1月31日~2月1日に幕張メッセで開催された、ジャパンキャンピングカーショー2020。人気のバンコン、キャブコンと並んで多くのキャンピングトレーラーが展示される中、明らかに周囲のそれとは異なるオーラを放つ1台が目に留まった。
ケイワークスブースに展示されていたそのキャンピングトレーラーは、トレイルワークス520 HAPPY OUTSIDE BEAMS。実はこの車両、日本の環境に適した国産トラベルトレーラー「トレイルワークス」と、セレクトショップ「BEAMS」の異業種コラボレーションで生まれたユニークなキャンピングトレーラーなのだ。
トレイルワークス×BEAMSコラボの経緯
どのようにして、このコラボが実現したのか? プロジェクトをプロデュースしたBEAMSの児玉氏にお話を伺った。
「BEAMSでは、かっこよくて面白い外遊びを提案するハッピーアウトサイドというプロジェクトを推進しています。そこで様々な取り組みを行っていく中で、外遊びのツールとしてキャンピングトレーラーに興味を持っていました。そして、昨年キャンピングカーショーを視察した際にトレイルワークスのキャンピングトレーラーに目が留まり、お声がけさせていただきました」
キャンピングカーショーには、ほかにも数多くの魅力的なキャンピングトレーラーが展示されている。その中でも、トレイルワークスを選んだ理由は何なのか?
「まず気に入ったのが、様々な用途で活用できそうなサイズ感。そして、快適な部屋づくりに不可欠な家庭用エアコンと、それを稼働できる大容量のリチウムイオンバッテリー。重量750kg以下で、普通免許でけん引できるのも魅力でした」
そうして、トレイルワークス×BEAMSのコラボプロジェクトがスタート。トレイルワークスのキャンピングトレーラーをベースに、内外装のデザインをBEAMSデザインチームが監修し、既存モデルとは異なるアプローチで他車と一線を画すスタイルに仕上げた。
「BEAMSにとって、スタイリッシュでカッコいいビジュアルは重要なポイント。自分たちの部屋をアウトドアに持ち出すという感覚で、トレーラーの内外装をオシャレな部屋としてコーディネートしました。テーマは、“自由に使えるセカンドハウス”。自宅ではもう一つの部屋として使え、アウトドアでも自分の部屋のように落ち着ける空間を確保できる。アパレルの視点から、トレーラーの可能性を提案した1台です」
ナチュラル&レトロ感が特徴のエクステリア
明るめのシルバーを基調としたエクステリアは、ボトムをナチュラルなブラウン系で塗り分け、古いアメリカ車のようなレトロ感を演出。都市部にも自然の中にも違和感なく溶け込む、スマートなデザインに仕上げた。
サイドタープの下に置かれた家具類は、あえてアウトドア用ではなく家用のオシャレなアイテムをセレクト。ボディ側面にはプロジェクターで映像を映し出し、「自分たちの部屋をアウトドアに持ち出す」というコンセプトを表現している。
空間を贅沢に使ったスタイリッシュなインテリア
家具や電化製品を極力排して、開放感を演出したインテリア。フロアと天井にはウッド調デザインを採用し、内壁はシンプルなグレーでフィニッシュしている。
部屋のセンターには、マスタードイエローの油圧昇降式テーブルをセットし、周囲には大勢でテーブルを囲んでゆったりとくつろげるラウンジソファをレイアウト。キャンピングカーの観点では、ベッドや家具で空間を埋めることに注力してしまいがちだが、このトレーラーの内装は、空間を贅沢に使ったコーディネートが大きな見せ場だ。
生活電源には、合計300Aの大容量リチウムイオンバッテリーを搭載。アウトドアでも快適に生活できる、オフグリッド化を実現している。
ラウンジソファをベッド展開すれば、4人分の就寝スペースを確保した大きなベッドに早変わり。シンプル&スマートな展開方法にもこだわっており、油圧昇降式のテーブルを下げて背もたれのマットをセンターに置くだけで、リビングからベッドにアレンジできる。
BEAMSらしいデザインのこだわり
室内のフロント側には、ホワイトでトータルコーディネートされた清潔感あふれるキッチンを完備。キッチンユニットにはシンクや収納も完備され、実用性とビジュアルをパーフェクトに両立している。
キッチンの上部には、家庭用エアコンが装備されている。あえてルーバーでエアコン本体を隠しているのは、「生活感を出したくない」という理由から。細かいこだわりを詰め込むことで、生活家電を空間に溶け込ませることに成功した。
フロント右手の壁面には、アメリカの家具メーカー「Herman Miller(ハーマンミラー)」のコートラック、リア左手の壁面にはイタリアブランド「NEMO(ネモ)」のブラケット照明をセット。小物類のセレクトにも、BEAMSらしいこだわりが感じられる。
収納家具や電化製品、トイレルームなどをあえて排した “ヌケ感”が贅沢な空間づくりは、BEAMSが監修したキャンピングトレーラーならではの大きな見せ場。スペースの使い方を限定せず、シンプルかつ自由に使えるレイアウトで、趣味部屋、仕事部屋、客室、休日のレジャーなど、様々な用途に活用できる仕様とした。
家に置いておけば離れ(もう一つの部屋)になり、アウトドアでは自分の部屋を持ち出す感覚で、プライベート空間を確保できる。実用性とビジュアルを両立したトレイルワークス520 HAPPY OUTSIDE BEAMSは、感度の高いユーザーにピッタリのスタイリッシュなキャンピングトレーラーだ。