日本RV協会が過去の経験を活かして復興支援のためにキャンピングカーでのサポートをスタート

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日本RV協会が過去の経験を活かして復興支援のためにキャンピングカーでのサポートをスタート

被災時にキャンピングカーを利用できる体制を整えている矢先、2024年1月に能登半島で大きな地震が発生してしまいました。

令和6年能登半島地震により被害を受けられたみなさまには、心からお見舞いを申し上げます。被災地の一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。

いざという時のために、自治体とも協力体制を築いてきた日本RV協会では、今回の震災でもすぐに行動を起こして、災害復興のサポートをすることになったのです。

珠洲市にキャンピングカーによる「RVパーク村」を設置

JRVAと復興支援のロゴ

今回の震災発生後、すぐに日本RV協会は動き始めていました。これまでにも、東日本大震災でスタッフの宿泊や休憩用、被災者の一時宿泊施設としてキャンピングカーを貸し出したり、熊本地震でも被災者の生活をサポートするためにキャンピングカーを提供しています。

熊本地震の際は、過去の経験を活かして、医療用のキャンピングカーまで用意されました。このように、数々の経験に基づいた、被災時に最適なサポートについて、ノウハウを蓄積してきたのです。

駐車場に集まる、復興支援のキャンピングカー

今回の地震発生時期はお正月でした。キャンピングカービルダー各社も冬季休暇に入っていたのですが、すぐにクルマが集まってきたのです。全国各地から集まったキャンピングカーは20台弱。支援物資を詰め込んで、各地から能登半島を目指しました。

各社がバラバラで行動してしまっては、復興の妨げになってしまうことも十分に理解しています。そこで、協会はキャンピングカーを集め、被災地の復興の中心になる自治体職員と全国から集まってくる応援職員の宿泊場所「RVパーク村」を作ることを目的に一致団結したのです。

行政との連携もしっかりと行い、現地に入った自治体職員や防災士と相談のうえ、今回の行動が計画されました。やみくもに行動するのではなく、日本RV協会としてのチーム力を発揮し、過去の実績を踏まえた行政との連携があって実現したのです。

しかし、現場スタッフにとっては、とにかく早く現地へ物資を届けたい、という思いは強かったようです。夜を迎えようとも、各社から集まったボランティアたちは、自分たちのやるべきことを懸命に遂行しようとする姿がそこにありました。

珠洲市支援全国自治体職員宿泊場所設置プロジェクト

珠洲市内に集まった復興支援のキャンピングカー

目的地は珠洲市内と定め、キャンピングカーが集まってきました。救援物資をたくさん運んだクルマは、荷物をおろした後、宿泊施設として利用できるようになっています。キャンピングカーだからできる、効果的なトランスポーターの使い方といえるでしょう。

途中、道が寸断されていたり、迂回を余儀なくされる場所などがあり、目的地にはなかなか到着することができません。しかし、これだけのキャンピングカーが集まり、同じ目的を持って行動できることは、スタッフたちにとっても心強い光景だったのではないでしょうか。

自治体職員宿泊拠点整備「RVパーク村」

珠洲市の中心部にキャンプカーがまとめて駐車されると、自治体職員宿泊拠点整備「RVパーク村」の完成です。災害復興のために尽力する職員たちが休憩、宿泊する場所として、物資を運んできたクルマの多くがキャンピングカー宿泊施設として利用されるのです。

ここまでキャンピングカーを運んできたスタッフたちは、バスでまとまって帰路につき、被災地へのインパクトをなるべく少なくする行動が取られました。

この「RVパーク村」には今後も日本RV協会が手配するキャンピングカーを追加していく予定になっています。自治体職員が最大120名利用できるほどの規模を目指していて、約30台のキャンピングカーが集まってくるそうです。

キャンピングカー企業が復興支援へ素早い対応できたバックボーン

RVパーク村に集まったキャンピングカー

これだけのキャンピングカーを短時間で集めるのは難しいことです。しかも、キャンピングカーの各営業所も冬休み期間中だったこともあり、車両集めに苦労したのでは、と想像できます。

しかし、キャブコンを提供したナッツなどは、社員向け福利厚生としてのキャンピングカーを保有しており、その車両を利用することで、迅速な対応ができたといいます。各営業所からスタッフがキャンピングカーに乗り込み、すぐに行動できたことがポイントでした。

これまで、日本RV協会では、防災への取り組みを積極的に行っています。キャンピングカーショーの会場や地方自治体が主催する防災フェアなどへ参加して、防災対策としてのキャンピングカーの優位性をアピールしてきました。自治体との連携も進められ、2023年12月の時点で全国23件の災害協定締結が実施されています。

このような日頃の取り組みが、今回の素早い復興支援へと繋がったのでしょう。

災害時にキャンピングカーが活躍する理由

キャンピングカーはレジャー用途のイメージが強いですが、電源や就寝スペースを確保できることから、防災対策としても使えることが提唱されています。被災時に避難所として活用されたり、今回のようなスタッフたちが利用するスペースとしても有用性があります。

避難生活が長引くこともあり、快適なキャンピングカー空間がエコノミー症候群を防いだり、精神的な安定をもたらしてくれることは、過去の実績からも明らかなことです。

また、すぐに被災地へ乗り込むことができて、宿泊地として利用できる、スピーディーな対応能力もキャンピングカーならではといえるでしょう。

キャンピングカーが災害時に役立つ理由を改めてリストアップすると

  • 被災地でのシェルターとしての快適な場所を提供できる
  • 電気、トイレやシャワーなどの生活に必要なインフラがある
  • 移動して拠点を自由に設定できる利便性の高さ

などが考えられます。

このようにキャンピングカーの利便性を理解しながら、日頃の防災対策にあたる必要性を感じます。また、今回起きてしまった震災の復興のためにも、さらにサポート体制が充実することが望まれます。

WRITER PROFILE
渡辺圭史
渡辺圭史(わたなべ・けいし)

1971年東京生まれ。アウトドア好きな編集者、そして、算数が好きだったライター。アウトドア用品メーカー、出版社を経て、キャンピングカー専門誌編集長に。現在はフリーとして、いろいろなメディアにて執筆中。アウトドアをキーワードに、より楽しいライフスタイルを求めてゆるりと奮闘中。最近気になっているワードは、旅、ミニマリスト、車中泊。趣味はコンパクトな旅とモノづくり。

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