ぐるめパークってなんだ？

くるま旅の楽しみと言えば、「温泉」と「ぐるめ」が、そのトップの座を競ってきました。温泉は、脂ギッシュなおじさんの脂抜きには良いですが、食いしん坊の私は「ぐるめ」も捨てがたい。
安心・安全・快適な車中泊施設としては、RVパークや湯ＹＯＵパークなど、いろいろなパークがありますが、実は、ぐるめパークはその中でも唯一、利用者側の要望からできた施設です。

それには、こんな涙なくしては語れないお話がありました。クルマ旅の楽しみといえば、その土地ならではの美食を頂く事ですが、下戸でない限り、やはり一緒にお酒を頂きたくなります。しかし、クルマの運転があるので吞めません。お酒のない食事なんて、味のない料理を食べているようなものです。そこで、どうにも我慢できなくなり、そのお店の大将とかに「お願い！大将、お酒を呑ませて！でも呑んじゃうと運転できないので、こちらの駐車場で車中泊させて！」と、床におでこをこすりつけて土下座する勢いで、お願いする訳です。なんとか、お許しを頂ける時もあれば、断られる時もありました。毎回、そんな土下座シーンでは、身体がもちましぇん！そこで、お食事する事で車中泊できる施設が欲しい！という熱烈なお客様の声で、ぐるめパークが誕生しました。そうです。お客様からの切なる願い、切実な思いからできたパークなのです。

ぐるめパークとは？その利用法とは？気を付ける事は？

簡単に言うと、お食事処の駐車場に、そこでお食事する事を条件に車中泊できるというもので、中には、自慢の料理を召し上がって頂ければ、車中泊利用料金はタダ！というパークもあります。2021年6月現在、全国に約30箇所ありますが、お食事処にもいろいろな種類があるように、日本全国北から南まで、それはいろいろな、ぐるめパークがあります。

通常は、近くのお風呂に寄って入浴して、さっぱりしたところでお店に行って、冷えた湯上りビールをキュ～っとやってから、美味しいお食事を頂くというのが定番パターンです。その後はどこか移動することもなく、つまり運転もしなくて良いので、思う存分に、美味しいお料理を味わい、（呑める方は）地元のお酒なども頂き、舌鼓をカッポンカッポンと打ち鳴らして満喫し、お店を出たら、その5分後には自宅（自分のキャンピングカー）に戻ってバタンキューができるのですから、これはもう、究極の極楽といえます。

注意点としては、お食事が前提なので、予約必須のところが多く、また、ドタキャンは出来るだけ避けて頂きたいと思います。また、RVパークと違って、電源や24時間トイレがないところもあるので、事前に確認が必要です。そして、自宅兼店舗のところもあるので、夜の過ごし方にも注意が必要です。駐車場で騒ぐのはもっての外で、これはどこのパークにも言える事ですが、最低限のマナーは守る様にして頂きたいです。

それから最後になりますが、ぐるめパークはくるま旅クラブ会員施設なので、くるま旅クラブに入会していないと利用できません。それでは、実際に幾つか、ぐるめパークをご紹介しましょう。本当は、30箇所全部、ご紹介したいのですが、それは無理なので、選ぶのに苦悩七転八倒しましたが、動画もあるぐるめパークを5つ、ご紹介いたします。

1）本当は教えたくない！？「ぐるめパーク　ノンナジーニャ」（長野県）

ここは、今は人気のジビエ料理も、まだ「ジ・ジ・・ジビエってなに？」と言われていた頃から渋く提供していたお店です。浅間山・北アルプスを臨める畑に囲まれた一軒家レストラン。地元で穫れた旬の食材から、よくぞ集めたと驚く日本各地から直送される魚介までを贅沢に使った料理は、一度、食したら忘れられません。

特に地元の鹿を使ったジビエ料理は逸品で、「バンビちゃんは可哀そうで食べられないワ！」なんてご婦人も、食べた後は、自らバンビちゃんを山の中に探しに行きたくなります。ジビエ以外にも、蓼科牛やサフォークなど、柔らかでジューシーなお肉なども楽しめます。私も長野への行き帰り、そのまま真っすぐ帰らずに、御東で途中下車して食べに寄ってしまうほどに、私のココロと胃袋を鷲づかみにしているお店です。ですから、本当は・・本当はね、教えたくないお店なのです。

2）命の洗濯に行く！？「ぐるめパーク　酒処　和ん」（山梨県）

疲れた時、頑張った時、自分にご褒美をあげたい時に行く、ぐるめパークがあります。山梨県の河口湖の近く、富士山がど～んと望める場所にある酒処 和んです。ここの日本酒好きの大将が秋田を中心に厳選した美味しい日本酒と、秋田美人の奥様が作ってくれる、これまた秋田の郷土料理を中心とした美味しい料理が楽しめる日本酒居酒屋です。

特に感心するのは、オーナーご夫婦（やはりキャンピングカー乗り）が各地で、自ら食して納得厳選した素材を使っている事です。そして居酒屋とあるように、肩ひじ張らずにゆったりまったり、お酒と食事が楽しめます。私はいつも一人なので、カウンター席の片隅で、大将との会話と自分だけの時間をたっぷり楽しみます。これは、疲れたおじさんには最高の「命の洗濯」です。

3）米国人が号泣する！？「ぐるめパーク　バディーズ　リブ　カンパニー」（茨城県）

これはタイトルにあるように、本当に筑波大学にきていた米国人が「ミーノ故郷ヲ思イ出シマス！」と泣いたそうです。オーナーさんも米国滞在経験が長く、スタッフ全員がアメリカ本土に幾度となく渡り修行？会得した本場の技術で料理した「リアル・アメリカン・リブ」を提供してくれます。

スペアリブだけでなく、スパイスがすり込まれたスモークチキンは柔らかくてジューシー！口の中に広がるスパイスとスモーキーな薫りがアメリカン！更に特筆すべきは、牛一頭から取れる量が数キロだけ、「幻の肉」と言われている部分をスモークした「ミスジスモーク」！赤身ならではの歯ごたえと霜が下の上でとろけるという牛肉の美味しいとこだけが同時に味わえます。これはもう、米国人でなくても、感激の涙を流すこと間違いありません。個人的には「ハイボール」の呑み比べと、ランチのカレーもおススメです。

4）激ウマ創作料理に悶絶！「ぐるめパーク　そばの華」（新潟）

こちらの十割蕎麦も人気ですが、更におススメなのが「創作料理」思わず「こんな料理食べたことな～い」と訪れた人々が皆、口を揃えて感動します。味もさることながら、葉っぱの下にはエビでできた可愛い小鳥が隠れている・・とか、もう食べちゃうのが勿体ない趣向がこらされています。

店内には地元の作家のクラフトギャラリーやさりげなく季節の花が飾られており、目の保養でココロまでも満腹になります。更に、なんと！店内での生演奏「そばの華ライブ」では、東京宝塚劇場コンサートマスタが演奏するヴァイオリン＆木管楽器や、「尺八＆ギタ ー」なども楽しめます。（事前に要確認）この他、周辺には観光名所が多く、例えば、「東洋のミケランジェロ」と言われている「石川雲蝶」の彫刻がある西福寺・開山堂や、八海醸造のテーマパーク！新潟県南魚沼市「魚沼の里」などがあり、観光でも満足して満腹気分にな れます。

5）味にこだわるガンコ親父！？「ぐるめパーク　めん魚房 松月」（福井県）

海の近くのお食事処で、新鮮な活魚は当たり前！ありそうでなかった活魚料理と麺料理のお店、その名もめん魚房と言っても、奇をてらったお店ではなく、恐ろしくも頼もしいガンコ親父が仕切っています。活魚は、毎朝、親父自ら敦賀漁港魚市場に出向いて仲買人としてセリにて仕入れ、麺は注文を受けてから製麺する自家製釜揚げ麺で湯がきたてののど越しが楽しめます。

しかも、定番のラーメンから女性に大人気のレモンラーメン、旨辛の爆弾ラーメンなど、親父のこだわりが隠しきれないラーメンのラインナップ！魚屋であり麵屋、麵屋であり魚屋というその頑固さが、味にも一徹に現れていて美味しいのです。更には、毎年11月ごろの越前ガニ解禁から、翌年の3月中旬までは、至高のカニ道楽が味わえます。これは雪をかき分けてでも、一度は訪問してみたい、ぐるめパークです。

今回紹介したぐるめパーク一覧

・ぐるめパーク　ノンナジーニャ

〒389-0514 長野県東御市加沢682‐2
ノンナジーニャの詳細はこちら

・ぐるめパーク　酒処　和ん

〒401-0302　山梨県南都留郡富士河口湖町小立8005-12
酒処　和んの詳細はこちら

・ぐるめパーク　バディーズ　リブ　カンパニー

〒300-0805　茨城県土浦市宍塚1751-1
バディーズ　リブ　カンパニーの詳細はこちら

・ぐるめパーク　そばの華

〒949-7231　新潟県南魚沼市茗荷沢474-1
そばの華の詳細はこちら

・ぐるめパーク　めん魚房 松月

〒914-0044　福井県敦賀市岡山町2丁目36-1
めん魚房 松月の詳細はこちら