キャンピングカーのエントリーモデルとして、装備やコストバランスの優れた軽キャンが東和モータース販売からリリースされました。
同社初となるバンコンモデルで、軽自動車専門店オープンに合わせて投入されたモデルクライン108です。
今後はシリーズ展開する予定ですが、まずは初期モデルとして「アーレ」が完成したので、早速、クルマをチェックしてみました。
目次
落ち着きあるインテリアと高い収納力の軽キャン
クライン108アーレは東和モータース販売が満を持して登場させたモデルといっていいでしょう。これまでキャブコンのインディ108を扱っていましたが、バンコンタイプのキャンピングカーを販売するために、社員みんなが参加して作り上げたモデルです。
「アーレ」はドイツ語の「すべて」を意味します。その名前の通り、このクルマにはいろいろな装備が最初から備え付けられていました。
キャンピングカーを購入しようと思った時、どのような装備品を追加すればいいのか分からない人も多いと思いますが、このクライン108アーレであれば、標準仕様として装備品がパッケージされているので、購入時に頭を悩ませることはありません。
特に最近では、キャンピングカーに興味を持って、初めてお店に訪れる人も多く、装備品までの知識がない人も少なくないと言います。そんなカスタマーでも、おすすめできるのがこのクライン108アーレなのです。
広々としたベッドにテーブル、そして、家電まで備わった軽キャン
クラインのインテリアは明るい家具でヨーロッパ風のテイスト。フルフラットベッドはマットが細かく分割されていて、さまざまなレイアウト展開に対応します。
そして、ハイビジョンモニターを始め、充実の装備が標準で付いてくるのです。上の写真でオプションとなるのは、ちょっと見えづらいですが、助手席を埋めている、ベッドマット程度。それ以外はすべて標準装備品です。
家具の配置、高さなどが調整されていて、ベッドエリアは広々。特にリアの両サイドのキャビネット下はベッドを広くするために、スペースが確保されています。
左キャビネット下はわずかな隙間ですが、寝具を使った時など、この程度のスペースであっても大きな効果を発揮してくれるのです。
さまざまなシートアレンジが可能で、ベッド展開しながら、3名乗車することもできます。4名乗車の時は、セカンドシート部分のベッドマットをリアに収納できるようになっています。
展開方法も簡単で、クルマ本来のシート収納や展開をしてから、ベッドマットを置いていくだけです。ベッドは寝返りを打っても安定していました。
また、ベッドの高さが確保されているので、上のレイアウトではセカンドシートを使って、ベッド部分をサイドテーブル的に使ったり、使う人に合わせて展開できるのがいいですね。
電子レンジまで標準装備されているそうです。電子レンジ下には引き出し式のテーブルが組み込まれていて、左右に渡す大きなテーブルを使わなくても、ちょっとした物置に利用できます。
お弁当を温めたりした時、熱々の容器をどこに置くか、慌てた人は多いと思います。そんな時でも、温めた容器を手前へスッと引き出して置ける、小さなテーブルがあるのは便利なものです。
ハイビジョン対応モニターではいろいろなガジェットを接続できるので、旅先では映画などの動画映像を楽しめます。
例えば、アマゾンのFire TV、アップルのApple tvを接続して、映画鑑賞などもいいのでは。
映像コンテンツであれば、放映時間に振り回されることもないので、キャンピングカー乗りにはちょうどいいかもしれません。
軽キャンのシンプルに見える内装家具がトランスフォーム
リアゲートを開けると、コンパクトなバーカウンターのようなテーブルが装備されていました。
クルマを降りた時にちょっとした休憩で使ったり、ベッドに横になりながらドリンクを置いておくスペースとしても便利です。
比較的高い位置にあるので、釣りをする時など、立ちながら、細かいギアを置いて作業するのにも良さそうです。
リアのコンパクトなテーブルの下には、室内で使っていたテーブルを接続できる様になっています。外にイスを出してくつろぐのにちょうどいい高さです。
ベッド下の高さを確保したおかげで、テーブルを2つセットすることができ、テーブルとしての有効面積も広くなり、使い勝手が向上しています。
フロアに高さがあるので、リアマットの下には約100ℓの大型収納スペースが確保されました。
軽キャンは荷物の収納場所に困ることも多いですが、これだけ大きな収納スペースがあれば助かります。
キャビネットなどの家具はシンプルにして室内空間を確保しながら、このような床下収納スペースを確保するなど、こだわりの設計になっています。
リア床下収納スペースの隣には冷蔵庫が組み込まれていました。容量15ℓでマイナス20℃〜プラス20℃まで設定できる高性能タイプです。
後方の床下の壁には、冷蔵庫用の排気口まで設けられていて、標準装備らしい加工が施されていることに感心してしまいます。
さらに驚きの装備がこちらの換気扇です。軽キャンでは自作したり、後付けしたりする人も多いですが、このクルマはあらかじめキャビネット内部にファンが設置されているので、換気扇として働いてくれるのです。
狭い空間の軽キャンでは、特に夏場の熱気を排出することが、室内を快適にする効果を発揮します。これであれば、車内の上部に溜まった熱気を効率よく吸い出してくれそうです。
室内灯にはLED照明が付いていて、5段階の調光と色温度(暖色&寒色)を変えることができるようになっています。
それ以外にもキャビネット部分にバーライトが付いていました。こちらは就寝時などの使うのかと思いきや、横のキャビネット扉を開くと、扉の後ろが鏡になっていて、バニティミラーとその照明として利用できるようになっていました。
収納スペースは他に、TVキャビネット部分や電子レンジの上、そして、リアからもフロントからもアクセスできるリア上部キャビネットなどが装備されています。
リアキャビネットは前後が開くので、荷物の出し入れが、室中からでも室外からでも簡単にできる様になっています。
また、リアキャビネットとフロントシート上部にあるオーバーヘッドシェルフを使えば、釣竿などの長尺物を収納できる、ロッドホルダーのような使い方もできるのではないでしょうか。
さらに、左スライドドアの上部には収納式のトレイが付いました。使う時だけ、ロックを外して、下に降ろして利用できる仕様です。少しでも省スペースできるようにアイデア満載です。
軽キャンでもクライン108アーレであればリモートワークできる
リモートワークとキャンピングカーの相性がいい、といろいろな場所で話題になっていますが、軽キャンでもリモートワークできるか、気にしている人も多いのではないでしょうか。
リモートワークなので基本は1人。家の中では居場所がないけど、大きなキャンピングカーを買うまでは……と思いとどまっている人も多いことでしょう。
でも、このクライン108アーレであれば、レイアウトをアレンジして、リモートワークに最適な環境ができます。
上の写真のようにレイアウトして、床下収納部分に足を入れて、テーブルをデスクにすれば完成です。完璧な姿勢でデスクワークができます。このために床が高くなっているのでは、と感じたほどです。
テーブル下にはセラミックヒーターまで装備されていました。サブバッテリーでも利用できる省電力タイプで、停車中も利用可能です。
リモートワークスタイルのデスク下を温めてくれるので、こたつのような使い方もできそうです。これで冬でもバリバリと軽キャンの中で作業できることでしょう。
電力システムには走行充電機能付きの容量105Aサブバッテリーに出力1500Wのインバーターが組み込まれました。
しっかりと電気も利用できます。インバーターも出力が高いので、ほとんどの家電に利用できるのではないでしょうか。
こちらの電源システムは、なんと、外部出力まで装備されていました。停電になった時など、ガレージのクルマが大きな電池として働いてくれるのは心強いかもしれません。
クライン108は、軽キャンから輸入車まで幅広く扱っている東和モータース販売の社員から出てきた、いろいろなアイデアを元に開発が進められたそうです。
だからこそ、使い方をイメージできる、いろいろなアイデアがあふれていたのでは。
さらに、初めてのキャンピングカーであっても装備選びに悩まないように、とすべてをパッケージしたアーレ。通年を通して、車内を快適に過ごすのに十分な装備が備わっていました。
しかも、衝突被害軽減ブレーキなど、スズキの予防安全装着「スズキセーブティサポート」も装備されているベース車両も選べるようです。
快適性、安全性、すべてが揃った軽キャンクライン108アーレは、ファーストキャンピングカーとしても、また、ベテランキャンパーでも満足できるキャンピングカーとして、新しいジャンルを切り開いていくのではないでしょうか。
クライン108アーレ 諸元
- ベース車両
- スズキ エブリィバン(JOIN/JOINターボ)
- サイズ
- 全長3,395mm/全幅1,475mm/全高1,895mm
- 定員
- 乗車定員4名/就寝定員2名
- 登録ナンバー
- 軽4ナンバー
- 価格
- 2,596,000円〜