約18万人!が来場したオートサロン2023でキャンピングカーを発見

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約18万人!が来場したオートサロン2023でキャンピングカーを発見

新年最初のクルマイベントといえば東京オートサロン。2023年も1月13〜15日の日程で開催されました。カスタムされたクルマが大集結するイベントで、東京モーターショーを凌ぐほどの盛況ぶりです。3日間の入場者は、なんと、のべ約18万人弱。

会場の幕張メッセにはたくさんのカスタマイズされたクルマが並び、そのなかにはキャンピングカーの姿も。ジャパンキャンピングカーショー直前ということもあり、カスタムの祭典のイベント会場で、キャンピングカーがどのような存在だったのか気になります。

そこで、約18万人に紛れ込んで、会場へと向かいました!

カメラで撮影する姿も。キャンピングカーがオートサロンのコンテンツに

セルスター工業のブース

会場を歩いていると、キャンピングカーのようなクルマをたくさん見かけます。ショーの基本コンセプトの1つとして、カスタマイズが大前提となりますが、そのトレンドがアウトドアや車中泊に向けられている様にも感じました。

ドライブレコーダーなどで有名なセルスター工業のブースにはトイファクトリーのバーデンが展示車両として使われていました。

電源製品「C5C」シリーズ

セルスター工業ではアウトドア関連の電源製品C5Cシリーズを展開することになり、そのコンセプトにあったキャンピングカーが利用されていたようです。ショーでの演出にキャンピングカーの存在が大きくなっているのかもしれません。

スマイルファクトリーのルアナ

キャンピングカービルダーもブースを展開しています。会場のカスタムカーに溶け込むように展示されていたのは、スマイルファクトリーのルアナ。スズキエブリイをベースに横開きポップアップを搭載したモデルです。

ワーゲンバスのようなルーフの開き方で、2トーンカラーが可愛らしく、たくさんの来場者がカメラを向けていました。

ルアナの車内

車内はキャンピングカービルダーらしく、しっかりとした設備が整っています。サブバッテリーには安全性・耐久性の高いリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを採用。ルーフをあげることで、車内高は2.1mとなり、大人でも立てるほどのスペースが確保できます。

スマイルファクトリーは足回りのチューニングも得意。このルアナにもオリジナルエアサスペンションが組み込まれていて、安定した走りを追求した軽キャンピングカーでした。

オートワンの給電くん

新型車のスズキスペーシアベースを使ったキャンピングカーも展示されていました。これはオートワンの給電くん。新しいベースが人気モデルのラインアップに加わったのです。しかも、新車ということで、オートサロンが初お披露目。

ジャパンキャンピングカーショー直前のオートサロンに向けて、キャンピングカーのニューモデルを作ってきたそうです。この流れは他のメーカーでも見られるようになる可能性があるので、毎年、オートサロンにも注目しなければならなくなるかもしれません。

給電くんの車内レイアウト

スズキスペーシアベースはクルマのいろいろな使い方を想定して、メーカーが最初から車内レイアウトなどを考えたモデル。ホンダでいえば、N-VANの様な存在です。その大きな特徴がリアのマルチボード。

ボードの高さを変えることで、テーブルやベッド、仕切りに使うことができます。でも、フルフラットの時にシートの凹凸があったり、そのままでは使いにくいのがネックです。そこで、オートワンの給電くんの設備を搭載しながら、快適に寝られる環境を作り上げたのがこのクルマでした。

オートサロンに出展する自動車メーカーがキャンピングカーを作る

ダイハツのATRAI WILD RANGER

クルマのショーで大きなブースを展開しているのは、もちろん自動車メーカーです。以前であれば、東京モーターショーなどで、クルマのスペックを競っていたのですが、最近の傾向では、クルマの楽しみ方を提案する展示になってきました。

特にオートサロンなどでは、クルマをカスタマイズして、クルマの楽しさを伝えられることから、自動車メーカーの本気度も年々ヒートアップしている様にも感じます。

ダイハツにはおもいっきりキャンピングカー仕様のモデルが展示されていました。これはATRAI WILD RANGERという名前が付けられたコンセプトモデル。

ダイハツアトレーをベースにレンジャー車両をイメージしていて、サイドのパネル下には傷防止の加工が施されていました。

ATRAI WILD RANGERの車内

ルーフが高くなっているので、車内が広いのかと思いきや、普通のアトレーと同じ室内空間でした。実はこの上に乗っている部分はボートで、脱着式になっているとのこと。よく見るとオールが装着されていました。まさにレンジャーといった雰囲気です。

レクサスのプラグインハイブリッドモデル「RX450h+」キャンプ仕様

アウトドアであってもおしゃれなクルマに乗りたい、というユーザーも多いはず。そんな要望に応えるようなコンセプトモデルを展示していたのが、オートサロンとつながった会場で開催されていた東京アウトドアショーのレクサスブース。

レクサスのプラグインハイブリッドモデルRX450h+をベースにアウトドアを意識したカスタマイズが施されていました。足回りやフォグランプなど、キャンプ仕様になっているのが特徴です。

オリジナルのルーフラック

ルーフにはコンパクトなテントを設置していて、クルマの居住性をカバー。車体にどの様に装着されているのかを確認すると、ボディシェープに合わせたオリジナルのルーフラックが取り付けられていました。

各自動車メーカーには他にもキャンピングカー仕様のクルマが展示されていました。コンセプトモデルではありますが、自動車メーカーが本気を出すと、これまでにないキャンピングカーが生まれてきそうです。

キャンピングカーの走りを改善する革新的なアイデアとなるかも

カヤバのキャンピングカーコンセプト

創業100年を超えるカヤバのブースに展示されていたのがキャンピングカーコンセプトというクルマ。名前そのままですが、完全なキャブコンでした。

カヤバの創業時は、飛行機の脚や、飛行機を飛ばす発射装置などを作っていました。そのどれにも使われていたのが油圧システム。現在もこの油圧システムがカヤバの強みで、走りを改善するダンパーなどで知っている人も多いと思います。

カヤバのキャンピングカーコンセプトのリア

その油圧技術を使ったのがこのキャンピングカー。居住スペースは上下、横へとスムーズに広がり、室内空間を確保してくれます。停車時にはダンパーに接続された油圧を調整して、高さを水平に保ったり、クルマ自体の揺れを抑える効果も発揮してくれるそうです。

カヤバのキャンピングカーコンセプトのサイドを収納

上の写真はサイドが収納された状態です。サイドの窪み部分は、上方向へキャビンが伸びているために現れました。走行時は全てを縮めることで、安定して走りをもたらしてくれるそうです。

カヤバのキャンピングカーコンセプトの車内

コンセプトモデルでしたが、車内はしっかりとキャンピングカーとしての架装がされています。暖色のライトに、ブラウン系統のカラーリング、スッキリしたデザインで、モダンリビングといった雰囲気です。

キャンピングカーコンセプトのダンパー

これがキャンピングカーコンセプトに取り付けられているダンパーです。右に見える黒い部分が、内部のオイルを調整する装置。

伸縮や固定などができますが、加えて、ダンパーの硬さなどを柔軟に調整できるのもポイントです。スマホアプリを使って、足回りの硬さを遠隔操作もできる様になっています。実際、デモカーのキャンピングカーもiPadを使って車外から操作していました。

このようなパーツを開発するにあたって、カヤバではテストコースを使った試走を繰り返したといいます。将来的にはキャンピングカー専用の足回りを製品化したいそうです。

企業規模の大きなメーカーが本格的にキャンピングカーへ参入してきてくれることに期待ができる展示でした。

アフターマーケットもキャンピングカーを視野に

トヨタモビリティ神奈川のキャンパーアルトピアーノ

ヨコハマタイヤのブースに展示されていたのは、トヨタモビリティ神奈川のキャンパーアルトピアーノでした。タイヤのメーカーですが、いろいろなクルマに合わせたタイヤを提案していて、そのなかの1つとして、キャンピングカー向けに商品のジオランダーとの組み合わせを紹介していたのです。

ヨコハマタイヤのジオランダーX-AT

装着されていたジオランダーX-ATはオフロードでのトラクションとデザインを追求したモデル。キャンパーアルトピアーノのカジュアルなキャンピングカーにはピッタリのキャラクターかもしれません。

ゴードンミラーモータースのGMLVAN S-01

カーライフに欠かせないのが、ガレージでのアイテムたち。そのガレージを起点に商品を展開しているゴードンミラーのブースには、オリジナルのキャンピングカーが展示されていました。ダイハツハイゼットカーゴをベースにしたGMLVAN S-01です。

これまでにゴードンミラーのモータースというセクションから発表されていたモデルは、ハイエース、NV200をベースにしたキャンピングカー仕様のクルマでしたが、2022年後半にこの軽自動車タイプが発表されていました。

フロントマスクはオリジナルの丸目2灯に変えられていて、ゴードンミラーモータースらしいスタイリングです。

GMLVAN S-01のリアルウッドの室内

室内もリアルウッドに囲まれていて、クルマを所有することで、木の変化を楽しむことができる仕様になっていました。

電源はポータブルバッテリーとして、シンプルな装備品で、乗る人がカスタマイズしやすい余白を感じるクルマです。

ゴードンミラーのオリジナルパーツ

軽自動車はサイズが限られているので、カスタマイズするのも大変なのですが、ゴードンミラーはオリジナルのパーツを開発して、おしゃれ感をアップさせています。

フロントマスクに合わせて、リアの雰囲気も変わっていて、このリアバンパーもオリジナルで製作されたもの。丸いバックライトが全体のデザインに統一感を与えています。全長を伸ばせない軽自動車ではリアビューがノーマルと変わらないクルマが多いなか、ここまで作り込んでくるとは驚きです。

ナッツRVのスピナをダムドがドレスアップ

エアロパーツやドレスアップパーツで有名なダムドもアウトドアカスタムでキャンピングカーをカスタマイズしていました。

こちらはナッツRVのスピナをベースにカスタムされたクルマです。キャンピングカーがベース車両になっているのです。

ドレスアップパーツでは有名なダムドらしく、アウトドアフィールドにピッタリのカスタマイズが施されています。

ナッツRVのスピナをダムドがドレスアップ

インテリアはノーマルとほとんど変わりませんが、外の雰囲気ともピッタリのディスプレイ。ダムドではアウトドアテイストあふれるジムニーのアイテムも展開しているので、今後はキャンピングカーを購入して、普通乗用車同様にアフターパーツでカスタムするトレンドがくるのではないでしょうか。

オートサロンは華やかな雰囲気で、ショーモデルとしてカスタマイズされたクルマが多い印象でしたが、会場を歩いてみると、アウトドアへ持ち出して遊びたくなるようなクルマもたくさん展示されていました。

このようなちょっと違ったテイストのメーカーがキャンピングカーに目を向けてくれることで、キャンピングカーのスタイルもより多様性が生まれるのかもしれません。

WRITER PROFILE
渡辺圭史
渡辺圭史(わたなべ・けいし)

1971年東京生まれ。アウトドア好きな編集者、そして、算数が好きだったライター。アウトドア用品メーカー、出版社を経て、キャンピングカー専門誌編集長に。現在はフリーとして、いろいろなメディアにて執筆中。アウトドアをキーワードに、より楽しいライフスタイルを求めてゆるりと奮闘中。最近気になっているワードは、旅、ミニマリスト、車中泊。趣味はコンパクトな旅とモノづくり。

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