4月2～4日に幕張メッセで開催された「ジャパンキャンピングカーショー2021」。軽キャンパーからバンコン、キャブコン、バスコン、輸入モーターホーム、キャンピングトレーラーまで、さまざまなバリエーションのキャンピングカーが300台以上展示された同ショーだが、今年はとくに「スタイリッシュなキャンピングカーの台頭」が目立った。
今回は、国内でもっともポピュラーなハイエースベースのバンコンの中から、とくにビジュアル映えするモデルをピックアップ。実用性だけではなく見た目にもこだわった、スタイルのあるバンコン5車種を紹介する。
目次
カリモク家具とコラボしたワンクラス上のインテリア
トイファクトリー バーデングランデ・カリモクバージョン
キャンピングカービルダートイファクトリーと、老舗国産家具メーカーカリモク家具のコラボで生まれた、限定生産モデルバーデングランデ・カリモクバージョンの第2弾。
前作はシート生地にモケットグリーンを採用していたが、最新モデルの第2弾ではトパーズイエローとサファイアネイビーの2色のシートカラーを用意。そこに、ナラ材の天然木をメインに使用した高品質なカリモク製ファニチャーを組み合わせ、柔らかなカラーコーディネートと温かみのあるウッドの風合いで、家のようにゆったりと落ち着ける上質なインテリア空間を生み出している。
ベストセラーモデルバーデンにフルエアロウインドー、FFヒーター、ダブルサブバッテリーを装備したグランデ仕様がベースとなっているので、居住性や快適性も言うことなし。単なる「映え狙い」のキャンピングカーとは次元が違う、「本物」だけが持つオーラを放つハイエース・バンコンの至宝だ。
オシャレにアウトドアを楽しめるコンパクトバンコン
レクビィ ホビクル・オーバーランダーⅣ
ネーミング通りのオーバーランド＆アウトドアイメージが漂うこのモデルは、エポックメイキングなミリタリー調デザインで話題を集めたホビクル・オーバーランダーの4ナンバーバージョン。
ホビクル・オーバーランダーのクールなデザインはそのままに、ベース車両にハイエース・標準ボディをチョイスすることで、スタイリッシュなフォルムと実用性、街中でもストレスのない機動性と低価格（車両価格404万8000円）を実現している。
ミリタリー帆布調のオリーブグリーンシート生地、縞鋼板風クッションフロアなど、ワイルドなデザインも大きな魅力だが、老舗ビルダー・レクビィが手がけただけあって、機能性や実用性も一切手抜きなし！ 室内断熱などの基本構成は同社の他モデルと同等にカスタマイズされており、3段階に高さ調整可能なリアベッドや伸縮式ベッドレールエクステンドスライダーなどの充実装備で、快適なクルマ旅＆アウトドアライフをサポートする。
レカロシートに合わせて居住空間をトータルコーディネート
ティピーアウトドアデザイン LBD200SL-R
創業当初から、シートやベッド生地にスポーティなストライプデザインを採用してきたティピーアウトドアデザイン。そんな同社のインテリアメイクを象徴する１台が、ハイエース・スーパーロングをベースにしたLBD200SL-Rだ。
3列シート、常設リアベッド、広大なカーゴスペースなど、キャンピングカーとしての使い勝手も申し分ないが、最大の見せ場はフロントシート～リア居住スペースの統一感あふれるカラーリング！ 運転席と助手席にはレカロシートが標準装備されており、そのカラーとデザインに合わせて、リアのシートやベッド、家具のすべてがトータルコーディネートされている。
外装オプションも豊富にそろっているので、内装のイメージに合わせて自分好みにドレスアップすることも可能。見た目のカッコよさにこだわるユーザーにピッタリの、スポーティ＆スタイリッシュなハイエース・バンコンだ。
リアルウッドでバンライフ感を演出した“映え系”バンコン
ダイレクトカーズ リトリート・スーパーロング
アメリカンバンライフをイメージしたリトリート・スーパーロングは、ハイエース・スーパーロングの広大な室内空間を活かして、フローリングからサイドウォール、シーリング、ファニチャーに至るまで、温かみのあるリアルウッドでトータルコーディネートした1台だ。山小屋風のウッディなインテリアからは、海外のバンライファーを彷彿とさせるレトロでオシャレなイメージが漂う。
多彩なアレンジが可能な1400mm幅の分割レボシート、ファミリーユースにも対応する2段ベッド、大容量カーゴスペースのほか、夏場のアウトドアレジャーを快適にするDC12Vクーラーや、スライド式のシンク付きアウトドアキッチンカウンターなども装備。「隠れ家」の意味を持つモデル名の通り、クルマ旅やアウトドアレジャーの相棒として、移動できる趣味の部屋としてなど、さまざまな用途に活用できる。
エレガントな内装メイクが光る大人のキャンピングカー
ケイワークス オーロラエクスクルーシブ
屋根が水平に上がるエレベーター式ポップアップルーフの採用で、スマートなエクステリアと大人が立って歩ける1850mmの室内高を実現した、ハイエース・標準ボディベースの本格派バンコン。
電子レンジやエアコンも稼働できる300Wソーラーパネル＆大容量リチウムイオンサブバッテリーシステムも大きな魅力だが、それと並んでアンティーク調のハイセンスなインテリアデザインもオーロラエクスクルーシブのアイデンティティとなっている。
純国産のハンドメイド家具は、天然木の無垢材を天板に使用してウォールナットのヴィンテージ感を徹底的に再現している。家具の要所にメタルパーツをあしらうことで、木の味わいと温かみにアクセントをプラスしているのもこだわりだ。組み合わせるシート生地も、使い込んだヴィンテージレザーのような雰囲気の上質な素材をチョイス。思わずため息がこぼれるようなエレガントな空間と最上級の快適性を両立した、“大人のキャンピングカー”だ。
- 岩田一成（いわた・かずなり）
1971年東京生まれ。キャンピングカーライフ研究家／キャンピングカーフォトライター。日本大学芸術学部卒業後、8年の出版社勤務を経て、2003年に独立。ライター・エディターとして、自動車専門誌を中心に累計1000誌以上の雑誌・ムック製作に携わる。家族と行くキャンピングカーの旅をライフワークとしており、これまでに約1000泊以上のキャンプ・車中泊を経験。著書に『人生を10倍豊かにする 至福のキャンピングカー入門』がある。
