長年愛され続けるハイエースキャンピングカー「ファイブスター」の魅力

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長年愛され続けるハイエースキャンピングカー「ファイブスター」の魅力

バンコンには数多くのモデルがありますが、外観上の違いが少ないので、その差が分かりづらいキャンピングカーともいえるでしょう。しかし、車内を見てみると、各車両に特徴があって、レイアウトもまったく違ったコンセプトで展開されていることが分かります。

ビルダー各社は、ユーザーが使いやすい、オリジナリティあふれるレイアウトを常に考えているので、ニューモデルが多いのも特徴です。一方で、長年愛され続ける定番モデルとうものもあり、各社の代表的なフラッグシップモデルとなっています。

そこで今回は、バンコンビルダーとして長い歴史を持ち、愛知県瀬戸市に本社を構えるレクビィの定番モデルファイブスターを取材してきました。20年以上愛され続けている定番モデルで、その魅力を紹介します。

シートバック貼り付けシートでリビングエリアを展開

レクビィファイブスターのダイネット

レクビィの人気モデルは、過去10年の登録台数でも確認されている、カントリークラブファイブスターだそうです

カントリークラブは、座り心地の良い豪華なイスが装備され、対面対座でレイアウトされています。さらに常設2段ベッドを装備していて、高級感のある落ち着いた空間が特徴のモデルです。

一方で、ファイブスターはカントリークラブのレイアウトに、拡張性のあるセカンドシートを採用したモデルとなります。どちらも常設2段ベッドがレイアウトのアクセントですが、ユーザーの家族構成や、使い方によって、セレクトが分かれるようです。

シートバック貼り付けシート

ファイブスターはコンパクトなボディでも、しっかりと常設2段ベッドを設置しているうえに、広いリビング(ダイネット)エリアを展開できるのが特徴です。室内のスペースを有効に使うため、オプションのシートバック貼り付けシートが設定されています。

使い方は簡単で、フロントシートを前方に倒し込み、シートバック貼り付けシートをフロントシートの後ろ側にセットするだけです。簡単にリビングを展開できるようになっているのです。

このオプションのシートは、使わない時はコンパクトに折りたたんで収納できるので、走行時、セカンドシートに前向きに座っていても、邪魔になりません。

ハイエースに常設2段ベッドをインストール

ファイブスターの常設2段ベッドとキッチン

セカンドシートの後ろ側、リアエリアには、常設2段ベッドとキッチンエリアが広がっています。ベッドは大人が寝られる広さで、上段を跳ね上げれば、下のベッドをソファーとしても利用できます。

前方のリビングエリアでくつろいで、別室のような感覚で、リア側のベッドに入れる手軽さはいいですね。

もちろん、セカンドシートを展開すれば、フラットベッドとしても利用できるので、2人プラスαの人数でも、十分に利用できます。フラットベッド展開して、ゴロゴロとお座敷モードでくつろぐのもいいでしょう。

ファイブスターのキッチン

キッチンエリアはコンパクトにまとめられています。ベッド脇にシンクがあるので、寝る前でも、シンクを気軽に使えます。セカンドシート越しに、リア側へ移動する時、ぶつかりやすいキッチンカウンターの天板にアールがついているのも、やさしさを感じます。

ファイブスターの冷蔵庫

キッチンの奥にはトールキャビネットが設置され、冷蔵庫やオプションの電子レンジなどを装備することができます。調理している時、ベッドエリアにいる時など、冷蔵庫や電子レンジに手を伸ばしても、ストレスを感じることのない、絶妙なレイアウトです。

バンコンには珍しい防水マルチルームを設置

ファイブスターの防水マルチルーム

カントリークラブ、ファイブスターの最大の特徴とも言えるのが、この防水マルチルームです。防水ユニットを組み込み、シャワーヘッドが付いたシンクが設置されています。バンコンですが、バスルームとして利用できるスペースを確保しているのは珍しいですね。

ファイブスターの防水パン

下部は防水パンとなっていて、排水口もあります。シャワールームとして利用してもいいですが、ペットの足洗い場、マリンスポーツやスキーなどの濡れものを置いておくスペースとしても利用できます。

この防水マルチルームが、購入の決め手となったオーナーさんも多いそうですよ。

定番モデルとして愛されるバンコンとは

ファイブスターの常設2段ベッド

常設2段ベッド、セカンドシートとフロントシートで展開できるリビング(ダイネット)エリア、防水仕様のマルチルーム、そのすべてがコンパクトなバンコンに収まっているとは、驚きのレイアウトと言えるかもしれません。

ただ詰め込んだだけでなく、その機能性を存分に発揮できるように、レイアウトされている点が、レクビィの素晴らしさと言えます。使ってみて分かることが多いのですが、その1つが、前後に移動できる動線がしっかりと確保されていることです。

これはバンコンを使う上で大切なことで、キャンピングカー全体の使いやすさを左右する要素といってもいいかもしれません。さらに、ユーザーファーストで、ディテールにもこだわりを見せているのも注目のポイントです。

ファイブスターの収納棚

例えばこちら。ベッド上部に収納式の棚があるのですが、寝る時に携帯やメガネなどの小物を置くスペースが欲しくなるものです。ここはベッドを跳ね上げるスペースにもなるので、吊り下げ棚を付けられないのですが、利便性を高めるために、折りたたみ棚というアイデアで解決されています。

ファイブスターのラゲッジスペース

ベッド下にはラゲッジスペースが確保されました。バンコンで旅をする時、荷物の置き場所が常に問題になります。室内で使わないものをスッキリと収納できるというのも、大切なポイントといえるでしょう。

コンパクトなボディに機能性の高いレイアウトのファイブスター。長年、定番モデルとして人気があるのも理解できます。機会があれば、実際に乗ってみて、クルマの中を移動しながら、その快適性を体験してみてください。

ファイブスター諸元

ベース車両
ハイエース SL キャンパー特装車
駆動形式
2WD または 4WD
車体寸法(mm)
全長5,380mm /全幅1,880mm /全高2,400mm
定員
乗車定員8名/就寝定員2名+小人3名
車両価格
\5,461,000円(税別)〜
WRITER PROFILE
渡辺圭史
渡辺圭史(わたなべ・けいし)

1971年東京生まれ。アウトドア好きな編集者、そして、算数が好きだったライター。アウトドア用品メーカー、出版社を経て、キャンピングカー専門誌編集長に。現在はフリーとして、いろいろなメディアにて執筆中。アウトドアをキーワードに、より楽しいライフスタイルを求めてゆるりと奮闘中。最近気になっているワードは、旅、ミニマリスト、車中泊。趣味はコンパクトな旅とモノづくり。

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