
リチウムイオンバッテリー普及のおかげで、クーラーなどの家電がキャンピングカーでも使いやすくなりました。今では軽キャンパーでさえクーラーを搭載するモデルが増えています。
平均気温が年々上昇している夏場はクーラーが必須、と言っていいでしょう。以前に比べて、停車時に利用できるクーラーの需要も高まっているようです。
そこで各社は既存モデルをリニューアルさせ、クーラー設置などのニーズに応えてきました。今回紹介する東和モータース販売でも既存モデルをリニューアルして、バンコンモデルでの家庭用エアコン搭載を可能にしています。
そして、新しい軽キャンピングカー「バディ108」にもクーラー搭載パッケージモデルをラインアップしました。室内を広くするポップアップルーフと合わせて軽キャンパーの快適性を追求したモデルになっています。
目次
ポップアップスタイルの新たな軽キャンピングカー「バディ」

東和モータース販売では、輸入キャンピングカー、カムロードベースのキャブコン、フィアットデュカトベースのキャンピングカー、バンコン、軽キャンピングカーなど、幅広いキャンピングカーが揃っています。
これまで軽キャンピングカーには、バンコンのクラインシリーズとキャブコンのインディ108がありましたが、インディ108が販売終了。ロングセラーモデルだったので、残念に感じていた人も多かったのではないでしょうか。
しかし、次のキャブコン軽キャンピングカーモデルがしっかりと用意されていたのです。それが2025年2月のジャパンキャンピングカーショーでお披露目された「バディ108」です。
ハイゼットトラックをベースにキャビンを架装したキャブコンで、室内空間を拡張するポップアップルーフを搭載しています。これまでのインディ108とスタイルは似ていますが、レイアウトをセレクトできたり、新しい電源システムを設定するなど、まったく新しいモデルとして誕生しました。

車名は相棒を表すバディ(Buddy)。旅やキャンプなど、いつでも最適な相棒となってくれるキャンピングカーを目指して名付けられました。
軽キャンピングカーは軽自動車枠という限られたサイズで作られていますが、そのコンパクトなボディだからこそ日本の道路事情にも適しているといえます。
山道などを進むと軽自動車でなければ通ることができないような場所もたくさんあります。このバディであれば、室内の快適性はそのままで、より自由に行動範囲を広げることができるのです。
ボディには最新の大型キャンピングカーにも採用されている、高断熱パネルを採用。エクステリアデザインをみてみると、フロント部上部の形状がインディ108より先鋭なデザインになり、フロントドア上部、フロントタイヤ後方にパーツを追加することでアグレッシブな印象を醸し出しています。

乗車定員は4名なので、リアのキャビンにも2名が乗車できるようになっています。基本的なレイアウトは、エントランス横にキッチンが設置されていて、逆サイドにキャビンいっぱいに広がるリビングエリアがあります。
2つのレイアウトから選べる軽キャンピングカー「バディ108」

バディ108には2つのレイアウトが用意されました。セカンドシートが後ろ向きのタイプSと横向きベンチスタイルのタイプLです。タイプSにはFASPシートが採用されていて、しっかりとしたクッションで座り心地も快適。レバー1つで簡単にフルフラットにすることができます。
テーブルは床から支柱1本で支えるタイプで、リアのマットを使うことで、テーブルを囲みながら対面で座ることができます。

タイプSはテーブルを取り外して、リアマットを上の写真のようにセットすることも可能。キッチンに正面を向いた状態でベンチシートを作ることができるのです。使い方に合わせて、シートアレンジできるのはとても便利なのではないでしょうか。

タイプLは上の写真になります。セカンドシートが横向きになっているので、フロントからリアに抜けるような空間が広がっています。テーブルは壁側の片持ちを支柱で支えるタイプ。軽量でセッティングも簡単です。
こちらもリアのマットをアレンジすることで、大人2人が座れるシートを確保できます。写真右側に見えるキッチンキャビネットはタイプSとタイプLともに共通。コンパクトで使いやすく、スイッチ類もまとめられています。就寝時の暗い室内であっても、スイッチの場所が分かりやすいので、手探りで操作できるのはありがたいです。
軽キャンピングカーの不安を解消する高い収納力

コンパクトなキャンピングカーだと、収納力に不安を感じます。旅行に使うのであればなおさら。荷物も多くなるので、収納スペースの確保は大切です。バディ108には、そんな不安を打ち消す収納場所が随所に設置されていました。
室内を囲むようにあるのが吊り下げ棚です。上の写真はボディの右側ですが、フロント、左側にも小物入れがあります。ちょっとした小物を収納するのに重宝することでしょう。

もし大きな荷物を運びたいのであれば、リアのラゲッジスペースを使います。リアのマットはコンパクトに収納できるので、空いたスペースを使えば十分。上の写真はタイプSのリアラゲッジスペースになりますが、タイプLも同じように使えるようになっています。

また、タイプLにはシート下にも収納庫があって、大きな引き出しタイプになっています。飛び出し防止のロック機構が付いていて、ベッドをセットする時の脚としての役目も兼ねています。
軽キャンピングカーに4人が寝られるベッドスペース

軽キャンピングカーのボディサイズから考えると、大人2名の就寝スペースを確保するのが限界に思えるかもしれませんが、ポップアップルーフを使うことで+2名の就寝スペースが生まれます。
ポップアップルーフの中も広々。フロアマットもしっかりとしていて、快適に寝られそうです。両サイドの窓はバグネットのみにすることも可能で、夏場などは風を通したり、夜空を眺めながら就寝することもできます。

車内のベッドも広々としています。上の写真はタイプSのベッド展開。室内全体にベッドが広がっていて、長さ1820mmもあります。大柄の大人でも余裕で横になれます。
セカンドシートがエントランス側に少し移動するので、さらにベッドエリアが広がっているのが分かります。タイプSとタイプLを選ぶ参考にしてもいいかもしれません。

上の写真がタイプLのベッド展開。セカンドシート部分の横幅がタイプSと違いますが、縦はしっかりと1820mmを確保しています。タイプLの場合、セカンドシート下の引き出しを出して、背もたれのマットを置くだけで簡単にセッティングできます。
写真ではポップアップが上がっている状態になります。このように、ポップアップ部分のフロアを前方に移動することで、空間が広がり、室内で立って移動することができるのでとても快適です。
軽キャンピングカーにエアコンを装備したパッケージを用意

サブバッテリー、走行充電、照明、外部電源など、キャンピングカーとしての基本的な装備はほとんど標準装備しているバディ108。さらに装備を強化したC3パッケージという仕様が用意されています。
C3パッケージはDCクーラー、300Ahリチウムイオンバッテリー、高い効率を誇る走行充電EVOシステム、 DCソケット、USBソケットが装備され、標準70Aのオルタネーターが120Aタイプに換装されています。

そのすべての装備が室内の家具に収納されていて、DCクーラーはキッチンの上部に設置されていました。上下の高さが薄い室内機が窓とルーフの間に収まるコンパクト設計。限られたスペースの中で圧迫感を出すことなく設置されています。
DCクーラーとはバッテリーの直流電力をそのまま利用できるクーラーで、交流へ変換する必要がないので、変換ロスの少なさが特徴です。しかも、室外機が分離されたタイプなので、一般的な家庭のクーラーとほとんど同じ仕組みで、しっかりと室内を冷やしてくれます。

C3パッケージを選んだ時はインバターを出力1500Wタイプに変更することも可能です。この出力であればドライヤーなどの消費電力の大きい家電を使えるようになります。しかし、この1500Wインバーターを選べるのは新規オーダーの時だけ。新車購入時には慎重に検討したいものです。
オプションなど、キャンピングカー装備が充実していますが、効率的にパッケージングされていて、しっかりと居住空間を確保しているバディ108。コンパクトなボディで快適なキャンピングカーライフを提供してくれる力強い存在です。旅やキャンプなど、いろいろな用途で相棒(Buddy)としての役目をはたしてくれることでしょう。