日本でもっとも人気のあるキャンピングカーは、バン・ワゴンの内装をメインに架装したバンコンと呼ばれるカテゴリーだ。ベース車両としては、トヨタ・ハイエースがポピュラーだが、ハイエースには複数のボディサイズが用意されており、どれをベースにするかでキャンピングカーとしての使い勝手や性格は大きく変化する。
今回は、あらゆるサイズのハイエースバンコンを取りそろえるティピーアウトドアデザインにスポットを当て、ボディサイズの異なるバンコン3モデルをセレクト。それぞれの特徴について解説する。
目次
ストレスなく普段使いできるキャンピングカー T200Vプラス
ティピーアウトドアデザインがラインナップするバンコンの中で、もっともコンパクトなモデルがT200Vプラスだ。ベース車両は、ハイエースの標準ボディ・ロールーフ。ボディサイズは、全長4695mm×全幅1695mm×1980mmの5ナンバーサイズ(貨物車なので4ナンバー)となる。
最大のポイントは、「どんな道でも走れて、どんな駐車場にも入れる」抜群の機動力! 初心者や女性にも運転しやすいコンパクトサイズなので、「大きなクルマの運転に自信がない人」「ファーストカーとして使用したい人」にもピッタリだ。登録は4ナンバーで、価格はキャンピングカーとしては安価な451万円。ミニバンと同じような感覚で手軽に購入できて、普段使いからレジャーまでマルチに使えるのが魅力だ。
コンパクトサイズながらも、内装は本格的なキャンピングカー仕様。2列目には1200mm幅の3人掛けFASPシート、3列目には2人掛けの簡易シートが装備され、セカンドシートを後ろ向きにすれば、最大5名でテーブルを囲める。
シートをフラットにしてリアマットを組み合わせれば、長さ2750mm×最大幅1200mmのベッドになる。凹凸のない完全なフラットスペースなので、寝心地も抜群だ。
リア上段には、長さ1500mm×幅1350mmの子供用ベッドを完備。子供が小さいうちは、ファミリーでも十分車中泊を楽しめる。
リアの左右には、スペースを犠牲にしない薄型の家具をレイアウト。ベッドマットを外せば、バイクや自転車も積める広大なカーゴスペースになる。
普段は足グルマとしてミニバン感覚で乗り回し、休日には家族や仲間とクルマ旅やアウトドアを思う存分楽しむ。T200Vプラスは、そんなニーズにピッタリの手軽に楽しめるキャンピングカー。車両持ち込みでの架装もOKなので、すでにハイエースを所有していて「キャンピングカーにアップグレードしたい」というユーザーにもお勧めだ。
T200Vプラス緒元
- ベース車
- ハイエース スーパーGL ロング標準ボディ・標準ルーフ
- サイズ
- 全長4,695mm/全幅1,695mm/全高1,980mm
- 定員
- 乗車:5名
- 登録
- 4ナンバー(小型貨物車)
- 価格
- 4,510,000円(車両持ち込み1,485,000円~)
大型ミニバンサイズで街乗りもラクラク! HJ200WS-R
ハイエースバンコンの中間的なサイズとなるのが、ワイドボディ・ミドルルーフをベースにしたHJ200WS-Rだ。ボディは4840mm×1880mm×2105mmで、3ナンバーの大型ミニバンとほぼ同じサイズ。取り回し性に優れ、高さ制限付きの立体駐車場にも入れるので、ファーストカーとしての使用も十分可能だ。
「標準ボディは小さくてファミリーユースは厳しいし、スーパーロングは大きすぎて運転や駐車が不安……」。機動性と居住性のバランスに優れたワイドボディ・ミドルルーフベースのHJ200WS-Rは、そんな悩みを抱えるユーザーにピッタリの1台だ。
インテリアは、2列目に1200mm幅の3人掛けFASPシート、3列目に900mm幅の2人掛けFASPシートを装備した3列シートレイアウト。標準ボディよりも広い室内を活かし、ゆったりと落ち着ける居住スペースに仕上げている。
セカンド&サードシートを前向きにして、最大7名が乗車可能。ミニバンの3列シートと同じ感覚で大人数でも快適にドライブできる。
運転席と助手席には、レカロシートLX-Fを標準装備。快適な座り心地と高いホールド性で、長時間座り続けても疲れにくく、スポーティな印象も演出できる。
2列目と3列目のFASPシートをフラットに展開して補助マットを組み合わせれば、大人2名がゆったりと就寝できる快適なベッドスペースになる。
リアの上段には、長さ1700mm×幅950mmの常設ベッドを配置。サイズ的には子供用となるが、小柄な男性や女性なら問題なく横になれる。リアベッドの下はカーゴスペースになっており、ベッドマットを外せば大きな荷物も積載可能だ。
リアの左右には、薄型キャビネットを完備。左サイドのキャビネット上部には、コンパクトなギャレー(シンク&水栓)が埋め込まれている。走行充電式サブバッテリーシステムも標準装備されており、エンジン停止時でも車内で電気を使用できる。
HJ200WS-R諸元
- ベース車
- ハイエース スーパーGL ロングワイドボディ ミドルルーフ
- サイズ
- 全長4,840mm/全幅1,880mm/全高2,105mm
- 定員
- 乗車:7名/就寝:大人2名+子供2名
- 登録
- 8ナンバー(キャンピング車)
- 価格
- 5,335,000円~
ファミリーユースに最適な広々居住空間 LB200SL-R
LBD200SL-Rは、ハイエースのボディバリエーションの中でもっとも大きい、スーパーロングをベースにしたバンコンだ。サイズは、国産車最大級の全長5380mm×全幅1880mm×全高2285mm。
室内の広さは圧倒的だが、ファーストカーとして使用するには、ボディの大きさと取り回しの悪さがデメリットとなる。ホイールベースが長く小回りが利かないため、狭い道の走行や駐車場探しでストレスを感じることもあるだろう。
ただし、そうしたデメリットを差し引いても、スーパーロングの広大な室内空間は大きな魅力。「とにかく広い居住空間が欲しい」「普段乗りのクルマが別にある」という人には、キャンピングカーの魅力を存分に味わえる、スーパーロングベースのLBD200SL-Rがベストな選択だ。
先に紹介した2モデルと比較して、室内空間の広さは圧倒的。車内で立てるほど天井が高く、ベッドやキッチンなどもゆったりレイアウトされている。モノトーンのツートンカラーを採用した、スタイリッシュなデザインもポイントだ。
セカンドシートには1500mm幅の3人掛けFASPシート、サードシートには900mm幅の2人掛けFASPシート、リアエンドには常設ベッドを装備。シートを前向きにすれば7名が快適に移動でき、シートを対面にすればテーブルを挟んでくつろげる。様々な使い方やライフスタイルにマッチする空間づくりが秀逸だ。
HJ200WS-Rと同様に、運転席・助手席にレカロシートLX-Fを標準装備。ルックスと実用性を両立した、ティピー流のこだわりが光る。
セカンド&サードシートを展開したベッドスペースは、長さ3300mmの超ロングサイズ! 大人2名が余裕をもって就寝できる、広々とした空間だ。
常設リアベッドのサイズは、長さ1700mm×幅1300mm。オプションのワイドウィンドウで右サイドの窓部分を拡張すれば、さらにベッド長を広げることも可能だ。下段マットを外せばベッドの下が大容量のカーゴスペースになり、キャンプ道具や長期旅の荷物も余裕をもって積載できる。
室内の左手には、コンパクトなキッチンがレイアウトされている。カウンタートップには角型シンクが埋め込まれ、その横には上開き式の40L冷蔵庫をビルトイン。外部AC充電と走行充電に対応したサブバッテリーシステムも標準装備されており、エンジン停止時でも照明や冷蔵庫などの電装品を使用できる。
左右上部には、小物の収納に役立つアッパーキャビネットをセット。室内高に余裕のあるハイルーフベースならではの便利な装備だ。
LBD200SL-R諸元
- ベース車
- ハイエース スーパーロング特装車 ワイドボディ ハイルーフ
- サイズ
- 全長5,380mm/全幅1,880mm/全高2,285mm
- 定員
- 乗車:7名/就寝:4名
- 登録
- 8ナンバー(キャンピング車)
- 価格
- 6,138,000円~