キャンピングカーの保管場所はオーナーにとって悩みのタネです。車両のサイズや保管場所までのアクセスがしやすさなど、いろいろな条件をクリアしなければなりません。
ようやく見つけた保管場所であっても、気軽に使える状態であってほしいものです。そんなオーナーの悩みを解決するのが、フジカーズジャパンがスタートさせた「キャンピングタウン」というサービス。
キャンプサイト付きのキャンピングカー専用駐車場が、神戸西宮店にオープンしました。今後、その拠点を増やしていく予定もあるということなので、まずは最初の試みとなった神戸西宮店に「キャンピングタウン」をチェックしに行ってきました。
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たくさんのキャンピングカーが並ぶフジカーズジャパン神戸西宮店
フジカーズジャパン神戸西宮店は大阪や神戸からクルマで、40分でアクセスできる兵庫県西宮市にあります。
六甲山の北東に位置して、周辺は緑豊かな環境が広がっています。都心部のベッドタウンとしても栄えていて、大きな幹線道路のおかげで、クルマでのアクセスがしやすくなっています。
広々とした敷地はなんと10000坪もあって、200台以上のキャンピングカーが並んでいます。車種もキャブコン、バンコン、軽キャンまで、いろいろなタイプが揃っていました。
エントランスを入って進むと、すぐにブルーのログハウスが目に飛び込んできます。ここが事務所になるのですが、ペンションのような雰囲気。事務所の中も広々としていて開放感のある空間です。
外に並んでいるクルマは中古車が多いのですが、屋根付きの展示場も完備していて、オリジナルモデルのバンコンFOCSシリーズや自社で輸入しているローラーチームなどが並んでいます。
長年のキャンピングカーを扱ってきた経験から、たくさんのユーザーの悩みを解決してきたフジカーズジャパン。特にアフターメンテナンスは力を入れている部門だそうです。神戸西宮店にもしっかりと、大きなメンテナンス工場も併設しているのです。
展示場の奥には広々としたモータープールがありました。たくさんのクルマが並んでいて、多くのユーザーが利用していることが分かります。しかし、今回のレポートは、このモータープールではなく、キャンプサイト付きの「キャンピングタウン」。さらに奥へ行ってみます。
キャンプサイト付きキャンピングカー専用駐車場「キャンピングタウン」
フジカーズジャパン神戸西宮店の西側に広がっていているのが、新しくサービスをスタートした「キャンピングタウン」です。エントランスから伸びるのは幅10mの専用道路。その両脇にキャンプサイトが区画されています。
奥に見える丘は隣接する山で、ハイキングコースになっていました。ハイキングコースを進むと、小さなダムがあったりと、自然豊かな場所です。すぐ近くには大きな塩瀬中央公園もあるので、ファミリーでも楽しめる施設も充実しています。
各設備の区画が広めに作ってあって、大きなキャンピングカーであっても、ストレスなく利用できるのがポイント。
キャンピングタウンまで乗ってきた移動用のクルマを、キャンピングカーに横付けして利用することも可能で、そのために道路も広く作ってあるそうです。
「キャンピングカーを所有していることをしっかりと体感していただくための場所を提供したかったのが始まりです。単なるモータープールではなく、宿泊設備があって、クルマの整備からキャンピングカーを楽しむ体験まで、すべてができることを目指しています。イメージとしてはヨットハーバーのような感覚です」とフジカーズジャパンの土谷雄大さんがそのコンセプトを説明してくれました。
モータープールとしての保管場所、キャンプサイトとしての宿泊場所、として利用できるマルチなスペースです。店舗が隣接しているので、スタッフが洗車や点検なども行ってくれるオプションがあったり、新しいコンセプトのスペースといえるでしょう。
キャンピングタウンによってキャンピングカーの新しい使い方が見えてくる
エントランスの横にはコンクリートで舗装されたスペースがあって、クルマの洗車などに利用できる場所が確保されていました。大きなキャブコンでも余裕で停められます。
脚立などの洗車道具も貸してくれるそうなので、なかなか洗車できないキャンピングカーにとってはありがたいサービスとなるのではないでしょうか。
キャンプサイトが付いているので、宿泊も可能になっています。きれいなトイレや水道設備も完備されていました。
お風呂の設備はないのですが、近くに有名な有馬温泉郷があるので、温泉へ足を伸ばすのもいいでしょう。
ダンプ設備もあります。キャンピングタウンでキャンプをしなくても、旅行に行った帰りに、駐車場でブラックタンクを処理できるのは便利です。
各区画は10×8mという広めの設定になっています。電源ポートが設置されていて、1区画あたり1500Wまで利用できます。電源は独立していて、ポート毎に1500Wが利用できるので、複数台のキャンピングカーが電気を使っても問題ありません。
通路には大きめの砂利が敷き詰められていて、水はけのいい状態。そして、サイトは道路とは違う砂利が入れられ、タイヤや足裏につきにくいタイプになっているそうです。クルマが汚れないように、という心遣いを感じます。
駐車場としてのスペースと、スポットでキャンプ利用できるスペースがあるので、誰でも気軽に利用できるのが特徴です。また、店舗敷地内ということでセキュリティも安心。駐車場利用の場合は車庫証明の申請もできるそうです。
電源が確保され、トイレもあるので、ワーケーションで使っても良さそうです。都心部からクルマで40分の近さにあって、緑に囲まれた環境で仕事もはかどるのではないでしょうか。
キャンピングカーユーザーのコミュニケーションの場所としても使ってほしい
各サイトでは火器が使えないのですが、キャンピングタウン奥の共有スペースではBBQができるようになっています。利用者同士で利用して、交流の場所として利用できるのです。今後はこのようなキャンピングタウンを全国に展開する予定もあるといいます。
「初めての車中泊体験の場所として、レンタカーでの利用もできるようになっているので、多くの人に利用していただきたいです。今後は全国に展開して、全国を旅するユーザーに私たちが提供しているトラベルアシスト(※現在はトラベルアシストのサービスは中止しています)の拠点として使ってもらえればとも考えてます。そして、各地でユーザー同士が交流をして、コミュニティを広げていってもらえればうれしいです」と土谷さん。
キャンピングタウンはキャンプサイト付きの駐車場なので、基本は1年契約の月額払いになるそうです。利用料金は下記の設定。
通常プラン
キャンピングタウン10m×8m 電源付
月額料金:29,800円
電気料金:3,300円/月
その他もスポットで利用できるサービスもあります。
宿泊プラン
電源付きサイト宿泊
1区画料金:9,800円
利用時間:チェックイン 11時〜/チェックアウト 〜10時
デイキャンプ
1区画料金:6,000円
利用時間:11時〜16時
※ハイシーズンはプラス2,500円
ヨットハーバーのような存在でありたい、というように、時々メンテナンスでエンジンをかけたり、場合によっては、開けっぱなしの窓を閉めるなどのサービスも出てくることでしょう。ユーザーにとっては頼もしい存在となります。
キャンピングカーを単に停めておく駐車場ではなく、キャンピングカーを活用する場所として、キャンピングタウンが全国に広がっていくのが楽しみです。