クラス初の機能満載!いすゞの「びぃーかむ」が劇的進化

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クラス初の機能満載!いすゞの「びぃーかむ」が劇的進化

先日、キャンピングカービルダーの日本特種ボディー取材しました。こだわりのクルマ作りで、多くのユーザーから高い評価を得ているメーカーです。安全性、快適性を追求しながらも、レイアウトや仕様を自由に選べるオーダーシステムが印象的でした。

取材をしていると、興味を引く話が出てきたのでご紹介します。それは、納車のスタイルです。面白いことに、クルマが完成して、ユーザーにキャンピングカーが手渡される時、車両メーカーのいすゞからも、担当営業者が来て、納車式に参加するというのです。

ディーラーの担当営業が納車式に参加!

びぃーかむ車両のキャンピングカー

いすゞの担当営業が立ち会うということは、単にクルマの説明をするためだけではありません。アフターメンテナンスも含めて、クルマに対しての責任をいすゞがしっかりとサポートしてくれることをオーナーに伝えるためでもあるのです。

キャンピングカーはビルダーで作られますが、ベース車両を製造しているいすゞも一緒にクルマを作り上げたという思いがあるのではないでしょうか。ユーザーとビルダー、そして車両メーカーが一緒に作り上げ、サポートするスタイルが日本特種ボディーらしさといえます。

エルフをキャンパー仕様にした車両

ばぃーかむのエンブレム

日本特種ボディーのキャンピングカーベース車両はいすゞのびぃーかむというクルマです。小型トラックのエルフをベースに、キャンピングカー仕様として、いすゞによって手が加えられた特別なモデルです。

実は、いすゞの担当営業が来るといった、ビルダーと自動車メーカーがしっかりと連携する理由は、このびぃーかむがあるからなのです。それでは、そのいすゞが自信を持って作り上げたクルマびぃーかむとは、どんなクルマなのでしょうか?

足回りを強化したワンクラス上の余裕

日本特種ボディーのキャンピングカー

エルフが2019年にモデルチェンジしたのを機に、びぃーかむは2tシャシーに統一されました。ラインアップは2tハイキャブの2WDと4WD、2tワイドの2WDの3種。同クラスのキャンピングカーと比べると、制動力、耐久性に余裕を持たせているのが特徴です。キャンピングカーは架装重量が大きいので、ワンランク上のシャシーが採用されていることで安心感が高まります。

全国どこのいすゞサービスセンターでも点検修理ができるように、フロント部分が専用設計されているのもポイントです。しっかりと強化された足回りは、購入後に強化改造をする必要がないので、ディーラーサポートも受けやすいという効果も発揮しているといいます。

パワフルなディーゼルエンジンで快適走行

エンジンはクラス最高燃費を実現したディーゼルエンジンを採用しています。最高出力110kW(150ps)、最大トルク375N・m(38.2kg・m)を発揮するので、荷物の多いキャンピングカーであっても、ストレスのないパワーを備えているといってもいいでしょう。

また、コーナリング時の傾きを抑えるスタビライザー、専用設計のリアスプリングとリアショックで乗り心地も向上させるなど、キャンピングカーの架装を想定しています。ハイギヤード化されたデフギアと6速ATMの組み合わせは、キャンピングカーの走行環境にあわせた快適なドライビングをもたらしてくれます。

新型エルフの登場でバージョンアップ

びぃーかむの後輪ダブルタイヤ

キャンピングカーに適したクルマとして、高いポテンシャルを発揮するびぃーかむですが、ベースとなるエルフのモデルチェンジによって、クルマ本来の機能性も高まり、今まで以上に快適で安心できるクルマへと進化しています。

もともと、エルフは小型トラックというジャンルで日本の物流を支えてきたクルマです。いすゞとしては、仕事で使えるタフで安全性の高い機能性を追求してきました。小型トラック特有の事故などを検証するなどして、新型エルフは安全性が高められているのです

2つのカメラが人をしっかりと確認

ビーカムの2つのカメラ

注目の安全性能は先進安全装置です。クラス初となる2つのカメラで、前方の物体を立体的に察知します。大型トラックの場合は対物事故が多いのですが、小型トラックの場合は対人事故が多いことから、対人の検知能力が高いステレオカメラが採用されたのです。

例えば、道路を横切ろうと人が出てきた時、この3Dカメラであればしっかりと認識してくれます。キャンピングカーの利用を考えたときも、街中やキャンプ場など、人の多い場所を走行するシチュエーションを考えると、カメラ機能の向上はありがたいものです。

びぃーかむの2つのカメラによる効果

ステレオカメラの効果は大きい

効率的なカメラ機能によって、最終的な事故を抑制する他にも、事前に障害物を認識して、注意を喚起することで、ゆとりのある運転ができます。いすゞではこの機能性により、急ブレーキが減ることで、トラック特有の荷崩れ防止にもつながるとしています。

びぃーかむには制動力の高いブレーキシステムが組み込まれており、架装によって重量が増えても、しっかりと止まれます。しかし、ステレオカメラによって、事前に危険を知らせることで、急ブレーキが減れば、荷物の多いキャンピングカーの室内も安心です。

クルマをモニタリングするプレイズム

いすゞのアプリ「ブレイズム」のスマホ画面

安心に関していえば、忘れてはならないのが、クラス初となる車両管理システムです。キャンピングカーの先進国ヨーロッパでは、スマートキャンパーと呼ばれる、スマホと連携したキャンピングカーが現れていますが、こちらもスマホと連携したサービスとなります。

プレイズムと名付けられたシステムは、クルマから車両情報が発信され、スマホで管理できるというもの。アプリケーションをダウンロードして、サービスに登録すれば、クルマの状態をリアルタイムで管理することができるシステムです。メンテナンス時期などもお知らせしてくれるので、キャンピングカーにとっても便利な機能です。

全国で同じサポート体制を

プレイズムの素晴らしさは、クルマの情報がサーバーで管理されていて、全国のディーラーでクルマの状態をすぐに確認できることです。プレイズムに登録したクルマをディーラーに持ち込めば、全国どこでも、すぐにクルマの今の状態を把握して、最適なメンテナンスを行ってくれるといいます。

日々、クルマの状態を知ることで、大きな故障が起きる前に、メンテナンスで問題を解決してくれるのは、長距離移動の多いキャンピングカーにとっては頼もしいことです。もし、旅先でトラブルにあったとしても、プレイズムのサービスを利用すれば、近くのディーラーを紹介してくれ、故障データもディーラーに送られるので、すぐに対応が可能になります。

エルフのために開発されたシステムですが、プレイズムという考え方は、これからのキャンピングカー環境を大きく変えてくれるかもしれません。ユーザーからの評価も高いびぃーかむですが、エルフの進化にともなって、さらにパワーアップしたことで、注目のベース車両となったことは間違いないようです。

WRITER PROFILE
渡辺圭史
渡辺圭史(わたなべ・けいし)

1971年東京生まれ。アウトドア好きな編集者、そして、算数が好きだったライター。アウトドア用品メーカー、出版社を経て、キャンピングカー専門誌編集長に。現在はフリーとして、いろいろなメディアにて執筆中。アウトドアをキーワードに、より楽しいライフスタイルを求めてゆるりと奮闘中。最近気になっているワードは、旅、ミニマリスト、車中泊。趣味はコンパクトな旅とモノづくり。

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