
24000人弱の来場者が訪れたジャパンキャンピングカーショー2022が2月10〜14日に幕張メッセで開催されました。
来場者のお目当ては、新しいキャンピングカーを体感すること。そんな来場者の期待に答えたのは数々のニューモデルでした。
今回のショーで軽キャンパーの勢いを感じたのは私だけでしょうか。ハイゼットのニューモデル登場などのトピックもあり、さらに、コンパクトなキャンピングカーで自分らしいライフスタイルを手に入れたいと思う人が増えたのかもしれません。
そこで、会場で見つけた気になる軽キャンパーを紹介してみたいと思います。
目次
シンプルで自分スタイルをカスタマイズするルートシックス・ウォームス

コンパクトな軽キャンパーはその機能性を割り切って、設備をシンプルにしたモデルが多いのも特徴です。
シンプルとはいっても、車内でしっかり寝られて、照明がついているので、手軽にキャンピングカー体験ができます。このクラスから車中泊をスタートさせる人も多く、人気のエントリークラスといえるでしょう。
そんなシンプルなキャンピングカーにウッドの優しい家具を装備したのがルートシックスのウォームスです。

ウッドとアイアンを使った収納スペースなど、温かみのある家具が装備されています。標準装備はサブバッテリーと外部電源、家具程度。
自分でカスタマイズする余白があるので、お好みのアイテムを追加していって、作る楽しみも体験できそうです。

リアサイドキャビネットには標準装備の電子レンジがセットされています。リチウムイオンバッテリーのオプションパッケージとインバーターなどを組み込めば、外部電源がなくても、電子レンジが利用できるようになります。
ルートシックス Warmth ウォームス諸元
- 車両本体価格
- 2,295,700円
- 乗車定員/就寝定員
- 4人/2人
- ベース車両
- エブリイJOIN
- サイズ
- 3395㎜×1475㎜×1895㎜
木に囲まれた山小屋風軽キャパーのニューモデル三島ダイハツ・クオッカワナビー

ハイゼットトラックのパネルバンをベースに、木をふんだんに使った軽キャンパーとして話題の三島ダイハツ・クオッカにニュータイプのワナビーが登場しました。

室内は木に覆われたクオッカらしい雰囲気。木の香りが充満していて、中にいるだけでリラックスできます。
座面を低くすることで、室内高が高くなり、広い空間を作り出しました。床の家具を積み木のように積むことでシートになったり、フラットに並べてベッドにすることができます。

室内の前方にはクーラーまで装備されていました。バッテリーからの電気ロスが少ないDC12Vクーラーです。室内機と室外機が分離したタイプで、しっかりと冷やしてくれる性能があります。

クーラーの室外機はボディの下に設置。写真はミラーでクルマの下を写しているのですが、ドライブシャフトの上に取り付けられているのが分かります。
軽自動車ではセパレートタイプのクーラーを搭載するのが難しかったのですが、パネルバンというクルマの特徴を活かして、この床下スペースが有効活用され、室外機装備ができるようになりました。
三島ダイハツ クオッカワナビー諸元
- 車両本体価格
- 2,898,500円〜
- 乗車定員/就寝定員
- 2人/1人
- ベース車両
- ハイゼットトラック
- サイズ
- 3395㎜×1470㎜×1940㎜
装備が充実した軽キャンパーを広くした東和モータース販売・クライン108ポップ

東和モータース販売が軽自動車専門店をスタートさせたのを機に本格的に自社開発された軽キャンパーがクラインです。その後、バリエーション展開され、ポップアップモデルが登場しました

サブバッテリー、照明、走行充電など、キャンピングカー仕様として十分な装備がありながら、車両本体価格2,926,000円〜というパッケージです。

モデルの最大の特徴がこのポップアップルーフ。ポップアップ部分を居住スペースとして利用するのもいいですが、リビングレイアウトの時に高さを確保するスペースとしても有効です。上部に抜ける空間があると、ゆったりとくつろぐことができます。
リビングでは軽自動車でありながら、大人4名の対面対座レイアウトができます。リアの背もたれ部分は、カウンタートップの板に立てかけるだけで簡単にセッティングできるようになっていました。
東和モータース販売 クライン108 Pop諸元
- 車両本体価格
- 2,926,000円〜
- 乗車定員/就寝定員
- 4人/4人
- ベース車両
- 日産・クリッパー
- サイズ
- 3390㎜×1470㎜×1890㎜
ニューハイゼットに注目!メティオ・ラクネルバンツアーアトレーver.

新しくなったハイゼットも会場では話題だったようです。メティオのブースではワゴンタイプをベースにしたラクネルバンツアーアトレーverが展示されていました。
ハイゼットのニューモデルでは、エクステリアデザインの変更が印象的ですが、室内空間が広く利用できるようになったのもポイントです。そのスペースをしっかりと活用しているのがメティオのシステム。

メティオの軽キャンパーは強靭なフレーム構造がベースになっていて、ベッド展開してもガッチリとマットを支え、安定感のある就寝スペースを提供してくれます。
このフレームをベースとして、クルマのボディに穴を開けることなく、テーブルやソファーの展開ができるようになっているのです。
フレーム下は収納スペースとしても利用でき、クルマ本来の収納力を存分に発揮してくれることでしょう。

サブバッテリーと冷蔵庫が標準装備されていました。サイドカウンターに組み込まれた冷蔵庫はリビングからも使いやすい位置。
走行充電、ソーラーパネル充電でその効果を発揮する、高性能走行充電器CTEKを搭載して、サブバッテリーもしっかりと充電されるようにシステムが組み込まれているのです。
メティオ ラクネルバンツアーアトレーver.諸元
- 車両本体価格
- 3,173,500円〜
- 乗車定員/就寝定員
- 4人/2人
- ベース車両
- アトレーRS 4WD CVT
- サイズ
- 3395㎜×1475㎜×1890㎜
右サイドに超ロングカウンターを設置した岡モータース・ミニチュアクルーズCOZY

最新デジタルCNCルーターで加工した、高強度の組み家具が特徴的なミニチュアクルーズにニューモデルが追加されました。

運転席後部からリアゲートまでつながる大きなカウンタートップがアインコンとなっているCOZYです。このレイアウトから乗車定員は3名となっていますが、使いやすく、上質な空間が完成していました。
この大きなカウンターはオプションを追加することで、2段ベッド上段としても利用できるようになっています。
リアには、後方に伸びるスライドラックが取り付けられ、冷蔵庫やコンロなどを収納するのに便利な仕様となっています。
セカンドシート、リアマットを使うことで、対面対座のリビングが完成。大人2人旅であっても、優雅な時間を過ごすことができるでしょう。

カウンターにはいろいろな機能性が隠れていて、シンク、冷蔵庫などはもちろんのこと、電子レンジなども組み込めるようになっているのです。
リビングテーブルはカウンターから逆サイドのキャビネットに渡す形でセッティンされ、テーブル脚がなく、足元も広々。細かい設計の変更を繰り返して、有効なスペース活用に挑戦しているのが分かります。
岡モータース ミンチチュアクルーズCOZY諸元
- 車両本体価格
- 3,272,500円〜
- 乗車定員/就寝定員
- 3人/2人
- ベース車両
- エブリイJOIN
- サイズ
- 3395㎜×1475㎜×1895㎜
世界初、湿度をコントロールするL.T.CAMPERS・K-RV SIRICA

キャンピングカーは室内で生活することを前提に作られています。でも、ベース車両は人や物を運ぶためのクルマなので、必ずしも快適とはいえないのが現状。
そこで、軽キャンパーの室内環境を新しい観点から見直したキャンピングカーが、このL.T.CAMPERS・K-RV SIRICAです。

室内インテリアはシンプル。クルマに最初から付いているサービスホールというネジ穴を使って、家具を止めています。バッテリーもポータブル電源を接続することを前提に、割り切った仕様となっているのが特徴です。
このモデルはL.T.CAMPERSが開発し、車両の販売は販売店が行うことになるそうです。もしかしたら、いろいろな場所で購入できるようになるかもしれません。

このシンプルなインテリアの中に、どのような世界初となる快適装備が隠されているのでしょうか。
実はL.T.CAMPERSは住宅事業も行っていて、住宅で培った技術を軽キャンパーに投入してきたのです。それが、シリカシートと呼ばれるもの。
乾燥剤などで見かけるシリカゲルの粒々をシート状にすることに成功して、製品化しました。
このシリカシート、ベッドマット1枚分(上写真)の大きさで200ccの水を吸収します。人が一晩でかく汗の量200〜300ccとほぼ同じ。このシートを2枚組み込んでいるので、大人2人が寝ても湿度をコントロールするという仕組みです。
同時に脱臭効果もあり、室内の空気はいつも快適な状態を保ってくれることになるのです。
新しいレイアウトが登場したり、軽キャンパーの世界はまだまだ進化していきそうです。今後も、新しいモデルが登場することを期待して、軽キャンパーに注目してみたいと思います。