
キャブコンのコンパクトなモデルが各社から登場しています。このコンパクトなキャブコンのほとんどが全長5m未満の車両。取り回しがよく、街中でのドライビングもしやすいサイズです。キャンピングカーを停める時、駐車場選びに悩まされることは少ないかもしれません。
キャンピングカーが扱いやすいサイズになると、ユーザー層も必然的に広くなっていくことが考えられます。そして、いろいろなタイプのオーナーが現れ、それぞれの趣向にあわせたモデルも増えることでしょう。
一般的なクルマであれば、同じ車種であっても、いろいろなバリエーションが選べますが、キャンピングカーは…… そんなキャンピングカーの常識に一石を投じるモデルが登場しました。アネックスのリバティシリーズ「50DB」です。
目次
カラーバリエーションが12種類もあるコンパクトキャブコン

アネックスの製造するリバティ50DBは、オプションメニューによって、カラーバリエーションが12種類のなかから選ぶことができるのです。サイドのパネルのカラー、バンクなどのFRP部分のカラー、それぞれを組み合わせて12種類です。
パネル部分のカラーになるベースカラーをホワイトかシルバーから選べ、FRP部分のカラーを
- ホワイト
- レッド
- ベージュ
- ライトグレー
- チャコールグレイ
- ブルー
の6種類から選ぶことができます。
ボディサイズは全幅1950×全長4990×全高2830mm。ベース車両にカムロードのナローボディを採用しています。オプションのオーニングはボディーから出っ張ることなく、ボディ上部へ取り付けられ、コンパクトなボディにマッチしたシルエットになっています。
全幅は1950mmながら、室内幅は1830mmを確保して、広さを感じることができます。乗車定員は8名。就寝定員が5名になっています。4WDを選んだ時は乗車定員は7名となります。
レイアウトはフロントエントランス、入り口付近にリビングエリア、エントランス横にキッチン、そして、後方へ行くとマルチルームがあり、リアには2段ベッドが設置されています。オーソドックスなレイアウトですが、リア2段ベッドを流行らせたのはこのアネックスが始まりだったこともあり、自社の基本的なレイアウトを踏襲している、といってもいいかもしれません。

エントランスから内部へ入ってみると、サイズ以上に広さを感じられます。フロント側にベンチシートが設置されており、サードシートは大きなシートバックタイプ。レイアウトをギリギリまで調整しているので、無駄なスペースがなく、広さを確保しているのです。
また、直線的な視覚がエントランスからの眺めのアクセントになっていて、奥行きのある広がりを感じることができます。その直線的なシルエットを浮かび上がらせるように、間接照明が設置されていて、さらに広がりのある室内を演出する効果を発揮してくれます。

天井を見上げると、ダウンライトとベンチレーションが取り付けられた、ルーフパネルが目に飛び込んできます。その回りから、優しい間接照明の明かりが見えて、天井のファブリックを美しく浮かび上がらせます。
吊り下げ棚に並ぶように取り付けられているのは、家庭用エアコンです。オプション設定になっていますが、後付け感を感じることなく、家具の一部としてすっきりとした印象を与えてくれることでしょう。
コンパクトボディであっても広さを感じる工夫を施したベッドエリア

コンパクトなボディゆえに、室内レイアウトでは随所に工夫を感じることができます。特にバンクベッド部分の形状は特徴的です。使わない時は跳ね上げることができて、リビングでくつろいでいる時のベンチシート上部、または、運転席と助手席の上部空間に余裕を持たせることができます。
座ってしまうので、上部のスペースは意味がない、と考えるかもしれませんが、その場に広がりのある空間ができると、圧迫感が軽減され、ストレスからも解放されます。

バンクベッド利用の時は、ダンパー部分のロックを解除して、バンクの床部分を下げて利用します。セッティングまで、あっという間の時間。バンクベッドのサイズは1730×1370mmで大人1名+子供1名が就寝できるサイズです。
バンク部分を跳ね上げることができるので、ふたのできる収納スペースとして利用するのもいいでしょう。走行時にモノが落ちてくる心配もありませんので、いろいろなモノを積み込むことができます。また、着替えものなど、表に出しておきたくないモノを収納することも可能。ちょっとしたクローゼット気分でバンクを利用することもできます。

リアには収納スペースとしても利用できる2段ベッドがあります。下段のベッドマットがやや変形していて、幅690〜820mm、長さ1820mmを確保しました。ベッドマットは取り外すこともできるので、大きなラゲッジスペースとして利用することもできます。
上段にも窓が取り付けられていて、開放感のあるレイアウトになっています。また、ライトも取り付けられていて、しっかりとした設備が整っていました。
電気を強力にバックアップする電装グレード「パワープラス4800」

豊富なボディカラーのセレクトメニューを選べる条件は、システムに電装グレードパワープラス4800を装備することになります。残念ながら、このシステムをセレクトしなければ、ボディカラーだけを変えることはできません。
しかしながら、このパワープラス4800は充実したメニューなので、選んでいて損はありません。そのセット内容は
- リン酸鉄リチウムイオンバッテリー 4800Wh(400Ah)
- インバーター2000W
- 家庭用エアコン
- 85L冷蔵庫(12L冷凍庫内蔵)
- 電子レンジ
- 12種類から選べるボディーカラー
となっています。

インバーターの出力が最大で2000Wもあるので、電子レンジも余裕で利用できます。冷蔵庫も12L冷凍庫を内蔵した大型の85Lサイズ。旅先で要冷蔵の海産物などを購入した時も便利です。アイスやチョコレート・乳製品など、お土産などの幅も広がるのではないでしょうか。
さらに電源を強化するメニューとして、ソーラーパネル(オプション)も設定されています。フロントバンク部分に薄型ソーラーパネル500Wを取り付けることが可能で、エクステリアデザインのシルエットはそのままで、ソーラーパネルを搭載することができるのです。

コンパクトなボディですが、その内部は高級感あふれる家具がふんだんに使われています。室内に入ると、落ち着きのある空気を感じることができるでしょう。エクステリアデザインに関しても、美しいシルエットを活かした、サイドオーニングやソーラーパネルの装着方法にこだわり、細部のクオリティを追及している事が分かります。
さらにオプション設定で、設備をさらにランクアップさせることも。エントランス部分には電動ステップを取り付けることが可能で、スムーズな乗降ができるようになります。特に雨の日など、ステップを引き出す動作がなくなるだけでも便利です。
コンパクトなボディで扱いやすいキャブコンとしてのジャンルを切り開き、さらに高級感あふれるインテリアと機能的な設備。妥協のないキャンピングカー作りを感じさせるリバティ50DBは、アネックスがリア2段ベッドのムーブメントを引き起こしたように、コンパクトキャブコンの世界でも新しい常識を提案してくれたようです。
リバティ50DB 諸元
- ベース車両
- トヨタカムロード
- エンジン
- 2Lガソリン(*普通免許対応)/2.8Lディーゼル
- 駆動方式
- 2WD/4WD(*ガソリン車は2WDのみ)
- 車体サイズ
- 全長4,990mm/全幅1,950mm/全高2,830mm
- 定員
- 乗車定員8名(4WDは7名)/就寝定員3名+子供2名
- 価格
- ¥8,600,000(税込)〜