性に優れた高規格インシュレーターを採用。湿気がこもりにくく、体をしっかり支える構造により快適な睡眠環境を実現します。季節を問わず快適な就寝環境を維持できるため、長期の旅や連泊時にも安心して使用できます。
リアボックス内にはバッテリーなどの電装システムを収納。オートワンらしい強力な電源システムにより車内電力を安定供給します。ボックスにはフロント側のマット類もすべて収納できるため、普段使いから車中泊仕様への切り替えは、荷物の入れ替えが不要です。
軽自動車のサイズに収まりながら、ここまでの開放感を実現している点が大きな魅力です。N-VANの高い室内高とフラットフロア構造を生かして、コンパクトで使いやすい家具を配置し、多彩なシートアレンジを最適化することで、日常使用から車中泊まで無理なく対応できる空間設計が完成しました。
軽キャンパーながら、車内に入った瞬間に感じる高さと広がり、そしてレイアウト変更の容易さが魅力のモデル。軽キャンパーの扱いやすさを維持しながら、滞在空間としての快適性を高めたピッコロスマイルは、日常の延長線上にある自由な旅のかたちを、より身近なものにしてくれる一台となるでしょう。



