
短い梅雨が明けて、酷暑がやってきます。この時期はクルマの中で過ごすのも大変。すぐに車内は危険な気温まで上昇してしまいます。夜になっても車内には熱がこもっていて、寝苦しい夜が続き、不快度はマックスに。そこで、注目されているのがクーラーの存在です。
近年、さまざまなタイプが出てきました。リチウムイオンバッテリーやRVパークの整備などで、電源確保しやすい環境になり、クーラーをクルマに取り付けるオーナーも増えてきています。でも、たくさんあるので、どれがいいのか分からない、という人も多いのでは。
そんな疑問を持った方に向けて、RVランドの協力で、クーラーの種類や特性を整理したいと思います。今回紹介するクーラーは以下の5種類です。その特徴も簡単に表にしてみました。詳しくは、下の記事へ進んでみてください。
| タイプ | 冷却能力 | コンパクト性 | 施工性 | 消費電力※ | 取付価格 |
|---|---|---|---|---|---|
| DC12Vクーラー | |||||
| 家庭用エアコン | |||||
| 230Vルーフエアコン | |||||
| 100Vルーフエアコン | |||||
| ポータブルクーラー |
DC12Vクーラー
コンパクトな室内機と室外機が特徴のDC12Vクーラー。DC12Vということで、キャンピングカーで使っているバッテリーからの電気変換効率がいいこともあり、近年、一気に広まったモデルです。一般的な家庭用のクーラーと仕組みは同じ。室外機で熱交換が行われています。
シンプルなモデルが多いですが、リモコンなども付いていて使いやすいモデルが多いです。室内機にもいろいろな形があって、薄いタイプなど、取り付ける場所に合わせて選べるのも特徴です。
システムの各パーツがコンパクトなことから、軽自動車のキャンピングカーにも取り付け可能です。キャンピングトレーラーの中にもインストール可能で、これまで本格的なクーラーが搭載できないと思っていたキャンピングカーにも対応できるようになりました。
室内機はコンパクトで、車内のスペースを圧迫することはありません。上の写真は軽自動車ベースのキャンピングカーですが、室内機が車内の家具になじんでいるのがよく分かります。
ただ、室外機をつなぐので、設置には配管工事をしなければいけません。ガスが行き来するパイプが必要になるのです。そのため、施工工賃が高めになる傾向があります。新車時に設置できても、クルマによっては後で追加できない場合もあるので注意が必要です。
家庭用エアコン
家庭用エアコンを取り付けるキャンピングカーも増えてきています。少し前までは、大型のキャブコンに設置されていましたが、最近ではバンコンなどにも採用されています。デザイン性の高いモデルを採用して、インテリアコーディネイトもしっかりと施されているモデルも増えてきました。
家庭用クーラーは室外機の大きさもあって、ハイエースなどのバンコンクラス以上のクルマに搭載されることが多いです。このクラスは車体サイズを大きく変更しないことも大切になってくるので、外観の変化が少ない家庭用クーラーが重宝されるようです。
ビルダーによって、室外機の設置場所はさまざまですが、高さや全幅に変化が現れないように工夫が施されています。
インテリアでは吊り下げ棚の一部にエアコンが装備されていて、エアコンが設置されていることに気づきません。配管も設置されているのですが、室内モールの裏側にあって、その存在を感じることはないでしょう。
室外機はボディ下に横向きで設置されていました。一般的な家庭用エアコンの室外機を横向きにすることはできませんが、RVランドではしっかりと対策をして、横向きの設置を実現しました。
230Vルーフエアコン
数年前はキャンピングカー用エアコンの定番でもあったルーフタイプです。輸入キャンピングカーには、最初からこの230Vルーフエアコンが搭載されていることが多いです。ルーフタイプは室外機と室内機が一体になっているので、配管の施工が必要ありません。
ベンチレーター程度の穴があれば、簡単にエアコンを設置できるのです。だからこそ、長年、キャンピングカー用エアコンの定番としてルーフエアコンが使われてきたともいえるでしょう。
海外のRVパークなどにある電源出力に合わせて、230Vモデルが主流となったという経緯があります。よって、輸入車などは外部電源の配線が230V仕様になっていることも多く、新たにエアコンを追加する際、ヨーロッパ基準の230Vルーフエアコンを設置することも多いそうです。
海外では主流だったというのも大きなポイントです。それだけ、製品開発の期間が長く、技術の蓄積によって生まれているモデルが多いのです。そんな信頼性に頼って、230Vルーフエアコンを選ぶというのもいいかもしれません。
エアコンが天井部分にあることで、室内空間を有効に使えるようになります。上の写真はフィアットデュカトをベースにRVランドが作ったキャンピングカーですが、奥のベット上部に設置されているのが230Vルーフエアコンです。手前のベンチレーターとさほどサイズが変わらないようにも見えてしまいます。
分離型の室外機はなく、一体型になります。車体の上部にそのユニットが見えます。ある程度の高さが必要になってくるので、高さを変えたくないハイエースのバンコンなどには使いづらいかもしれません。
しかし、天井に穴を開けて、電気の配線をすれば、エアコンが設置できるのは便利です。施工時間も少なく、工賃も抑えられるのがメリットといえるでしょう。しかし、230Vの場合、既存の配線がどうなっているかなど、チェックしなければいけない項目も多いので、設置をお願いするスタッフに相談した方がいいでしょう。
100Vルーフエアコン
ルーフエアコンの最新トレンドが100Vタイプのモデル。こちらはRVランドオリジナルのルーフエアコンで、配線の仕方によりますが、100Vコンセントを直接つなくこともできます。
炎天下の状況では、直射日光が当たっているので、冷却効果が低くなるのでは? と思ってしまいますが、ルーフに取り付けるという特性から、対策が施されているようです。日中でもしっかりと冷たい空気を室内へ送り出していました。
ルーフエアコンはやはり大型キャンピングカーとの相性がいいようです。ある程度の高さの変化を気にしなかったり、各部屋が確保されていて配管施工が難しいなど、大型キャンピングカーの特性にあっているともいえます。
リアベッドルーム階段手前の天井部分に、ルーフエアコンが取り付けられていました。豪華な装備が設置されている大型輸入キャンピングカーだからこそ、このコンパクトで施工しやすいルーフエアコンが選ばれるのです。写真のモデルは外部電源から100Vを入力して利用するように仕様が変更されているので、100Vルーフエアコンも設置しやすかったようです。
230Vタイプと比べて高さが低いのも100Vタイプの特徴。ベンチレーターのマックスファンなどと比べても、さほど高さの差はないようです。
ポータブルクーラー
写真はエコフローのWAVE3です。最も手っ取り早くクーラーを導入するのであれば、ポータブルクーラーという選択もあります。クルマの種類に関係なく、クーラーを設置できるのは大きなメリットです。
WAVE3は以前のモデルと比べて、冷却能力が向上しています。基本的には他のクーラーと同じように、ガスを圧縮して冷媒効果を発揮しています。室外機と室内機が一体となっているので、ルーフエアコンと同じ仕組みですが、ポータブルクーラーの場合、熱を発生させる室外機としてのパーツが車内にあることがネックになります。
そこで、排気をダクトを使って車外へ送り出すのですが、WAVE3ではそのダクトも進化していました。ダクト自体が熱くなって、室内を温めないように、しっかりと断熱加工が施されていました。これで、クーラーを稼働させているのに、室内気温が上昇してしまうという減少を押さえ込むことができるのです。
進化を続けてきたエコフローのWAVEシリーズでは、今年から新たなオプションが。それが、この窓シートです。WAVE3の吸排気ダクトがセットできるようになっていて、窓に取り付けて、吸気のダクト、排気のダクトを設置します。
これまでオーナーがいろいろと工夫してダクトの設置をしていたのですが、コンパクトで持ち運びも簡単な純正オプションが登場したのです。マグネットでクルマに固定して、ストラップでもしっかりと固定できるようになっています。
紹介したクーラーを稼働させるためには、電源システムもしっかりと構築しなければなりません。消費電力の大きいクーラーの場合、外部電源を効率的に利用しなければなりません。そんな時に役立つのがリレーシステムです。RVランドでは以前からリレーの最適化に努めてきました。
そして生まれたのがRVAC-30SP。外部電源、インバーター、ポータブル電源の3系統AC入力を自動で切り替えてくれるリレーです。最優先されるべき入力、出力を自動的にリレーで制御してくれます。ポータブルバッテリーを搭載することを前提に作られたキャンピングカーなどでは、アイデア商品として高い評価をえているのです。
上のリレーは電気工事が必要になりますが、より手軽に電源システムを構築することができるようになりました。それがこのRVランドが作ったニューアイテム。ポータブルバッテリーを載せて、サブバッテリーとして利用するオーナー必見のアイテムです。
その他にも、DC12Vクーラーであっても、消費電力が大きいので、12Vバッテリー直結という訳にはいかず、ある程度の電流を確保しながらの利用が必要になってきます。よって、高出力なコンバーターも用意しなければなりません。このような場合でも手軽に電源システムを構築できます。
RVAC-30SPでは基盤で電気の流れを管理していました。外部電源が接続された場合、車内電源をカットするのです。ニューアイテムでは簡単にこのリレーシステムを導入できるコンセント式になっていて、電気工事をする必要がありません。優先順位が決まった入力端子が2つと出力2つを設定できるのです。
例えば、優先コンセントを外部電源の車内出力に接続して、ポータブルバッテリーをもう一方の入力コンセントに接続すれば、出力先のクーラーに最適な電源を供給できるというものです。コンセントタイプになったことで、一般家庭でも利用しやすくなりました。
今回は5種類のクーラーを紹介しました。クルマの電装システムやスペースによって、設置できるクーラーやおすすめのクーラーが変わってくるので、まずはスタッフに相談して、自分に最適なクーラーをセレクトするのが一番。まだ、クーラーを導入していないのであれば、ぜひ早めに対策することをおすすめします。
※ポータブルクーラーはその構造上、真夏の炎天下では冷却効果を発揮するまでに時間を要します。効率的に冷やすためには、車載エアコンで車内温度を下げてからご利用ください。また、車載エアコンを利用した場合でも、車内温度が上がってしまったら消費電力は高くなります。



