2020年、1月31日(金)〜2月2日(日)、幕張メッセでジャパンキャンピングカーショー2020が開催されました。今年も会場にはいろいろなクルマが展示され、来場者を楽しませてくれました。
キャンピングカーの1台1台をみていくと、その機能性やクオリティが年々向上しているのを感じます。各社は趣向を凝らしたアイデアで、クルマを進化させているのです。
そんな、各社のアイデアを探すのも、ショーを楽しむひとつ。そこで、今回は気になるキャンピングカーのアイデアを紹介します。
電気の充実で車中泊を快適に
最近のキャンピングカーの傾向として、電気設備の充実が目立ってきました。リチウムイオン電池など、新しい技術で快適な車内空間を提供しています。電気系の充実が目立った2社を紹介します。
オーロラシリーズにリチウムイオン電池を標準搭載(ケイワークス)
リチウムイオン電池はコンパクトで大容量、耐久性も高く、人気のアイテムです。でも、コストも高いのがネックでした。よって、オプション設定の車両が多かったのですが、、ケイワークスではオーロラシリーズにリチウムイオン電池を標準搭載してしまったのです。
このシステムはメビウスシステムと名付けられ、リチウムイオン電池が搭載されています。大放電出力、急速充電が可能で、方充電サイクルは、鉛バッテリーの約5倍にあたる2000回以上、実質使用領域は鉛バッテリーの約2倍、とその優位性を発揮しています。
優雅な長旅を提案するトリップ(ダイレクトカーズ)
キャンピングカーがどんどん快適化していくなかで、TVのサイズはあまり変わっていません。置く場所が限られているので、それほど大きくできないのが現状です。でも、せっかくぜいたくな旅をしているのだから、大画面でTVを見たくもなります。
そこで、ダイレクトカーズでは大画面TVをバンクの下にしまい込むというアイデアで解決していました。バンクベッドの下を跳ね上げると、そこにはTVが。フリップダウンではなくフリップアップスタイルで、新しいスペースを見つけてしまったようです。
キャンピングカーの生活も向上
国内のキャンピングカーは独自の発展をしてきました。ボディサイズを大きくすることなく、居住性を高めるためのアイデアがたくさん生まれています。
スライドアウトを採用したネオユーロ(かーいんてりあ髙橋)
ライトエースのキャブコンながら、あえてキャビン部の全幅を広げないというこだわりがあったネオユーロ。そのコンパクトなサイズが人気で、登山道に向かう人などからは高い評価を得ていたクルマです。
そのネオユーロにスライドアウトタイプが追加されました。ボディが外にせり出して、室内が拡張。ドライビングのしやすさと、快適な広さを手に入れました。スライドアウト部はベンチシートになっていて、大人数での宴会も余裕の広さです。
畳も選べるMOCシリーズ(カーショップスリーセブン)
軽キャンピングカーのレイアウトはフラットフロアが主流です。そして、床はクッションフロアというのが定番になっていますが、ごろ寝スタイルなら畳というのも気持ちいいですよね。そんな、わがままに応えてくれるのかMOCシリーズです。
家具の色を選ぶように、フロア材もクッションフロアと和紙畳を選べます。呼吸する天然素材でさらっとした肌触りが気持ちいいです。撥水加工もされていて、退色しにくいという特徴も、キャンピングカーにはちょうどいいですね。
クルマの乗り心地を向上させるアイテムたち
キャンピングカーといえども、動くクルマです。止まっている時間よりも動いている時間の方が長いことも。そこで、気になるのが走行性能。各社、いろいろなアイデアで解決していました。
ワイドトレッドでアミティが激変(エートゥーゼット)
エートゥーゼットのブースで気になるアイテムが展示されていました。車両とホイールの間に挟むスペーサーです。一般的なクルマでは、よく見かけるパーツですが、ブースにあったのは異常に厚いタイプでした。
そのサイズは50mm。タイヤを5cmも外側に出してくれるそうです。両方合わせて100mmも増えるのので、トレッドが広がった状態です。しっかりと地面をとらえ、安定した走りを実現したそうです。
キャブコンの突き上げやフラフラを抑えるアイテムたち(ユーアイビークル)
キャブコンは広さが魅力ですが、独特の乗り心地を気にする人も多いようです。ボディサイズが大きいので、その傾向が強いのですが、横揺れや縦揺れが大きく感じてしまいます。この動きが乗り物酔いなどの原因になっているのです。
そこで、ユーアイビークルでは走行テストを繰り返し、キャブコンの嫌な動きを軽減するアイテムを開発。フロントとリアのスタビライザー、ショックアブソーバーの3つで、フラフラをピタリととめます。
ハイエースでは、その乗り心地が人気のユーアイビークルの足回りですが、キャブコン(カムロード)でも、同じように、走りを追求してくれたようです。
リフトアップでオーバーランダーの世界へ(RVランド)
国内のキャンピングカーは舗装された道路を走るのが一般的ですが、世界に目を向けると、舗装されていない場所を走るキャンピングカーも多いのです。そんなオーバーランダースタイルのキャンピングカーが、国内のショーでも少しずつ展示されてきました。
RVランドのブースにはリフトアップされたハイエースが。ブロックのはっきりとしたタイヤをはいて、どこでも走れそうな雰囲気です。リフトアップはスタイリングが注目されますが、溝を超えたり、先の状況を判断しやすくなるという効果も発揮してくれます。
アウトドアにキッチンが出現
アウトドアでは水回りの存在が大きいといえます。水、シンクを確保することはキャンピングカーでも大切なことです。そこで、水回りにも注目してみました。
ユニット型のキッチンを外に設置できるホビクル(レクビィ)
キャンピングカーの車内のレイアウトが自由であるなら、水回りの装備も自由にレイアウトしてしまおう。そんな発想からか、キッチンをユニット化して 移動できるシステムを作ってしまったのが、レクビィのホビクルです。
給排水タンクと電動ポンプがセットされた、ユニットキッチンスタイル。外に置いて、蛇口をひねると、水が出てきます。車内での使いやすさを、そのまま外で体験できる感動の装備でした。単体で使えるキッチンはテントキャンプでも使えそうです。
ボディサイドからシンクが飛び出すモビリティホーム(ダイレクトカーズ)
キャブコンの車内シンクから、蛇口を外に向けて、車外で利用できるクルマは多いですが、車外シンクを装備しているクルマは多くありません。そのな珍しい装備を標準装備としているのがモビリティホームです。
外の壁からシンクが飛び出してきて、しっかりと水が使えるのは便利です。キャンピングカーはオーニングの下など、外でのんびりすることも多いので、シンクの存在は大きいですね。これで、どんどん外に出てBBQの回数も増えることでしょう。
水の出し入れはスライドドアで楽々のコング(フィールドライフ)
水回りのちょっとしたアイデアレイアウトも気になりました。水タンクの給排水は結構大変です。タンクを取り出すのにも一苦労。特に軽キャンはスペースが限られているので、タンクの設置場所に悩むところです。
コングでは車内のスペースを極力セーブしながら、タンクの取り出しが楽な場所を探しました。それが、スライドドア部分です。スライドドアを開けると、タンクがそのままセットされています。省スペースと快適性のダブル効果を発揮するレイアウトでした。
今回もたくさんのキャンピングカーに隠されたアイデアを探してみました。各社、快適なキャンピングカーを作るために、いろいろなアイデアを考えているんですね。省スペースなど、国内独自の発展をとげる日本のキャンピングカー。今後もみんなが驚くようなアイデアが生まれてくるのが楽しみです。