中古キャンピングカーから移動店舗へリノベーションして仕事が激変

キャンピングカー活用法
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中古キャンピングカーから移動店舗へリノベーションして仕事が激変

キャンピングカーをリノベーションして、オーダースーツの移動店舗にする! というプロジェクトがクラウドファンディングに登場したのは、2019年のことでした。古いキャンピングカーを手に入れたオーナーが、予想外の展開で資金を集めることになったのです。

クルマのオーナーは江頭知裕(えとう ちひろ)さん。長崎県でオーダースーツのL’ECRIN(レクラン)を経営しています。スーツに魅了され、かっこいいスーツを自分で作りたい、とお店を始めました。背が高く大柄なので、自分の体型にあう既製品がなかったもの理由の1つとか。

キャンピングカーでも採寸するレクランのスーツ

もっと多くの人に広めるために選んだキャンピングカー

L’ECRIN(レクラン)の江頭知裕さん

スーツの採寸や接客に店舗は必要か?と以前から感じていたそうです。出張採寸などで自宅や会社には行っていましたが、自宅に招き入れることに抵抗のある人もいたといいます。また、このサービスをもっと多くの人に提供できないかということも気になっていました。

そこで、思い浮かんだのがキャンピングカーを購入すれば、すべてを解決できるのではないかということ。でも、当時はキャンピングカーのことを、よく知らなかったといいます。

もともと、インドア派で、旅行がそれほど好きでもなかったことから、キャンピングカーとは無縁のライフスタイル。ただ、広いスペースを確保できて、いろいろなお客様と出会うには、ちょうどいいツールになるかもしれない、とキャンピングカーが浮上してきたのです。

ちょうどいいサイズのキャンピングカーを発見

改装中のキャンピングカー

手に入れたクルマは約20年前のキャブコン。車両名は分からないまま、三菱のキャンターベースのキャンピングカーということで購入を決めたそうです。よく見てみると、そのキャビンの形状から、おそらく、セキソーボディのKD520ではないかと推測できます。

内装はぱっと見た目では、そのまま使えそうな雰囲気でしたが、室内でスーツの採寸をするため、そして、江頭さん自身の背が高いので、室内で歩き回れる広さを確保するため、大幅なレイアウト変更が行われることになりました。

キャンピングカーの雨漏り修復が大変なことに

改装前のキャンピングカー車内

キャンピングカーのリフォームをお願いしたのは、知り合いの自動車整備工場。専門店ではないので、インターネットで情報を探したり、同業者から教えてもらいながら、作業が進められました。江頭さんもクロス張りなどの作業を手伝い、コスト削減に努めていましたといいます。しかし、作業を進めると問題が発生したといいます。

雨漏りでした。その原因を探るために、天井を剥がしてみると大変な状態だったといいます。フレームが腐っていて、簡単に外れてしまったのです。そして、その腐食は壁や床にまで広がっていました。その光景をみた江頭さんは「もう無理かもしれない」と感じたそうです。

クラウドファンディングが道を切り開く

床をはったキャンピングカー車内

状態が思った以上に悪く、準備していた資金が底をつき、リフォームを断念しなければならない状態。それでも、多くの人に、かっこいいスーツを着てほしいという思いは強く、あきらめることはできません。そこで、思いついたのがクラウドファンディング。

サイトにキャンピングカーを移動販売車にする計画をアップすると、多くの人の目にとまり、目標額をクリア。リターンはクルマへの広告スペースなどを用意していました。これまでのお客さんからの支援が多かったといいます。多くのユーザーに支持されていたショップだったことがよく分かります。

撮影もこなせる広い採寸ルームが完成

オーダースーツ移動店舗の車内

クルマの室内は、高さ195cm✕幅185cm✕奥行250cmの広い採寸スペースを確保し、ルームエアコンを完備した快適空間。トイレやシャワー、棚などを取り除き、イスは後方に移動して、その上にハンガーラックを設置し、使わないイスを目立たなくしました。

リフォームで重視したことは、なるべく室内を広く見せること。希望通りの仕上がりだったといいます。レンタル衣装もしているので、ブライダルでの前撮りも考え、余裕のある作りになっています。お客さんがクルマの中に入ると、まず、その広さに驚くそうです。

バンクベッドを残して新しい発見を

オーダースーツ移動店舗のバンクベッド

バンクベッドはそれほど意識していなかったのですが、ちゃんと寝られるようにベッドスペースとして残されました。最初は使うか分からなかったベッドですが、今では大活躍しているそうです。

「日帰りで行ける場所でも、次の日に休みを取って、1泊するようになりました。旅行が好きだったわけではないのですが、このクルマを手に入れて、旅することが楽しくなってきました」と江頭さん。

帰らなくていい、という時間的な余裕ができたので、採寸を済ませたお客さんと一緒に食事に行くことも。より深くお客さんと仲良くなり、お客さんの好みなどを詳しく聞けるので、スーツづくりにも生かされたという、予想もしていなかった効果もあったとか。

移動販売車が家族でも楽しめる空間に

L’ECRIN(レクラン)の江頭知裕さんと子どもたち

オーダーの仕方は、ホームページなどで、スケジュール調整をして、出張を依頼すれば、キャンピングカーが好きな場所にやってきます。採寸といっても、用途や好みを聞くカウンセリング、生地やスタイルを決めるデザイン決めなどがセットになっているので、自分の好みのスーツを相談できるのもいいですね。

2020年の初めは、キャンピングカーでの出張採寸にたくさんの予約があったのですが、自粛のため、現在はクルマが動いていない状態。それを逆手に、子どもたちは、楽しい遊び場を手に入れたと喜んでいる様子。本人も仕事半分、遊び半分というように、家族にもキャンピングカーが親しまれる結果となりました。

全国制覇を目指してキャラバンに出たい

L’ECRIN(レクラン)の移動店舗とオーダースーツ

キャンピングカーで移動しながら地方に行くときは、途中で他のお客さんを経由しながら、効率よく回ることを考えているといいます。なので、条件が整えば、遠方の出張もやってみたいといいます。目標は、このキャンピングカーで全国制覇!だそうです。

「いろいろな場所に行って、スーツを作ると言うよりもかっこいいスタイルを提案して、スーツを着る事の楽しさなどを伝えたいと考えています。海の横でジャズを聞きながらスーツを決めていくみたいな、いろいろなロケーションも楽しみたい」とも。

最初はキャンピングカーの存在も知らないくらいだった江頭さん。きっかけは、自分からお客さんにアプローチするための空間でしたが、実際にキャンピングカーに乗ってみて、旅することの楽しさ、自由なスタイルに気づいたようです。全国を回れるようになったら、仕事をしながら、旅を楽しむ、遊びながらの仕事に挑戦したいそうです。

オーダースーツのL’ECRIN(レクラン)

レクランのオーダースーツ
住所
〒857-0351長崎県北松浦郡佐々町須崎免506-18 田中ビル3階
店舗名
L’ECRIN(レクラン)
TEL
0956-76-9512
休業日
月曜日 完全予約制
ホームページはこちら
WRITER PROFILE
渡辺圭史
渡辺圭史(わたなべ・けいし)

1971年東京生まれ。アウトドア好きな編集者、そして、算数が好きだったライター。アウトドア用品メーカー、出版社を経て、キャンピングカー専門誌編集長に。現在はフリーとして、いろいろなメディアにて執筆中。アウトドアをキーワードに、より楽しいライフスタイルを求めてゆるりと奮闘中。最近気になっているワードは、旅、ミニマリスト、車中泊。趣味はコンパクトな旅とモノづくり。

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