世界最大級のキャンピングカーの展示会キャラバンサロンに行ってきました。そこは成熟したキャンピングカーマーケットを肌で感じられる場所でした。
国内のキャンピングカービルダーの方もたくさん来場して、商談や新しいトレンドをリサーチしている姿がありました。みなさん、こうやってクルマを作っているんですね。
クルマ、パーツ、サービスが2000以上!
キャラバンサロンを国内のイベントに例えると、幕張メッセで開催されているジャパンキャンピングカーショーと言っていいでしょう。毎年、8月末から約10日、ドイツのデュッセルドルフで開催されいています。
ショーはドイツで行われているのですが、ヨーロッパ各地からキャンピングカーが集まってきます。お客さんもいろいろな国からやってくるので、会場では、いろいろな国の言葉が聞こえてきます。
オンラインチケットには、会場までの公共交通の乗車券が付いていて、街全体がキャンピングカーショーを盛り上げている、という雰囲気もキャラバンサロンの特徴です。
地図を見ていないと迷子になってしまうかも
会場は全部で11ホール。各ホールがバンコン、キャブコン、バスコン、トレーラー、テント、パーツなど、さまざまなカテゴリーに分かれています。
31カ国から645社が集まり、クルマと関連製品、サービスをあわせて2100以上のアイテムが展示されたそうです。
2019年の来場者数は過去最高の26万8000人! 1日平均で3万人に近い人が会場にやってきたとは、ちょっと桁違いのスケールです。
各ホールが大きすぎて、すべてを見終わる前に1日が終わってしまうほどです。地図を見ながらホールを確認しないと、同じ場所に戻ってきてしまうので、注意が必要でした。
マップの左側、会場地図のホール4から、時計回りに会場を最短距離で歩いてみました。なんとなく会場の大きさと雰囲気を感じてみてください。(後で気づきましたが、マップがボロボロでした!)
コンセプトモデルからドライヤーまで
キャラバンサロンに行ってみて感じることは、冒頭でも書きましたが、マーケットの成熟度です。会場の各ブースにある商談ルームを見ても、その雰囲気が分かると思います。
コンセプトモデルも充実しています。ハイマーブースで発表されたポップアップルーフのバンコンはオフロードテイストでありながら、ヨーロピアンを感じるインテリア。テント生地はインフレータブル、と攻めの感じで、ヨーロッパの人も注目していました。
キャンピングカーにもEVの波がやってきています。以前もオール電化のキャブコンがコンセプトとして登場したこともありました。今回、デスレフブースにはトレーラーの下にびっしりとバッテリーが搭載されたモデルが展示されていました。
既存概念をくつがえすのもコンセプトモデルの役割。こちらはアドリアのブースに展示されていた、新しいラグジュアリーをアピールしたモデル。もうキャンピングカーではなくなってきている感もあります。
自動車メーカーがしっかりとキャンピングカーショーで目立っているのも、ヨーロッパの特徴かもしれません。大きなスペースを確保して、有名ブランドがブースを出展しています。
VWブースには定番のカリフォルニア。
ルノーやプジョーなど、日本ではキャンピングカーとしては馴染みの薄いメーカーも。
パーツブースも車両メーカーブースに負けていません。ホール1つ全体がパーツ展示スペースとして確保されています。
常設ドライヤーなど、その差が分からないほど。そのラインアップが充実していることに驚いてしまいました。その他にも蛇口だけのブースなど、さすがヨーロッパ!と感じる展示も多数。
長期のキャンピングカーでは、生活でのセキュリティーも大切。貴重なものは、こっそりと貯蔵庫の中へ、という面白いグッズもありました。
コンパクトモデルへの移行
2019年、会場で私が感じたプライベートな分析でのトレンドは
- コンパクトモデルの充実
- アウトランダーモデル
です。
コンパクトなモデルのクルマ、メーカーがたくさん出展されていて、若者を中心にクルマを見る姿も目立っています。
日常の足と利用して、週末はレジャーに使う、ハイブリットモデルに人気が出ているそうです。大型、滞在型のヨーロッパキャンピングカースタイルも変わってきたのかもしれません。
マーケットもその動向に合わせるように、コンパクトなモデルを投入してきたのでしょう
若者たちが購入しやすい価格帯、というアドバンテージもあると考えられます。また、消費への意識が変化していて、コスパの良いものを、しっかりと選ぶ傾向があるという声もありました。
こちらは、2018年末に発表され、PSAグループからトヨタ・モーター・ヨーロッパへのOEM供給を開始したプロエースをベースにしたモデルCROSSCAMP。
DJブースを設置したアウトドア展示スペースで、がっちりと若者を引きつけていました。
使いやすさ、モダニズムを感じるデザイン。ヨーロッパのレンタカー会社にも投入されているようです。
日産のNV300も展示されています。なんとなく日本のキャンピングカーに寄ってきたのではと感じてしまいました。
2つ目のトレンドとして感じたのが、国内で利用できる、現実味のあるアウトランダーモデルが出てきたなぁ、ということ。
大型トラックを改造したカミオンは以前もありましたが、4WDやトレーラーにも、荒野を走破するアドベンチャーモデルとなる、アウトランダースタイルが目立ってきました。
上写真のランドクルーザーをベースにしたモデルは、室内がヨーロッパらしいモダンな作り。質実剛健なエクステリアデザインからはスタイリッシュな印象を受けます。
クルマ文化の歴史を痛感
古いキャンピングカーも発見しました。オーナーが持ち込んだキャンピングカーで、現役で使っているとのことです。
雰囲気のあるグッズが並び、オーナーは老夫婦ではと思ったのですが、ビンテージ好きな若者でした。83年式のハイマーエリバを84年式WVゴルフで牽引しています。
自身でレストアして、カラーリングをあわせているのもこだわり、と楽しそうに語ってくれました。
毎年、ヨーロッパを長距離移動をして、バケーションを楽しんでいるそうです。バケーションのみの走行距離は4000km近いというから驚きですね。
ショーを楽しむことの大切さ
会場の盛り上がりは、展示アイテムだけのものばかりではありません。来場者がショーを楽しんでいるからではないかと思います。
珍しい展示には興味を持って、しっかりとチェック! 会場のあちこちで、雰囲気を高める演出もみんなで楽しんでいます。
こちらはキャラバンサロンを楽しむファミリーの一般的な姿。大きなキャリーはほとんどの人が持っていて、カタログが満載です。
疲れたら休憩です。ドイツらしくビールを飲みながら、みんながのんびりしています。
プレスルームでもドイツ料理が提供されているので、バックヤードでもドイツのキャラバンサロンを満喫です。
カフェテリアではトラディショナルなハンバーガーなどが提供されています。なぜかafri COLAというコーラが人気。
キャラバンサロンでは、最新のキャンピングカーやパーツに触れることができました。トレンドを予測する上でも大切なことで、今後、国内にその流れが入ってくると考えられます。
また、キャンピングカーのショーとしても、充実した雰囲気を楽しむことができます。キャンピングカー文化の先進国であるヨーロッパらしさでもありますが、今後、国内での楽しむべき姿を教えてくれるショーでもありました。
来年のスケジュールも決まっているようです。今から準備すれば、誰でも簡単にキャラバンサロンに参加できます。ぜひ、本場の雰囲気を楽しんでみてください。
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