ナローボディーのハイエースキャンピングカーにプライベート空間を生んだプルマンD

キャンピングカー紹介
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ナローボディーのハイエースキャンピングカーにプライベート空間を生んだプルマンD

ハイエースを使ったキャンピングカーバンコンと呼ばれるモデルはたくさんの種類があります。作っているメーカーも多いのですが、ベース車両となるハイエースのバリエーションが多いのも特徴です。

キャンピングカーになるボディ種類を見てみると、高さでは、ミドルルーフ、ハイルーフ、スーパーハイルーフ、長さでは、ロング、スーパーロング、横幅では標準ボディ、ワイドボディ、といった選択肢があります。

運転する上での取り回しを考えるのであれば、ロング、標準ボディを選択するのが有利ですが、室内は必然的に限られたスペースとなってしまいます。

しかし、そんなコンパクトなベース車両を使いながら、広々とした空間とプライバシーを確保できるキャンピングカーを作ってしまったのが、バンコンビルダーの老舗リンエイです。

ハイエースにプライバシーを確保した2段ベッドをインストール

リンエイのプルマンD車内

リンエイでは100種類以上のバリエーションモデルを展開するだけあって、その知識とアイデアが豊富です。それぞれのベース車両に合わせた工夫が目立ちます。

今回注目したのは、ハイエースのロング、ハイルーフ、標準ボディを使ったプルマンDです。横幅が標準タイプの169.5cmしかないのですが、レイアウトを工夫することで、広々とした空間を作り出しています。

基本となるレイアウトは、エントランス部分のキッチンエリア、リアにあるソファ展開可能な2段ベッド、2人が対面で座れるリビングスペースです。

プルマンDのリビングモード

リアの2段ベッドは簡単に展開できるようになっていて、ソファとしても利用できます。ソファレイアウトにすれば、大人数でテーブルを囲むことも可能で、ちょっとした宴会も楽しめるかもしれません。

リア側への動線も確保されているので、標準ボディながら広々とした感覚を得られるのが、リンエイならではのレイアウトといえるでしょう。

プルマンDのリビングスペース

リビングエリアのテーブルを外して、背もたれをセットすれば、リビングスペースは簡単にベッドとなります。2段ベッドと合わせて3名が寝られるスペースです。

2段ベッドには、各段にカーテンが取り付けられているので、プライバシーもしっかりと確保してくれます。

このレイアウトであれば、仕事などで、家族以外の人と就寝する時も、気兼ねなく利用できそうです。また、限られたスペースでありながら、リビングエリアでのんびりと過ごす人と、ベッドで体を横にしたい人が一緒に過ごせるのもポイント。

フルフラット

もっと広々と使うのであれば、リア全面をフルフラットにすることも可能です。二人仕様でお座敷として利用するのも、ぜいたくではないでしょうか。

外からの視線を遮るリンエイのレイアウト

プルマンDの入り口

リンエイのバンコンの特徴ともいえるのが、エントランス部分のレイアウト。スライドドアを開けると、家具の背面が室内の目隠しになっているのです。

プルマンもしっかりと、リンエイらしいレイアウトを実現しています。エントランス部は後方の家具がせり出していて、リビングエリアへの視線を遮ってくれます。

スライドドアを開けたら、家族団らんの様子が丸見え、という状況はありませんので、安心です。

エントランス

エントランス部分には小さなボックスが設置されていて、下駄箱として利用できます。靴を履くための椅子としても利用できて、キャンピングカーを利用する人の動作を知り尽くしたリンエイの工夫でもあります。

下駄箱の手前には小さなプラスティックのケースが見えますが、ここは傘立ての受け。傘をしまう場所は、意外と困るので、最初からセットされていると便利に利用できます。

エントランス部分の足元は最小限の切り欠きが施され、人の動きに合わせた形状になっています。ドアを閉めている時、子供やペットの転落防止を考えた設計だそうです。

ステップのリア側を収納スペースとして利用した時、ドアを開けても、外側に物が落ちてこないプレートがあるのも便利です。

プルマンDの装備

キッチンエリアはエントランス奥にセットされていて、冷蔵庫やシンクがあります。そこから、テレビのアームが後方に伸びていて、リア側のどの位置からも視聴できる絶妙なポジションとなっています。

プルマンDのキッチン

キッチンはシンプルですが、天板を広く使えるように設計されているので、食事の準備もしやすいことでしょう。物が多くなったら、エントランス部分の下駄箱の上も活用できます。また、グラス置き場など、収納も考えられた設備が目を引きます。

ハイエースのキャンピングカーながらキャブコン並みの機能性を標準装備

2000Wインバーター

リンエイのクルマは設備が充実しています。このプルマンも標準装備が充実していました。そのひとつが2000W出力のインバーター。これだけの出力があれば、ドライヤーなどの消費電力の大きな家電も利用できます。

大きな消費電力をカバーするために、ソーラー、走行充電、外部充電の充電設備も標準で装備されています。長期の旅行でも、これだけあれば、電力不足を心配することもありません。

電子レンジ

シート下には電子レンジまで標準装備されています。車内で食品やドリンクを温められるのは便利。リビングエリアにも近いので、ちょっと手を伸ばせば利用できるのも、使い勝手がよさそうです。

ブックライト

ブックライトも標準装備されていました。カーテンがしっかりとプライバシーを確保してくれるからこそ、手元を照らすライトは、他の人を気にすることなく利用するために大切かもしれません。

吊り下げ棚

ブックライトの上に設置されているのが、折り畳みしきの吊り下げ棚です。センターのベルトを調整するだけで簡単にセットできて、収納すれば、室内への干渉がほとんどない、優れた設備です。

就寝時に小物を置いておいたり、ブランケットなどを入れておくのにも、便利に使えます。

リンエイの食器セット

その他にも、ソーラーパネル、サブバッテリー、冷蔵庫、TV、カーテン、といった充実の設備が標準で搭載されているのには驚かされます。

その標準装備のなかでも特徴的なのが、オリジナルの食器セット。しっかりと固定できて、スペースを有効に使った収納も考えられています。

キャンピングカーで利用する食器は後で購入することが多いのですが、収納場所に困ったり、ガチャガチャと音が出ることもあります。そんな、状況を改善してくれるのが、このオリジナル食器セットと収納スペースです。

リンエイのワイングラス

キッチンにはオリジナルのワイングラスが収納されていました。もし、キャンピングカーだけを手に入れていたら、クルマの中にワイングラスを常備しようとは思わないかもしれません。

でも、リンエイではキャンピングカーを購入した後、どのようにユーザーがクルマを利用するかを知っているからこそ、このワイングラスを準備しているのかもしれません。

必要な装備や備品を準備するのはもちろん、このプルマンDを利用して、充実した時間を過ごしてほしい、というクルマの使い方まで提案する、リンエイの優しさを感じてしまいます。

プルマンD諸元

ベース車
ハイエース ロング ハイルーフ
エンジン
ガソリン 2リットル
車体サイズ(mm)
4,695×1,695×2,290
定員
乗車定員4名/就寝定3名
価格
¥5,268,406(税抜 ¥4,789,460)~
WRITER PROFILE
渡辺圭史
渡辺圭史(わたなべ・けいし)

1971年東京生まれ。アウトドア好きな編集者、そして、算数が好きだったライター。アウトドア用品メーカー、出版社を経て、キャンピングカー専門誌編集長に。現在はフリーとして、いろいろなメディアにて執筆中。アウトドアをキーワードに、より楽しいライフスタイルを求めてゆるりと奮闘中。最近気になっているワードは、旅、ミニマリスト、車中泊。趣味はコンパクトな旅とモノづくり。

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