キャンピングカーのベース車両といえば、軽自動車のエブリイ、バンタイプのハイエース、小型トラックベースのカムロードなどが有名です。
でも、軽自動車より大きくて、ハイエースより小さいサイズを探している人もたくさんいます。そこで、注目されるのが、ミドルサイズのタウンエース。
4045×1665×1900㎜のボディサイズで、ミニバンのようなサイズ感は、初めてのキャンピングカーであっても運転に抵抗を感じることはないでしょう。
そんなタウンエースベースのキャンピングカーはちょうどいいサイズで人気があります。キャンピングカー初心者にもピッタリのサイズで注目されているのです。
そこで、今回はタウンエースをベースにしたモデルを横浜キャンピングカーショー2022でピックアップしてみました。
目次
ディーラーが販売するタウンエースキャンパー「アルトピアーノ」
トヨタモビリティ神奈川が販売しているのが、キャンパーアルトピアーノ。基本的に神奈川県、東京都、千葉県、埼玉県、山梨県、静岡県在住の方向けの限定販売になっているモデルです。
ベース車両はタウンエースとハイエースが設定されていて、横浜キャンピングカーショーでは2つのタイプが展示されていました。
トヨタ車のディーラーが販売しているので、ほとんどのアフターメンテナンスをディーラーで対応してくれるのが強みといえるでしょう。また、ディーラーということで、乗り換えの時に、他のミニバンと同時に比較検討できるのも、お客さんにとってはポイントが 高いのかもしれません。
レイアウトはフラットになるセカンドシートとリアキャビネットが設置され、リビングエリアとフルフラットベッドが展開できるようになっています。
リアにはマットが設置され、上部に棚板があります。棚板はネジで簡単に取り外し可能なので、大きな荷物を載せることもできます。
リアキャビネットのシンクはオプションで設定されています。基本装備はベッドと室内灯程度ですが、キャンピングカー設備が必要な場合はオプションで追加するようになっているのです。
シンクはコンパクトサイズですが、タンクからポンプで水を汲み上げる本格タイプ。シャワーヘッドが伸びるので、リア側から外へ出せば、アウトドアシャワーとしても利用できます。
電源設備もオプション装備です。本格的なキャンピングカー同等の性能で、走行充電をしてバッテリーに電気をためて、停車時にはインバーターを使ってAC100Vの出力ができるようになっています。
リアシート、荷室はタウンエースのノーマル車両と変わらない使い方ができるので、ミニバンからの乗り換えにもちょうどいいかもしれません。普段乗りできて、いつでもどこでもキャンパーを楽しめる手軽さも人気のようです。
キャンパーアルトピアーノ諸元
- メーカー
- トヨタモビリティ神奈川
- 車名
- キャンパーアルトピアーノ
- 定員
- 乗車定員5名/就寝定員2名
- 価格
- ¥2,826,000(税込)〜
タウンエースを極めるフロット・モビールのキャンピングカー「シュピーレン」
長野県のキャンピングカービルダー、フロット・モビールは早くからタウンエースに注目して、シュピーレンというモデルを作ってきました。
現在、オリジナルモデルはシュピーレンのみなので、タウンエース専門キャンピングカービルダーのような存在といっていいでしょう。
シュピーレンの基本レイアウトはセカンドシート左側に、シングルのバタフライシートを設置して、運転席後ろに2人掛けベンチシートがあるタイプになります。その他にも、セカンドシートに2人掛けバタフライシートを装備したタイプも設定されています。
バタフライシートは前向き後ろ向き、両方にセットできて、フルフラットベッドにもなる多彩なレイアウトに貢献しています。
ベンチ側のみをフラットにして、シングルベット仕様にすることもできるので、1人掛けバタフライシートでくつろぎながら、疲れたらすぐに就寝といった、一人旅にもちょうどいいレイアウトが可能です。
キャビネットにテーブルをセットすれば、リビングエリアとしても快適に利用できます。水道設備にはジャグを活用していて、排水タンクがついたシンクとセットで利用します。このように、あえて手軽なキャンピングカー仕様になっているのも特徴です。
どの程度までキャンピングカー設備を装備するかはオーナー次第。設備も自分好みにセレクトできるようになっているのです。
タウンエースはハイエースと比べるとコンパクトサイズですが、床下を利用すれば、収納スペースを十分に確保できます。
薄型の冷蔵庫も収納できる高さがあって、奥行きはリアからセカンドシートまで利用できるので、長い荷物も楽々収納できます。たくさんの荷物が載るので、スキーなど、アウトドアアクティビティを楽しむオーナーにもピッタリのモデルです。
シュピーレン諸元
- メーカー
- フロット・モビール
- 車名
- シュピーレン 1人掛けバタフライシート仕様
- 定員
- 乗車定員3名/就寝定員2名
- 価格
- ¥3,333,000(2WD)(税込)〜
本格的キャンピングカーのこだわりを詰め込んだAtoZの「アンナモデルE」
キャブコンなど数々のキャンピングカーを作ってきた、キャンピングカービルダーの老舗AtoZから販売されているタウンエースモデルがアンナモデルEです。
展示モデルはリフトアップカスタムという特別仕様車でした。アウトドアテイストあふれるカスタマイズで、ノーマルのタウンエースとは違う印象の仕上がりです。
ボディは4㎝リフトアップされていて、ルーフキャリアやグリルガードが取り付けられています。
脚元をみると、オーバーフェンダーとアルミホイール、そして、タイヤのコンビネーション、とアウトドアテイストが強めです。
オーバーフェンダーはAtoZオリジナルで、このクルマのために作られたものだそうです。タイヤハウスがフロントドア下とフェンダーで分割されているので、ドアヒンジ部分に切り欠きを入れて、ドアがスムーズに開くようになっているなど、こだわりの作りです。
バーライトなども大切なカスタムアイテム。フロントマスクの印象を大きく変えています。エンブレムはマツダになっていますが、これは、タウンエースと姉妹車になるマツダ・ボンゴバンをベースにしているからです。
このエンブレムもボディー同色でしっかりと塗装されています。アンナモデルEリフトアップカスタムに合わせたカラーリングで、室内を含むボディ全体から、タイヤハウスの内側まで、しっかりと塗装されていました。
インテリアはあえてシンプルに作っているそうです。オーナー自らカスタマイズして楽しんでほしいという思いから、このシンプルなレイアウトが完成しました。
セカンドシートはAtoZの他のキャンピングカーでも使われている「A-SMART」を採用。シートは変形可能で、前向き後ろ向きのレイアウトや、フルフラットベッドの展開ができます。
リアのラゲッジスペースには、シンプルでも剛性の高いフレームが組み込まれ、しっかりとしたベッドが展開できるようになっています。サイドキャビネットがないので、ベッドエリアは広々。右リアサイドには小さなカウンターが設置されていました。
カウンターの下にはレールが組み込まれていて、テーブルもセットできます。テーブルとシートの組み合わせで、対面対座のリビングのようなレイアウトもできるようになっています。
シンプルを追求して、電源システムも省かれていました。このポータブルリチウムイオン電池はオプションで購入可能ですが、自分が持っているポータブル電源を利用してもいいのです。
いたるところに、カスタムの余白を感じるアンナモデルE。プロの技が生んだクルマをベースに、オーナーの使い方に合わせたアレンジで楽しむモデルといえるでしょう。
アンナモデルE諸元
- メーカー
- AtoZ
- 車名
- アンナモデルEリフトアップカスタム
- 定員
- 乗車定員5名/就寝定員2名
- カスタム参考価格
- ¥4,125,100(税込)