
キャンピングカーのニューモデルが毎年生まれるように、関連のアイテムもたくさんリリースされています。キャンピングカーライフをより便利にしたり、快適にしてくれるギアや、キャンピングカーの常識を変えてしまうような新技術など、その周辺アイテムたちも興味深いものばかりです。
そこで、今回は2025年に注目されそうなアイテムを紹介します。2月に開催されたジャパンキャンピングカーショーに展示されていたアイテムを中心にピックアップしてみました。これからのシーズンに合わせた気になるアイテムもあるので、チェックしてみてください。
目次
コンパクトな一体型クーラー「CAMCOOL」

フロットモービルのブースで紹介されていた、CAMCOOLが他社のキャンピングカーにも搭載されるようになったようです。コンパクトな一体型のクーラーで、排気をボディ下へ出す効率的な形状。製造しているメーカーはDENSOでクオリティも安心できそうです。
R−134aの冷媒が使われているタイプで、消費電力は300Wという省電力設計。冷却能力は700Wとなっていました。5分間の制限がついたモードでは、820Wの高い冷却能力を発揮することも可能だそうです。

コンパクトなサイズなので、フロットモービルが製造販売するタウンエースベースのシュピーレン(上写真)にも搭載可能です。しかも、リアのキャビネットに収まっていて、室内スペースを有効に使っています。

他社ではレクビィのコット(上写真)にも搭載されていて、こちらはその存在すら分からない状態で組み込まれていました。タウンエースベースのキャンピングカーとの相性がいいのが分かります。
ミニバンにもルーフクーラーを取り付けられるように

バンテック新潟で発表されたのが、ルーフトップクーラーです。バンテック新潟といえば、ミニバンをベースにしたモデルが多いのですが、そんなラインアップへも搭載できるのがこのルーフトップクーラーです。
本格的なクーラーはキャンピングカーのような大きなクルマであったり、スペースを確保できるハイエースなどのクルマのみ、といったイメージがありますが、このシステムを利用すれば、ミニバンでも停車時のクーラーが利用できるようになるのです。

オプションのリチウムイオンバッテリーなどを使って、停車時でもクーラーを稼働させることができるようになりました。ルーフの上部にクーラーのボディーが飛び出す形にはなるのですが、流線型のカバーが取り付けられていて、ボディ同色に塗装可能。
塗装してしまえば、それほど目立たないので、ミニバンのデザインを変えたくないオーナーにも人気が出そうです。
ポータブルクーラー専用BOXで冷却効果UP

車中泊のクーラーではポータブルクーラーが活用されるシーンもあります。大掛かりな設置作業も必要なく、手軽にクーラー設備を確保できるのが人気です。しかし、コンパクトなボディに本格的なクーラー設備を詰め込むと、運転時にクーラー本体の温度が上がることが懸念されていました。しっかりと排気ダクトを使って、本体の熱を排出して冷却できればいいのですが、クルマに設置する時、アタッチメントなどが必要になってきます。
そんな悩みを解決したのが、バンショップミカミのブースにあった、軽自動車で牽引できるコロ。このコロのオプションとして登場したのが、ポータブルクーラー専用のBOXです。
コロはコンパクトなキャンピングトレーラーです。そのコンパクトなボディサイズを活かすためにも、クーラーは小さなタイプを選びたいものです。そこで、ポータブルクーラーを利用して、トレーラーの内部を冷却してしまおう、という発想が生まれたようです。フロント側に専用BOXが設けられていて、ポータブルクーラーを簡単にセットできるようになっています。

壁に穴を開けただけでは、断熱効果も落ちてしまうので、しっかりとFRPで整形されていて、使わない時は閉じて、断熱効果も発揮できるようになっています。ジムニーでも牽引できるということもあり、ボックスを外から見ると、4WD車両のオーバーフェンダーのようなシルエットになっているのもポイント。細かいデザインのこだわりがみられます。
気軽にサイドオーニングを取り付けられる「DOMETIC Revo Zip 200」

夏場のキャンピングカー利用は、クーラーに頼るばかりではありません。オーニングでしっかりと太陽光を遮ることも、暑さ対策として効果があります。しかし、オーニングの取り付けはボディ加工があって面倒なイメージ。そんな時、このRevo Zip 200を使えば、簡単にオーニングをクルマに取り付けられるようになるようです。
オーニングをボディに固定しているのは、Cレールです。一般的なオーニングの外側にある溝のようなレールと同じです。そのCレールをルーフキャリアのサイドに取り付けるだけ。このレールは簡単に設置できるので、一般的なオーニングを取り付ける作業よりも簡単。オーニングの固定は、Cレールへオーニング側のケダーベルトを通して固定するだけです。

展開方法は、SUV専用などの軽量オーニングと同じように、本体のチャックを開けて、ロールアップされたテント生地を中から取り出して、骨組みを組み立てます。慣れれば、すぐに展開が可能で、軽量なので作業もしやすいです。
骨組みもしっかりとしていて、重量は約8kg。耐候性、色落ち防止、傷防止コーティングがされているそうです。

このようなバッグ型のオーニングはこれまでにもありましたが、Cレールを使ったタイプは珍しいのでは。2025年2月の時点で参考出展だったのですが、ぜひ国内でも販売してほしいモデルです。
トラックキャンパーのムーブメントが起こるかもしれない「AEROKLAS」

海外ではピックアップトラックの荷台にシェルを載せ、1つの部屋を作って、ラゲッジスペースとしたり、時にはベッドスペースとして利用する人がいます。トラックキャンパーとして、ピックアップトラックキャンプをする人もいるほど。ピックアップトラックの種類も豊富なこともあって、専門店に行けば、ピックアップトラック用のカバーがたくさん並んでいます。

そんな、海外のスタイルが国内でも浸透するのではと感じたのがこのAEROKLASのキャノピーイノーバ。ジェームス・バロウドなどのルーフトップテントを扱っているコイズミが販売することになったそうです。
しっかりとしたFRP製で、天井の高さもあるのでたくさんの荷物を積み込め、風雨から守ります.もちろん、中で寝ることも余裕です。手軽にピックアップトラックの荷台を活用できるアイテムとして注目されるのではないでしょうか。
電気で温めるヒーター「エバスペッヒャーE-エアトロニック」

さて、今度は夏の暑さではなく、冬の寒さ対策としてリリースされていた電気式のヒーターです。実は昨年もモックアップが展示されていたのですが、今年はしっかりと暖かい風を出して、稼働していました。おそらく、会場の電気を使っての稼働なので、100Vで動くタイプになっていると思われます。
自動車の電気式ヒーターはヨーロッパでは必須のアイテムとなりつつあります。それは、内燃機エンジンの車が生産停止になるかもしれないからです。その対策として、EV車両でも利用できるヒーターの開発が急がれています。

EVは300Vなどの高い電圧で運用されていることが多く、この高電圧でのヒーターやクーラーはすでにパーツとして存在しています。しかし、そのヒーターなどをそのまま、国内のキャンピングカーに流用することは難しく、電圧降下をどのように解決するか、さらにはコストをどうやって下げるかなど、問題も山積みです。
しかしながら、展示されていたサンプルでは、横から見てもこれだけコンパクトに仕上げられているので、早く製品として流通することを期待したいアイテムといえるでしょう。
ウォーターレスのフィルム式トイレが多数ラインアップ

水を使わず、使用後はフィルムでパッケージされるトイレが急速に普及している感があります。その需要の拡大もあってか、ウォーターレストイレクレサナだけのブースがジャパンキャンピングカーショーにも現れていました。

その仕組みから、使い方まで、しっかりと分かる展示内容で、たくさんの人が足を停めています。クレサナは自宅にあるトイレと同じような形状なので、キャンピングカーの中でも違和感なく使用できるのがポイントです。しかも、既存のカセットトイレからのコンバートも可能ということもあって、来場者のなかにはリフォームを考えている人もいました。

フィルム式トイレとして以前から浸透しているラップポンにもニュータイプが登場していました。収納時はコンパクトに、使用時は使いやすい高さをキープできるモデルです。こちらは、マルチルームに置くだけの簡単セッティング。クレサナとは少し違う用途で活躍しそうです。
キャンピングカーのニューアイテムがいろいろありました。すべてがすぐに国内販売されるモデルではありませんが、新しいキャンピングカーの定番となる可能性もあります。車両だけでなく、キャンピングカー関連アイテムから未来のキャンピングカーを予測するのも楽しいものです。