ちょと小さめのキャブコン!ボンゴトラックベースのキャンピングカー「アレン」が快適化

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ちょと小さめのキャブコン!ボンゴトラックベースのキャンピングカー「アレン」が快適化

キャンピングカーの快適性を求めるのであれば、キャブコンが圧倒的に有利といえるでしょう。スペースに余裕があり、レイアウトも自由に設計できるからです。

しかし、ボディサイズが大きいので、街中での使い勝手や運転に不安を感じる人も多い車種でもあります。

そこで、注目されているのが、小さめのキャブコン。タウンエースやボンゴなどをベースにしたコンパクトキャブコンです。

この小さめのキャブコンのラインアップが充実しているキャンピングカービルダーの1つに挙げられるのがAtoZ

AtoZが作ったボンゴベースのアミティはロングセラーモデルとして、多くのユーザーから支持されてきました。その他にも、タウンエースベースのアレン、NV200ベースのアルファなど、使いやすいキャブコンが揃っています。

ボンゴのモデルチェンジを受けて、ボンゴトラックがタウンエースと同一のOEM車両となったのを機に、このAtoZのラインアップにも変化がありました。最新のボンゴトラックをベースにした新型アレンが登場したのです。それが、アレン・ハイアレン・ロー

そこで今回は、コンパクトなボディにバンクベッドを装備し、ゆったりとした室内を実現したアレン・ハイをレポートしてみました。まだ開発途中ということで仕様変更するかもしれませんが、新型アレンのコンセプトはしっかりと伝わってくるはずです。

ボンゴトラック(タウンエース)のコンパクトボディを活かしたキャブコン

AtoZのボンゴベース車アレン・ハイ

新型アレンのボディサイズは4,620×1,880×2,600㎜。高さはありますが、縦横の大きさはミニバンとさほど変わりません。

キャブコンではありますが、月極や時間貸しの駐車枠に余裕で収まるサイズです。

キャブコンといえば、室内幅を自由に広げることもできるので、全幅2m近いモデルも多いのですが、アレンはあえて1,880㎜と控えめ。

これもドライビングのしやすさにつながっているといえます。その反面、幅が小さいと、室内が狭くなってしまうのでは、と不安にもなります。

AtoZのアレン・ハイ車内

しかし、室内に入ってみると、室内は広々としているのがよく分かります。コンパクトなキッチンエリア、効率よく配置されたリビングテーブル、そして、後方に視界が抜けるようにデザインされた2段ベッドなど、空間を広く見せる工夫もたくさん。

この広さを、ミニバン感覚で持ち運べるのはポイントが高いのではないでしょうか。ファミリーカーとしてはもちろんのこと、お買い物などに利用する普段使いのクルマとしても、運転しやすい大きさでありながら、快適な居住空間が確保されているのです。

そして、休みの日には、旅行やキャンプなど、マルチに活躍してくれるのは間違いありません。「ちょっと時間ができたから出かけよう」という気分にさせてくれるキャンピングカーなのかもしれません。

Aレン・ハイのリアベッド

乗車定員は6名。就寝定員は大人4名+子供2名の広さを確保しています。家族旅行であれば十分な広さ。親子3世代の旅行にも使えることでしょう。

リアの2段ベッドは室内側の壁がコンパクトに設計されていて、リビングスペースとはカーテンで仕切るようになっています。このちょっとした壁のデザインのおかげで、ベッドに横になっても、それほど圧迫感を感じることはありません。

Aレン・ハイのバンクベッド

新型アレンにはハイモデルとローモデルがあり、このモデルはハイモデル。バンクベッドが装備されている仕様です。バンク部前方の壁が少しだけ立ち上がっていて、室内側の空間が確保されています。

バンクのベッドレイアウト展開はフラップ式のプレート(床板)を手前に倒すだけ。簡単に2,000×1,600㎜というベッドエリアが完成します。

バンクベッドを利用しない時は、フラップを上げて、収納スペースのように利用できるのが便利です。寝具などをしまっておいても、表に見えないので、これなら来客が来ても安心。

Aレン・ハイのリビングバンクベッド

リビングエリアのベッドは、サブマットを入れて、1,280×1,850㎜の大きさになります。リアベッドの下段とマットの高さが合わせられ、後方エリアへフラットにつながり、広さがより強調されているようです。

ベッドは完全にフラットになるので、お座敷のように使って、室内でゴロンと横になって過ごすのにも適しています。

ちょっと小さめのキャブコン「アレン・ハイ」には充実の設備が満載

アレン・ハイのキッチン

アレン・ハイの室内空間は最高部の高さ1,850㎜、幅1,750㎜。このスペースに充実の設備が装備されました。

キッチンには使いやすいサイズのシンクが取り付けられ、シャワーヘッド蛇口は窓から外に出して、アウトドアシャワーとしても使えるようになっています。

カウンタートップの広さも十分で、調理スペースとしても利用可能。頭上には吸排気スピードコントロール付きのベンチレーターが付いているので、換気にも役立ちます。

直流コンパクトクーラー

リアのベッド上部にはコンパクトなクーラーが装備されていました。これはオプションの直流12Vクーラー。インバーターなどを介さずにバッテリーの直流電流を直接利用することで、高いバッテリー効率で室内を冷やしてくれます。

クーラー室内機は2段ベッド上段の吊り下げ棚の内部に収まっていて、その存在が室内のインテリアに溶け込んでいるようです。もともとクルマ用に開発されたクーラーなので、全体がコンパクトに仕上げられています。

コンパクトクーラーの室外機

クーラーの室外機はボディの後方に取り付けられていました。クルマ専用の室外機で、走行時の耐久性も考えられたモデルとなっています。

その室外機の大きさもコンパクト。ボディのちょっとした隙間スペースに装着できるので、コンパクトキャブコンにはちょうどいいかもしれません。

小さくても収納力の高さが自慢のアレン

アレン・ハイの収納スペース

アレンはコンパクトなボディに充実の設備が特徴です。キャンピングカーとしても、高い性能を発揮してくれます。では、実際の使い勝手はどうなのでしょうか?

設備が充実していても、そのおかげでスペースが狭くなってしまったら、旅やレジャーでの使い勝手が悪くなってしまいます。その使いやすさを左右するのが、収納スペースです。

アレンの収納スペースを見てみると、吊り下げ棚が部屋を囲むように取り付けられているのが分かります。

この吊り下げ棚は両サイドにあり、後方の2段ベッド部分にも取り付けられています。バンクエリアもフリップをドアと見立てて、収納スペースとすれば、かなりの荷物を載せることができます。

上部の空いたスペースに棚を集中させ、狭い空間ながら収納力を高めました。長年、コンパクトなキャブコンを作ってきた空間テクニックを感じる設計です。

アレン・ハイの下駄箱

さらに、エントランス脇には下駄箱収納ボックスを装備。4人で対面対座できるリビングエリアを確保しているのですが、リビングと入り口の間にあるスペースを効率よく使って、収納ボックスを設置したのです。

アレン・ハイのリア収納スペース

ボディ後方の両サイドにはバケッジドアが設置され、荷物の出し入れができるようになっています。2段ベッド下段の下がもともとの収納スペースですが、ベッドマットを取り除けば、高さのある大型収納スペースとして利用できます。

全体の収納スペースを合わせれば、積載力は非常に高いのではないでしょうか。長期の旅行、スキーなどのアクティビティ、その守備範囲は広そうです。

このコンパクトサイズ、機能性、収納力、そのすべてが揃ったアレンであれば、たくさんの人にキャブコンの楽しさ、快適性を体感してもらえるかもしれません。

運転が不安、自宅の車庫に入らない、普段使いできないなど、いろいろな理由でキャブコンを避けていた人にとっても、気になる存在ではないでしょうか。

ミニバンと変わらない使いやすさ、そして、本格的なキャンピングカーとしての性能、その2つを兼ね備えたキャブコンとして、アレンは独自の魅力を放っているようです。

アレン・ハイ(Alen H)諸元

ベース車両
マツダ ボンゴトラック
エンジン
1,496L(ガソリン)
車体サイズ
全長4,620/全幅1,880/全高2,600㎜
定員
乗車定員6名/就寝定員大人4名+子供2名
価格
4,785,000円〜
WRITER PROFILE
渡辺圭史
渡辺圭史(わたなべ・けいし)

1971年東京生まれ。アウトドア好きな編集者、そして、算数が好きだったライター。アウトドア用品メーカー、出版社を経て、キャンピングカー専門誌編集長に。現在はフリーとして、いろいろなメディアにて執筆中。アウトドアをキーワードに、より楽しいライフスタイルを求めてゆるりと奮闘中。最近気になっているワードは、旅、ミニマリスト、車中泊。趣味はコンパクトな旅とモノづくり。

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