ここ数年、キャンピングカーのフロントシートをレカロシートに交換するユーザーが増加している。レカロシートというとスポーツ走行やモータースポーツのイメージが強く、「キャンピングカーになぜレカロ?」と疑問を持つ人も多いかもしれないが、実はキャンピングカーとレカロシートは非常に親和性が高いのだ。
その理由を探るべく、約15年前からレカロシートの正規販売をしている埼玉県のハイエースバンコンビルダーティピーアウトドアデザインでお話を伺った。
レカロシートの魅力を熟知したスペシャリスト
ティピーアウトドアデザインは、キャンピングカーの世界でまだレカロシートが一般的ではなかった時代から、「ハイエース×レカロシート」の組み合わせを提案し続けてきたパイオニア的存在だ。当時の同社では、役員全員がハイエースユーザーでレカロシートを愛用しており、「その素晴らしさをキャンピングカーユーザーにも伝えたい」とレカロシートの正規販売をスタートしたという。
同社には、レカロ社の正式な講習を受け、レカロシートの歴史や構造、魅力を熟知した3名のスペシャリストが在籍している。ニーズに合わせて的確なアドバイスをしてくれるので、シート選びに迷っている人にとって頼りになる存在だ。
(写真左から中畝さん、柳沢さん、小泉さん)
所有する2台のローダー(積載車)の運転席も、レカロシートに換装されている。長距離を走る機会が多いローダーだからこそレカロシートの効果は絶大で、疲労感が少なく快適に移動できるという。
驚いたことに、事務所のイスもすべてレカロ製。約15年の長い歴史を持つレカロ正規販売店だからこそ、レカロシートの性能に絶大な信頼を置いているのだ。
レカロシートがキャンピングカーに最適な理由
「なぜそこまでレカロシートに信頼を寄せているのか?」「どうしてキャンピングカーにレカロシートを勧めるのか?」。その点について、レカロシートのスペシャリストであるティピーアウトドアデザインの小泉さんと柳沢さんにお話を伺った。
「レカロ社は、世界初の自動車シート専門メーカーとして創業100年の歴史を持つパイオニア。そもそも人間にとって座るという動作は“労働”であって、その疲労をいかに軽減するかがレカロシートの根本的なテーマになっています。人間工学と整形医学に基づいた形状はもちろん、表皮の縫い目ひとつにもすべて意味があります」(ティピーアウトドアデザイン柳沢さん)
「鉄製のパイプフレームで構成されている純正シートに対し、レカロシートは一体型のスチールシェルを採用しているので、剛性感が高く適切なポジションを作りやすい。レカロシートに座って2時間くらい運転すれば、その快適さと疲労の少なさに驚くはずです」(ティピーアウトドアデザイン柳沢さん)
キャンピングカーのベース車両に使用されるハイエースは、もともと荷物を運ぶことを前提とした商用車で、純正のシートは体に優しい構造とは言いがたい。それを、人間工学と整形医学の見地を取り入れたレカロシートに交換することで、ドライブ時の疲労を劇的に軽減できるという。
「身体をしっかり包み込むようなレカロシートのホールド性は、長距離・長時間のドライブで絶大な効果を発揮します。日本中をアクティブに走り回るキャンピングカーにレカロシートが適しているのは、それが最大の理由です」(ティピーアウトドアデザイン小泉さん)
そうしたメリットのほかに、歴史あるブランドならではのスペシャル感やファッション性も、レカロシートの大きな魅力。クルマ好きにとって、いつの時代も「レカロシート」のスタイタスは不変だ。
キャンピングカーにオススメのレカロシートは?
「商用車ベースのキャンピングカーは、フロントシートのポジションが高い。乗り降りのたびに不便を感じるとストレスになるので、座面のサイドサポート(左右の立ち上がり)が低く、乗り降りがラクにできるモデルがお勧めです。キャンピングカーへの装着では、弊社のコンプリートカーに標準採用している「LX-F」、よりスポーティな「SR-7F」が人気ですね」(ティピーアウトドアデザイン小泉さん)
ユーロテイスト漂う「LX-F」(写真左)は、ハイエースやミニバン、SUVなどにもマッチするスタイリッシュなフォルムが特徴だ。高品質ウレタンフォームによって、フラットな薄型シートクッションでも骨盤の前滑りをしっかり抑制し、ドライブ時の身体への負担を軽減してくれる。「SR-7F」(写真中央)は、ホールド性抜群のスポーティな形状でありながら、フラットタイプのシートクッションを採用することで優れた乗降性を実現している。
レカロシートの各モデルには、別売りのアームレストも用意。装着することで、より快適なロングドライブを実現できる。
ティピーアウトドアデザインで販売するレカロシートは、レカロ純正シートレールを使用して取り付けを行っている。ハイエースは、全車種の運転席・助手席に取り付け可能(標準ボディ・ディーゼル車の助手席のみ不可)。キャブコンのベース車両であるカムロードにも対応しているが、助手席は社外の車検対応シートレールによる取り付けとなる。
レカロシートで快適なキャンピングカーライフを目指すバンコン&キャブコンユーザーは、ぜひ気軽に相談してみよう!
レカロシートを標準搭載した5車種をラインナップ!
「ハイエース×レカロシート」にこだわり続けるティピーアウトドアデザインでは、レカロシートを標準装備したオリジナルキャンピングカーを多数ラインナップしている。現在販売されている同社のレカロモデルは、以下の5種類。車名の末尾に冠したレカロを示す「R」の文字が、レカロシート標準搭載モデルの証だ。
(ベース車:ハイエース・スーパーロング)
- LBD200SL-R
- MD200SL-R
- T200SL-R
- HJ200WS-R
- T200WS-R
上記の5車種には、レカロシートLX-Fが標準装備されている。単に運転席と助手席をレカロに換装しただけではなく、リアシートやベッドマットなどをレカロシートのカラーに合わせてトータルコーディネートしているのが最大のポイントだ。
「レカロシートを装備したハイエースのキャンピングカーが欲しい」「現在乗っているハイエースのバンコンやカムロードのキャブコンにレカロシートを装着したい」というユーザーは、ぜひ一度ティピーアウトドアデザインに足を運んでみよう!