キャンピングカージャーナリストのヨメが行く!デュッセルドルフ「キャラバンサロン2017」

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夫はキャンピングカージャーナリストの渡部竜生。彼は毎年、夏の終わりにドイツ・デュッセルドルフへ出張取材に出かけます。そう、ヨーロッパ最大のキャンピングカーショー『キャラバンサロン』に行くのです。
毎年お留守番をしていた私ですが、キャンピングカースタイルで「キャンピングカークッキング」を連載させていただいていることもあり、「今年は行きたい!」と挙手。
人生初の「キャラバンサロン」に参戦してきました!
主婦目線で見たヨーロッパのキャンピングカーショー。日本にはない、あんなもの・こんなコト、率直な感想とともにお伝えしたいと思います!

規模は幕張メッセの約6倍?

やってきました、メッセ・デュッセルドルフ。今年で52回を迎える「キャラバンサロン」は14ホールを使い、展示台数は約2000台!日本最大のキャンピングカーショー、幕張メッセで毎年開催される「ジャパンキャンピングカーショー」のおよそ6倍の規模です。
※今年のキャラバンサロンは面積約11万6,000㎡。今年の幕張メッセでのジャパンキャンピングカーショーは(ペット関連展示を除き)約2万250㎡です。
片っ端から見て回りましたが、隅から隅まで視察するだけで丸3日! それでもキャンピングカー好きならまったく飽きないほど、内容は充実しています。

思わず叫んだ「これ欲しい!」

アメリカ製キャンピングカーほどではないにせよ、ヨーロッパ製は日本製に比べると大きい印象がありますが、今年よく目にしたのが小型化・軽量化されたモデルの数々。
日本ではおなじみのバンコンタイプが各社から山ほど出展されていました。
ポップアップするルーフ。コンパクトなキッチン。車内に上がるときに靴を脱がない以外、日本と何ら変わらないバンコンたちで、何だか親しみが持てます。
そんな中、各社の設備提案の中で思わず「これ欲しい!」と叫んで同行者の失笑を買った数々をご紹介しましょう。

ワンタッチでアウトドアキッチン!

ワンタッチでアウトドアキッチン1 ワンタッチでアウトドアキッチン2

Possil社のバンコン、Campster。なんだか親近感のわくルックスでしょう? 自由自在のシートアレンジが特徴的ですが、何と言っても目を引いたのが「取り外せるキッチン」! ガスコンロとシンクが一体になったストレージを車体床部のレールから取り外して外に出せば、すぐにアウトドアキッチンの出来上がり! これなら車内も広く使えるし、スタイリッシュなアウトドアリビングでできたてのお料理を楽しむこともできます。
使わないときは家に置いてくることだって可能。
日本では法制上問題もありますが(8ナンバーの構造要件であるキッチンが取り外しできる点)、アイデアとしては「アリ」だと思いました。

天吊り収納が冷蔵庫?

ワンタッチでアウトドアキッチン2

日本ではキャンピングトレーラーで有名なHobby社には、なんと天吊り収納が冷蔵庫(コンプレッサー式)になったモデルが登場!
やはりコンパクトタイプのバンコンですが、少しでも居室を大きくしたい、でも冷蔵庫はそれなりの容量が欲しい、という要望を両立させるひとつのアイデアでしょう。
車自体があまり大きくないので、長距離・長期間旅行を想定してはいないと思いますが、コンパクトに見えて機能性は十分。奥行きがさほど深くないので取り出しやすいのも魅力かなと思います。日本の同程度の広さのバンコン用冷蔵庫に比べたら、格段に大きいです。床面積が広くなることでレイアウトの自由度も上がりますし、今後もっといろんなバリエーションが出てくるかもしれません。

手のひらですべてを一括管理

手のひらですべてを一括管理1

Hobby社からの提案でもうひとつ目を引いたのが、バッテリーや水の残量がわかったり、電気のオン・オフが手元のスマホで一括管理できるアプリです。

手のひらですべてを一括管理2

用品展示コーナーに移動したら、同様のシステムを出展している設備専門業者のブースもありました。

今後、こういうオプションを設ける企業は増えてゆくかもしれません。スマホで管理するアプリを導入するには、管理先である給水・バッテリー・電気配線などにセンサーを埋め込むなどの工事が必要。ですので、あくまでB to Bの展示ではありましたが、あれば便利なのは間違いなし! 今後増えていくのか、日本にも入って来るのか、興味シンシンです。

軽量化トレーラーもオシャレ!

軽量化トレーラーもオシャレ!1 軽量化トレーラーもオシャレ!2 軽量化トレーラーもオシャレ!3

日本でいう「けん引免許不要サイズ」のトレーラー「COCO」がデスレフから登場。とはいえ、これはあくまでプロトタイプで、商品化はまだ先とのこと。ですが、内容はかなり充実していて、すぐにも市販できそうです。こんなに大きくて、重さはわずか638Kg! にわかには信じがたいスケールです。聞けば、建材など素材の重さを吟味しつくした結果なのだとか。一歩入ってみて、まずそのオシャレさに脱帽! 従来見られた白木・木目のインテリアではなく、すべてがグレートーン。窓が小さめなのに壁から天井への傾斜を利用した天窓など、実用的かつスタイリッシュ!リアからサイドへのL字型オーニングも便利そうです。

そのほかにも面白かったイロイロ

ここからはランダムなトピックスです。写真と一緒にどうぞ!

オモシロ展示のあれこれ

中はこうなってます!

中はこうなってます!

車内の様子を見せるために、シェルをスケルトン(透明なアクリル板)にする展示はありますが、こちらは写真の転写プリントで「壁の中」を表示!壁面暖房や配線の様子もばっちり。内容がわかると安心感がありますね。

ヨーロッパの「犬仕様車」

ヨーロッパの「犬仕様車」

後部の巨大収納の半分が犬小屋に。専用スロープが内蔵されていて、わんちゃんの出入りも楽々。壁面には足洗い用の水栓もついているのが便利です。車内に入ってみると、犬小屋の上はご主人様の常設ベッド。車内からも犬小屋にアクセスできるようになっています。

冷蔵庫、これだけの食材が入ります!

冷蔵庫、これだけの食材が入ります!

Hobby社にて。スリムに見える冷蔵庫も中にはこれだけ入ってますよ、という展示です。カートの中には食料がぎっしり!もちろん、一部の生ものはダミーでした。

食に対する熱意が違います

食に対する熱意が違います1

シュラスコやビア缶チキンがこんがり焼けるロースターも! BBQ文化は主にアメリカのものですが、旅先でもおいしい料理を味わいたいのは人類共通。多様な文化が根付いたヨーロッパらしい設備だなあと感心しました。

サファリテントも豪華

サファリテントも豪華1 サファリテントも豪華2

日本でもグランピングがもてはやされましたが、ヨーロッパのアウトドアリビングもオシャレでした。オーニングに立てまわすサファリテントは日本にもありますが、さらにアウトドアリビング用のソファやベッド(空気で膨らませます!)や柄がお揃いになった照明もあって、実にシステマチックです。

子どもたちのために…

子どもたちのために…

デスレフ社のブースにはキッズコーナーも。ミニボルダリングウォールのてっぺんには小さなキャンピングカー。脚こぎのミニカーもデスレフのロゴ入りキャンピングカーでした。専属の保母さんが2人つきっきりで、これならご家族も安心してショーを楽しめますね。

むしろ怖いんですが…巨大なクマ

巨大なクマ

Hobby社の展示ブースで出迎えてくれた巨大なクマさん。一応、シュタイフ製なんです。ドイツのシュタイフ社といえば世界的なテディベアブランドなんですが…リアルすぎです。

これ、買っちゃいました!

これ、買っちゃいました!1 これ、買っちゃいました!2 これ、買っちゃいました!3

キャンプ用品やグッズの売り場が大盛況なのは日本と同じ。週末の会場では押すな押すなの混雑でした。あれもこれもと思わずテンションがあがりましたが、持って帰れるものには限りもあって。結局、日本では見かけない樹脂製の可愛い食器セットと、テーブルを挟むだけでドリンクホルダーになるクリップを購入!今度のキャンプが楽しみです!

いかがでしたか?

日本のキャンピングカーショーとの一番の違いは、業界向け展示が多いこと。それでも、来場者は熱心に見ています。小売りされなくても、です。生活空間を持ち出す習慣が根付いていること、暮らしやすい環境を整えるために、DIYをいとわない文化の成熟ぶりを実感しました。
日本には日本のキャンピングカー文化が育っていくといいなぁ。そんなことを考えながら、デュッセルドルフを後にしたのでした。

WRITER PROFILE
浅野裕見子
浅野裕見子(あさの・ゆみこ)

ライター、キャンピングカー料理研究家。ガールスカウト日本連盟リーダー。日本バーベキュー協会、中級バーベキューインストラクター。
米軍基地勤務の両親の元で育つ。特に基地内で調理人をしていた母親譲りのレシピの数々は、今も宝物。小学生のころからアウトドアに親しむ。ライターやフリー編集者として、興味あるテーマには片っ端から頭を突っ込む癖あり。大の猫好きで、現在愛猫6匹と暮らす。夫はキャンピングカー・ジャーナリストの渡部竜生。

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