年を追うごとに夏の暑さが厳しくなっています。特にキャンピングカーに乗っている人であれば、その変化を敏感に感じているはずです。しっかりとボディの断熱処理がしてあっても、夏の日差しによって車内の温度は上昇。熱中症の危険も高まります。
そんなキャンピングカーの場合、エアコンを設置するのが一般的になりつつあるようです。エアコンを設置するにあたって、バッテリー性能も高めなければなりません。同時に走行充電など、トータルバランスの優れた環境構築が必要になるのです。
そんな時代の流れに乗って、いち早くリチウムイオンバッテリーを搭載したのが、日本特種ボディーでした。初代のモデルから、エアコンを搭載していて、その快適な環境が多くのユーザーから支持されてきました。
今回、オーナーズミーティングが開催されたので、ユーザーの快適なキャンピングカーライフを拝見してきました。みなさん、暑い中、心地よさそうに過ごしていました。
目次
電源設備のないイベント会場でエアコンを稼働させるキャンピングカー
日本特種ボディーのオーナーズミーティングが開催されたのは、栃木県矢板市にある58ロハスクラブ。元ゴルフコースだった場所に、さまざまな施設を作った複合施設です。特に広々としたドッグランが人気で、たくさんのペットオーナーが集まってくる場所です。
年に1度、ナイトマルシェと称して、たくさんの出店者が集まり、夜遅くまでマルシェが開催される日があります。その日に日本特種ボディーのオーナーが集まりました。鮮やかな芝生が広がる場所にクルマが並べられています。しかし、電源設備はありません。みなさんの車内はどのようになっているのでしょうか。
ワンちゃんのために購入したキャンピングカー
最初のオーナーは初代のサクラに乗る高山さん。震災などでペットの避難場所などが話題になっている事を知り、対策を考えていたそうです。さらに、ペットとの長距離移動を考えてたので、気になっていたキャンピングカーを導入することにしたそうです。
「雑誌広告で日本特種ボディー(以降NTB)を知り、キャンピングカーを見にいきました。エアコンが必須と考えていたので、バッテリーをたくさん載せることを考えていました。すると、当時では珍しく190Ahのバッテリーを4つ積み込むことができるということで購入を決めました」
他のメーカーとも相談したところ、サブバッテリーは3つまでしか搭載できないところがほとんどだったそうです。ペットもいるので、なるべくバッテリーを大きくしたかったようです。
最初に搭載したのは小型の車載用クーラーでした。それを今では家庭用エアコンに変えて、快適な環境を保っています。夏場はエアコンがあるので、このサクラが普段の足となって活躍しているそうです。
室内レイアウトに関しても、当時はアレンジの幅が広く、バンクベッドの構造などを変更しています。標準であれば、ベッドマットの後方が折れて立ち上がる仕様ですが、ベッド全体を跳ね上げることができるようになっています。このおかげで、室内が広くなり、ベッドのセッティングもあっという間にできるようになりました。
ペットの移動のために、リビングエリアのシート部分にマットが追加されています。前後のシートをスムーズに行き来できるようになっていました。ペットファーストの環境はシートレイアウトも変更していたのです。
当初、鉛バッテリーを搭載していましたが、自身でリチウムイオンバッテリーに交換したそうです。シート下のスペースを使って21kWの容量を組み込みました。このサイズであれば、家庭用エアコンが丸2日間使えるとのこと。一緒に旅するワンちゃんたちも快適そうです。
高山さんは「空飛ぶわんこ」のカメラマンとして全国を飛び回っている写真家。ペット2匹、そして、この快適な環境と一緒に移動しています。長距離の移動も多いのですが、風の影響も少なく、ドライビングでもストレスを感じることはないようです。
初代サクラからアサカゼへ!オフィシャルリチウムイオンバッテリー搭載
初代サクラからアサカゼに乗り換えた三浦さん。最初のキャンピングカーを探した時、鉛バッテリーが4つ載せられることから、NTBをセレクトしたといいます。最初は大容量のバッテリーがNTBのキャンピングカーに乗るきっかけでしたが、2代目もNTBを選ぶことに。
「最初はエアコンが使えるキャンピングカーを探していて、サクラに乗ることになりましたが、もう少し広いキャンピングカーが欲しくなり、ワイドトレッドのアサカゼに乗り換えることにしました。乗り心地も最高に素晴らしくて、地面からの突き上げの少なさに驚きました。もう他のクルマに乗り換えることは考えられません」
リアに家庭用エアコンを設置していますが、上写真の右側の上部に切り欠きを作って、エアコンの風がフロント側に流れるように工夫してあります。これもNTBのカスタムだそうです。
納車が2020年で、すでに6万キロ乗っているそうです。旅行用に使っているのに、走行距離は伸びています。排気ブレーキも搭載されているので、運転していて安心感があるといいます。安定した走りで、安全性も高いのがお気に入りのポイントに。クーラーの効いた車内では、広々としたスペースでみんながくつろいでいる様子でした。
家庭用エアコンに加えて、家庭用冷蔵庫も搭載しているのが三浦さんのクルマの特徴です。大きな冷蔵庫が欲しくて、NTBに相談したところ、このサイズの冷蔵庫を取り付けてくれたそうです。冷蔵庫に合わせて、家具も新設計されていて、上の写真にある、エアコンの空気の流れを作ることができました。
リチウムイオンバッテリーはNTBに取り付けてもらったそうです。容量は800Ah。2017年に発注した時、まだ、リチウムイオンバッテリーを搭載することが一般的ではなかったのですが、三浦さんのクルマをきっかけに、NTBでもリチウムイオンバッテリーを最初から搭載できるようになったそうです。オフィシャルの仕様といえるでしょう。
冬場であれば、冷蔵庫をつけっぱなしでも1週間は余裕で稼働しているそうです。ソーラーパネルと合わせて利用することで、大容量の電気が使えるようになっています。エアコンもしっかりと使えるので、広い車内も常に快適な状態に保たれているようです。
再びキャンピングカーを楽しませてくれたNTBの安全性
松島さんはサクラからサクラ2に乗り換えたオーナーさんです。昔からキャンピングカーに乗っていて、一時期は離れていたそうですが、ペットとの旅行のために、再びNTBのキャンピングカーに乗ったといいます。
「最初は小さな子供たちと一緒に旅行へ行くために、キャンピングカーに乗り始めました。最初はキャブコンでしたが、子供たちが中学生になると、夫婦二人での利用が増えてバンコンに。そして、ペットを飼うようになって、キャブコンへ、とキャンピングカーを乗り継いできました」
しかし、キャブコンの時にバーストを経験して、クルマが横転。その経験がトラウマとなってしまい、キャンピングカーから離れていた時期もあったそうです。しかし、ペットとの旅行など、楽しい思い出が後押しとなって、再びキャンピングカーに乗ることになったといいます。
キャンピングカーショーでリアダブルタイヤのサクラをみて、安全性の高さからNTBを選んだといいます。最初のクルマは色々とクルマの仕様をカスタマイズして、自分仕様のクルマに作り上げていました。そして、サクラ2の登場を知って、乗り換えることになりました。
以前のような大幅なカスタマイズは行いませんでしたが、長年、キャンピングカーに乗ってきた経験から、細かい個所の仕様変更をお願いしているようです。その1つがエアコンの収納スタイル。エアコン前面に大開口の扉を取り付け、メンテナンスをしやすくしています。
リアのベッドルームにヒーターの吹き出しを設置してもらったので、冬はとても暖かいそうです。足元が温められるので、とても快適だといいます。これまで乗ってきた数々のキャンピングカーで経験したことを元に、細かいオーダーがされているようです。
さらにマルチルームを広くしてもらい、水を使わないトイレのラップポンを設置しました。マルチルームを広くしたことで、車内レイアウト全体に微妙な仕様変更が行われることになり、全体的に設計を変更。実は手間のかかるカスタマイズなのですが、NTBはしっかりと要望に応えてくれたそうです。
リビングエリアの広さはそのままで、今ではこのお座敷スタイルでテレビを見ることが多いそうです。このくつろぎスタイルが定番になっていて、キャンピングカーベテランの雰囲気を感じます。
現在は夫婦二人旅に使っているキャンピングカー。フロント側には以前一緒に旅行したペットたちの写真が飾られていました。今でもその楽しい思い出が車内に溢れています。
オーナーズミーティングではペットと一緒に旅行している人の姿も多く、みんなが口を揃えて言うことは「エアコンが必須だった」とのことです。また、現代の夏の環境からしてみても、オフグリッドの環境下であっても、しっかりとエアコンの効く空間、避難用シェルターとしてのキャンピングカーが必要になってくるかもしれません。そんな、機能性を求める人にとってNTBのキャンピングカーは魅力的に感じることでしょう。