「キャンピングカーに乗りたい!」とは言いつつ、なかなか現実では難しい、と思っている人も多いはず。でも、キャンピングカーが普段の変わらない生活領域まで、グッと迫ってきているのを知っていますか。あれっ、こんなに簡単に乗れるの? と感じるかもしれません。
そんな生活がジワジワと広がっているのが、神奈川の湘南エリア。2トーンカラーのおしゃれなタウンエースが、海岸線の国道134を流して走る姿をよく見かけます。
カスタムした姿に目が奪われますが、実はこのクルマ、トヨタモビリティ神奈川のオリジナルモデルキャンパー アルトピアーノというクルマ。タウンエースをスマートに乗りこなすお手本のようなスタイルで注目されています。
タウンエースがマイナーチェンジしたことで、アルトピアーノのスタイリング、安全性能なども変りました。その新生アルトピアーノを詳しくみていきたいと思います。
目次
タウンエースをマイナーチェンジして安全装備を充実
マイナーチェンジで大きく変わったのは、安全装備です。フロントウインドーの上部にセンサーが装備され、安全機能スマートアシストが取り付けられました。
前方のクルマへの衝突や、突然の飛び出しにも対応する、衝突警報や衝突回避支援ブレーキ。眠気や脇見で、フラフラと車線をまたいでしまった時などに注意喚起する、車線逸脱警報など、安全対策が強化されています。
また、慌てている時にやってしまう、ブレーキとアクセルの踏み間違いにも対応。センサーで前後の障害物を確認して、危険を回避してくれるそうです。
キャンピングカーの場合、長距離運転をすることも多く、人の多い街中を進むこともあるので、安全装置があると安心です。これまでは、キャンピングカーのベース車両に安全装置がついていることが少なかったので、アルトピアーノは魅力的な存在となりました。
ヘッドライトが変わりアルトピアーノの表情に変化が
タウンエースのマイナーチェンジでは外観も変わったので、アルトピアーノもシュッとした雰囲気になりました。そのアクセントになっているのが、フロントライトのスマートさ。さらにバンパー下のエッジが強調され、先代モデルよりも、シャープな印象です。
横から見ると、ヘッドライト部分のシャープな造形がよくわかります。ヘッドライトにつながるようなボディーラインが後方に流れ、シンプルなボクシースタイルにアクティブな印象を与えています。
タウンエースはもともと、車格のわりにホイールベースが長いのが特徴です。フロントタイヤは前方ギリギリに位置していて、ドライバーの足元や後部の荷室が、見た目のサイズ以上に広いので、キャンパー仕様にするには、ちょうどいいクルマとなるのです。
タウンエース+車中泊+カスタム=アルトピアーノ
インテリアはマイナーチェンジによる大きな変更はありませんでした。強いて言うなら、運転席&助手席の後ろに荷室を分けるバーが固定式になったことぐらいです。セカンドシートはレボシートと呼ばれる、キャンピングカーでよく利用されるシートが付いています。
そのレボシートをトランスフォームして、後ろ向きに展開すると、リビングスタイルのレイアウトになりました。後方のベンチに腰掛ければ、対面でも座れるようになっています。このボディサイズでありながら、広く感じるのは、荷室に余裕があるからでしょう。
展開は簡単なので、普段のお買い物に出かけた時など、ちょっと車内で休憩もOKです。いつでも、このスペースを利用できるのは、ちょっと、ぜいたくかもしれません。
さらにレボシートをフラットにすると、ベッド展開できるようになります。長さは2mちょっと。大人2人でも十分な広さです。子供と一緒なら2+1人という使い方も可能です。
オーナーのなかにはDIYで横向き2段ベッドを作った人もいるそうです。まだ、小さな子供であれば、横向きに寝られるので、上に子供、下で大人が寝られるのです。ヤングファミリーであれば挑戦してみたいDIYかもしれません。
写真左のサイドウインドー上部についているのはオプションのベンチレーションです。これがあれば、室内に溜まった暑い空気を吸い出してくれるので、夏場は快適になるという優れものです。
キャンパーアルトピアーノはインテリアがキモ
普通のクルマのように座れて、いざとなったら、リビング、ベッドに展開できるのが、アルトピアーノの特徴です。そのスムーズな展開のおかげで、普段使いとキャンパー利用のボーダーレス化を実現した!モデルといってもいいのではないでしょうか。
ではその細部を見てみましょう。キャンパー仕様になっていると、荷物を載せる場所が少なくなってしまうのでは? と心配してしまいますが、アルトピアーノはガッチリとした基本フレームがシンプルなので、スペースは多いといえます。
サードベンチの下は広々とした荷室として使え、長尺物も仕舞い込めます。両サイドのキャビネット部分にもスペースがあって、小物をしまっておくのに便利です。
キャビネットにキャンパーで使うアイテムを収納して、椅子の下などを普段の買い物の荷室として使えば、その日の気分で、お買い物、キャンプ、どちらにも使えるようになります。そんな選択肢の多いライフスタイルは楽しいに決まってます。
両サイドのキャビネット上部とリアの棚の高さが統一されているので、室内に広々とした棚のスペースを確保しました。車内で過ごしている時、この棚が大切な存在となるのは、使ってみて感じることかもしれません。
飲み物を置いておいたり、スマホ、時計、財布など、後で探したくないアイテムを置いておくのにも便利なのです。一度使ってしまうと、ない時に不便を感じてしまいます。
シート生地はざっくりとした素材で編み込まれていて、肌触りも抜群です。夏場はサラッとした感覚で、冬場は温かみのある表情を見せてくれます。このような細部のセレクトが、クルマのちょうどいい感覚をさらにパワーアップしているようです。
車中泊キットのようなカスタムが可能
キャンパーとして使うなら、電気は常備しておきたいところ。アルトピアーノでは基本電源ユニットとしてオプション設定されていて、走行充電、AC100V500W出力、USB&12V出力、LEDライトが付いてきます。
走っていれば電気が溜まっていくので、普段使いする人であれば、いつでも電気が使える状態です。これで、停電になっても、クルマに逃げ込めば、スマホの充電を気にすることもありません。
基本電源ユニットをオプションで頼むと、天井にLEDライトが付きます、ライトなんていらないよ、という人もいるかもしれませんが、ライトがあると室内の快適指数が一気に上昇します。夜は気分も上がり、室内で過ごすのが楽しくなることでしょう。
シャワー付きのシンクはオプションで取り付けられます。リアゲートの外までシャワーヘッドが伸びるので、海水浴などで使うには便利です。シンクはコンパクトですが、歯磨きをしたり、余った飲み物を流したり、便利に使えます。
基本構造体はこのアルミフレームです。棚部分はねじを緩めると、簡単に取り外しできます。DIYをするように、自分好みのアレンジも可能になるのです。
ディーラー発のカスタムキャンパー
さて、ここまで機能性などを追ってきましたが、驚くべきことは、なんといっても、このクルマがトヨタの販売店で購入できることです。
そろそろ、クルマの乗り換えかな、とディーラーに足を運んで、カタログのなかから、このクルマを選べるのです。
もちろん、クルマのメンテナンスも、クオリティも、すべてディーラー基準。だから、安心して乗り続けられることが、大きなポイントとなります。
ディーラーがでアルトピアーノのようなクルマを販売してくれると、セダン、ミニバン、などのカテゴリーを選ぶように、キャンピングカーが選択肢に入ってくるのではないでしょうか。
アルトピアーノに関しては、税込273.8万円〜なので、お値段も、他のクルマと肩を並べています。
これなら、イメージでキャンピングカーを敬遠していた人も、クルマの形を選ぶように、アルトピアーノというキャンパーをチョイスするかもしれません。
やはり、ディーラーがキャンパーを販売する功績は大きいと言えます。
ライフスタイルを提案するアルトピアーノ横須賀の存在
それでは、アルトピアーノを見に行こう!と思ったなら、おすすめしたいのがアルトピアーノのフラッグシップショップアルトピアーノ横須賀です。
こちらはトヨタモビリティ神奈川の店舗なのですが、クルマの販売店のイメージではありません。アウトドアのセレクトショップといったところ。店内にはアウトドアグッズがずらり並んでいます。
でも心配は要りません。クルマは店舗の前にしっかりと展示しています。もちろん、試乗もできるようになっているそうです。最初は戸惑うかもしれませんが、こちらはトヨタモビリティ神奈川。ちゃんとクルマも販売しているのです。
店内にあふれるアウトドアグッズ、そして、お店の前にあるキャンパー仕様のクルマ。不思議な空間に感じる人がいるかもしれませんが、まさに、これがアルトピアーノのコンセプトです。
アルトピアーノでは、オーナー向けにコテージを展開もしていて、その体験を提供しています。そんなブランドの姿勢を見ていると、このアルトピアーノ横須賀は、クルマを売っているのではなく、ライフスタイルを提供しているのでは、と感じることでしょう。
まずは、アルトピアーノという世界観を感じることで、気軽にキャンパースタイルを手に入れる近道が見えてきそうですね。
キャンパー アルトピアーノ諸元
- ベース車両
- トヨタタウンエースバン
- エンジン
- 1,496L(ガソリン)
- 車体サイズ
- 全長4,065mm/全幅1,665mm/全高1,930mm
- 定員
- 乗車定員5名/就寝定員2名
- 価格
- ¥2,489,091(¥2,738,000 税込)~