トイファクトリーがフィアットデュカトの乗り心地を本気で変えて新しい走りを提供する

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トイファクトリーがフィアットデュカトの乗り心地を本気で変えて新しい走りを提供する

キャンピングカーのベース車両として、グローバルに展開しているのがフィアットデュカトです。バンコンからキャブコンまで、世界各国でフィアットデュカトベースのクルマが開発され、地球上のあらゆる地域で活躍している、と言ってもいいでしょう。

フィアットデュカトは荷物を運ぶクルマとして設計されていて、大きな荷室にたくさんの荷物を積み込んで、縦横無尽に走り回ることを想定しています。

キャンピングカー設備を架装しても、重さには強いクルマなので、走行安定性は、ある程度のレベルに達しています。しかし、乗り心地という観点でみてみると、また、違った見解も聞かれます。

元々の足回りをそのまま使った、フィアットデュカトベースのキャンピングカーのなかには、走りに硬さ、簡単にいうとコツコツした感覚があるモデルも少なからず存在しているのです。

その原因は何か?そして、どのように対処すればいいのか?そんな疑問とともに、フィアットデュカトの乗り心地を本気で改善するため、パーツ開発に挑んだのがトイファクトリーでした。

フィアットデュカトの乗り心地が悪くなる原因

ハンドル

トイファクトリーではユーロトイというディーラーブランドを展開し、フィアットデュカトベースなど様々な輸入車ベースのキャンピングカーを扱っています。欧州の最高級ブランドのライカやエトルスコなどに関しては、現地のメーカー側でデュカトの足回り部分のパーツが大きく変更されていて、構造的に乗り心地を改善されているのが特徴といえます。

しかし、国内では足回り、特に車軸部分のアクスルパーツを交換することは難しいのが現状です。なので、バンとして製造されたフィアットデュカトの素の状態の足回りで、キャンピングカーとしての走行性能に限界が生じてしまうのは、致し方ないのかもしれません。

フィアットデュカトを何も架装しないバンの状態で走らせると、軽快なのはもちろんですが、しっかりとサスペンションの機能が発揮されていることを感じます。もちろん、空荷の状態だと、少し跳ねる感覚もあるのですが、荷物を載せて移動すれば、コーナリングも含めて、極めてスムーズに走行できることに驚かされます。

フィアットデュカトの足回り
トイファクトリーの101システムを組み込んだフィアットデュカトの足回り

改めて、フィアットデュカトの足回りをよく見てみると、フロント側のサスペンション類は一般的なクルマと同じ形状ですが、リアの足回りに特徴を感じられます。車内のフロアが低いので、足回りを構成する機構近くまでフロアが迫っているのです。

その直下にスプリングやダンパーが組み込まれていて、車軸のアクスルとボディの隙間が非常に近くなっています。国産トラックの足回りを覗くと、その違いに気がつくと思います。

サスペンションの働きをするリーフとボディの接合位置の間隔が広く、ダンパーが少し倒れて設置されているのも特徴です。

しかし、この状態で不具合を感じることはありません。バンとしての使用であれば、前出の通り、運転のしやすいクルマです。さすが、世界シェアの大きいロングセラーモデルだけあって、パーツの位置関係に違和感を感じたとしても、最適なポジションを確立しているようです。

では、この足回りをそのまま使って、キャンピングカー架装した場合、どのような不具合が生じるのか、トイファクトリーの陽田さんにうかがいました。

陽田さんは前職で有名サスペンションメーカーに勤めていて、足回りに関してはプロフェッショナル。今回のトイファクトリーのフィアットデュカト足回り改善パーツ開発の中心人物でした。

「キャンピングカー特有の架装重量によって、サスペンションも空荷状態から荷積仕様に変化してしまい、リーフスプリングの乗り心地からバンプラバーの乗り心地に変化してしまいます。そのためにハードな乗り心地になってしまうのです。特にキャンピングカーの場合は、架装により重量が増して、サスペンションの縮み側ストロークが犠牲になってしてしまうのです」とのことでした。

フィアットデュカトの足回りを見てみると、上の写真でも確認できますが、タイヤの内側に赤いパーツが取り付けられているのが分かります。

これはバンプラバーというパーツで、サスペンションが縮んだ時、パーツがボディ側に接触しても、ボディを損傷させない機能を持っています。

バンプラバー自体にも柔軟性があって、ある程度のショックを吸収できるのですが、ボディに伝わる振動はダイレクト感が強くなってしまいます。

本来はパンプラバーの下部に隙間があって、道路のギャップを通過する時などに、時々、隙間がなくなります。バンプラバーが足回りの軸に接触した状態になったら、あとはバンプラバーの柔軟性でカバーします。しかし、この状態が頻繁に起きると、突き上げ感を感じたり、乗り心地の悪さを感じることになるのです。

フィアットデュカトキャンピングカーの乗り心地を改善した方法

足回りパーツ

フィアットデュカトをベース車両とするキャンピングカーの乗り心地が悪くなる原因は、足回りパーツとキャビンとなるボディの位置関係であることが分かりました。キャンピングカーに架装した時の重量増加にともなって、車体全体が下がってくることから、サスペンションとしてのクリアランスが狭くなってしまうのです。

この問題を解決するために、トイファクトリーでは車体姿勢を架装前の状態に保ち、バンプラバー下にクリアランスを確保しようと考えました。そこでコイルオーバー式ショックアブソーバーを新規開発したといいます。
ノーマルのダンパーは筒のみの形状ですが、コイルスプリングを追加し、さらに減衰力の調整機構も設けました。

ノーマルのダンパーは筒のみの形状ですが、スプリングを追加したタイプに変更して、減衰力調整を行なっています。このダンパーを取り付けることで、キャンピングカーに架装した時も、サスペンションの適度なクリアランスを確保できるようになるそうです。

初期段階でクリアランスが確保されていれば、キャンプ道具などの荷物を積み込んだ際も、走行時におけるサスペンションの限界値まで余裕があり、しっかりと地面からの振動を吸収してくれることになるのです。

サスペンション

であれば、バンプラバー下にクリアランスを確保するだけで、キャンピングカーの走行性は高められると考えてしまいますが、単純なことではないようです。重荷重に対して、ばね定数を高めていけば、その荷重を支えることはできますが、しなやかさが失われて、かえって乗り心地が悪化してしまうのです。

そこでトイファクトリーではダンパーやコイル、そして、既存のリーフスプリングとの相性などを加味して、調整を繰り返したそうです。ダンパーは縮む時の力を調整できるのはもちろんのこと、伸びる時の力もチューニングを行なっています。コイルと高性能ダンパー、そして、リーフスプリングとの組み合わせで、しっかりとボディを支えながら、走りにしなやかな感覚を出せるようになりました。

フィアットデュカトの走りのバランスをトータルでコーディネイトする

TOY-FACTORY 101T-SR デュカトハイブリッドサスペンションキット&アジャスタブルリヤスタビライザーセット

トイファクトリーが独自に開発してフィアットデュカト用の足回り強化システムは「TOY-FACTORY 101T-SR デュカトハイブリッドサスペンションキット&アジャスタブルリヤスタビライザーセット」として販売されています。こちらは強化されたダンパーとスタビライザーのセットになります。

リーフスプリングはノーマルを使うことになりました。元々のリーフスプリングとダンパーに装着されているコイルの2つのスプリング性能が合わさることで、ハイブリットで効果を発揮するようにセッティングされているのです。

スタビライザー

青い鉄の棒のような形状をしているスタビライザーというパーツもセットされています。スタビライザーはタイヤの左右の動きをサポートするので、直進性が良くなったり、コーナーリングでのフラつきを軽減してくれます。

クルマに乗っている時に感じる不快感は、突き上げなどによる細かい振動と大きく振られるゆっくりとした揺れが原因です。突き上げをスプリングで、揺れをダンパーで取り除くので、2つのパーツでトータルに調整することは理にかなっているといえるでしょう。

スプリング

セットには取り付け専用金具もついていて、サスペンション効果を効率的に高めてくれます。リアスタビライザーを取り付けただけでも、フロント側の回頭性が向上し、ドライビングがしやすくなるといいます。コーナリングでイメージしたラインをきれいになぞることができるのは、運転が好きな人にとっては、とても心地良い感覚です。

キャンピングカーのなかには、リア側のキャビンが後からついてくるような、アンダーステア気味の感覚がありますが、トイファクトリーのシステムによって、ステアリング通りにボディが動いて、フロントで素直に切り込んでいき、スムーズにコーナーを抜ける感覚を味わえるのです。

日本仕様のフィアットデュカトの可能性を高めるトイファクトリー

フィアット・デュカト

トイファクトリーではユーロトイ相模原を2024年にオープンさせ、本格的に輸入キャンピングカーの販売、メンテナンスを行なっています。フィアットデュカトの正規輸入代理店でもあるので、自社でのキャンピングカー開発も積極的に行なってきました。

トイファクトリーは以前から走りについて追求してきました。ハイエースでの足回りパーツなども独自で開発をしてきて、多くのオーナーからも支持を得ているのです。そのような企業スタンスはベース車がフィアットデュカトになっても同じだったようです。どんなクルマであっても、安心してドライビングできることが大切、と考えているのです。

今回、開発された足回りシステムはトイファクトリーの取り扱いブランド以外のモデルにも対応しているので、フィアットデュカトベースのキャンピングカーに乗っていて、走りに不安を感じている人は、ユーロトイ相模原に相談してみるのもいいでしょう。

TOY-FACTORY 101T-SR デュカトハイブリッドサスペンションキット&アジャスタブルリヤスタビライザーセットには、サスペンションの減衰力調整タイプと固定タイプの2つがあり、スタビライザーもその強さを調整できるようになっています。

調整の幅が広がることで、オーナーの趣向に合わせることもできますが、どちらかというと、いろいろな車両に対応できることの方がメリットが大きいかもしれません。キャンピングカーの設備によって、重量も変わってくるので、クルマごとに調整できることで、多くのオーナーに素晴らしい走りを提供できるようになるのです。

TOY-FACTORY 101T-SR デュカトハイブリッドサスペンションキット&アジャスタブルリヤスタビライザーセット

フィアットデュカト専用パーツは足回り以外にも、強化ブレーキなどもラインアップに加わっています。その他、オプションパーツもたくさんあり、幅広いユーザーをサポートしてくれるトイファクトリーの姿勢を感じます。多くの人に素晴らしいキャンピングカーのドライビングを楽しんでほしい、そんな思いが伝わってくるようです。

ブレーキパットの装着

EURO-TOYオフィシャルサイト

パーツ・アクセサリページにて詳細はご覧ください。
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WRITER PROFILE
渡辺圭史
渡辺圭史(わたなべ・けいし)

1971年東京生まれ。アウトドア好きな編集者、そして、算数が好きだったライター。アウトドア用品メーカー、出版社を経て、キャンピングカー専門誌編集長に。現在はフリーとして、いろいろなメディアにて執筆中。アウトドアをキーワードに、より楽しいライフスタイルを求めてゆるりと奮闘中。最近気になっているワードは、旅、ミニマリスト、車中泊。趣味はコンパクトな旅とモノづくり。

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トイファクトリー:ハイエースキャンピングカー国内シェアNo.1 トイファクトリー:輸入車キャンピングカー専門店 EURO-TOY
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