キャンピングカーの旅は、いつもキャンピングカーでの車中泊とはかぎりません。たまには快適なホテルで宿泊したい。今日は乗車人数が多いのでホテルと分散して宿泊したいといったときもあります。
今回はキャンプ場が併設されている宿に泊って、キャンピングカーとの相性を探りました。最近ではホテルにRVパークを併設するケースも増えてきているので、キャンピングカーを乗る人にとって過ごし方の選択肢が広がっています。
四季の彩りに風薫る足尾の宿 かじか(日光市足尾町)
観光で有名な日光に近く、足尾町にある四季の彩りに風薫る足尾の宿 かじか(旧:国民宿舎かじか荘)。都心から3時間ほどの距離にあり、四季おりおりの景色と、「美肌の湯」ともよばれ肌をつるつるにする温泉が楽しめる宿です。
2017年にリニューアルした館内は綺麗に保たれ、手入れの良さを感じます。
400年の歴史を誇る足尾銅山が近くにあり、明治時代の銅山周辺の写真も館内に飾られ興味を惹かれます。
温泉は泉質の良さだけでなく、山の奥にある宿ならではの露天風呂からの四季を感じる景色にいやされます。
ホテルや旅館に泊まる目的の一つは食事。日光のブランド豚HIMITSU豚を使った料理や川魚など地元の食材を活かしたおいしい食事が提供されます。
キャンピングカーで車中泊する場合は、かじかに併設された銀山平公園キャンプ場に泊まります。徒歩だと数分離れています。
キャンプ場にはキャンピングカー専用サイトとして2区画用意されていますが、ここには電源が付いていません。他の区画で電源がありキャブコンも十分入れる区画があるので、電源が必要なときにはキャンプ場と相談して決めると良いでしょう。
キャンプ場内にはドッグランを備えたサイトもあるので、ペット連れには最適です。山奥にあるキャンプ場なので、晴天の夜は星空がまじかに見えるそうです。
かじかの目の前は日本百名山の一つ、皇海山への登山口となっていました。ここを皇海山登山の拠点に使う人も多いようです。
登山口になるような場所にあるので、国道から山道へ入ると急に道が細くなるところもあるので運転には注意が必要です。
足尾銅山の観光
かじかから15分ほどのところに、足尾銅山の坑内を観光できる施設があります。
足尾銅山の歴史は古く、江戸時代から鉱山として銅が採掘されていました。50年程前に閉山になっていますが、それまでに掘った坑道の長さは全長で1,200km以上と言われています。
この坑道へトロッコに乗って入っていくので、探検気分が味わえます。
坑道内では江戸時代から昭和の時代までの採掘の様子がリアルに人形で再現されていて、当時の苦労もしのばれます。
一つ残念なのは、以前はペットも同伴して坑道へ入れていましたが、今はペットを連れて入ることが出来なくなっています。
この足尾銅山から有名な日光東照宮までは20km少々なので、周辺地域の観光も楽しめます。
キャンピングカーも泊まれる宿のメリット
最近、RVパークでもホテルが運営していてキャンピングカーで車中泊も出来るし、ホテルにも泊まれるという場所が増えています。
そんな施設では親子3世代でキャンピングカーを使うときなど、祖父母はホテルに泊まって他の家族はキャンピングカーで車中泊といった分散した宿泊で人数が多くても快適に過ごせます。
宿泊施設がキャンプ場であれば夕食はみんなでBBQをしたり、逆に食事はみんなでホテルの食事を食べたりといったプランが考えられます。
また、ペットが入れないホテルの施設を利用したいといったときにも、ペットOKのRVパークの方へキャンピングカーを泊めてホテル施設を利用するといった方法もあります。もちろん泊まるときには誰かペットと一緒にキャンピングカーにいる必要はあります。
かじかに泊まって
かじかの朝食。食堂へ行くと昨夜は無かった飯盛り付けロボットが登場していました。
テレビで見たことはあっても出会ったことのないこの機械、盛り付ける量を指定すると綺麗にごはんを盛ってくれます。
導入の背景には人手不足の問題があるようで、飯盛り付けロボットの働きで朝食時のスタッフが少なくてすみます。山奥なので自然環境は抜群ですが、この地で生活して働いてくれる人を確保するのは難しいという問題が起きています。
人手不足の問題は宿泊のキャパシティはあっても夕食の対応ができないので、結果満室で予約を入れにくいといった問題にもつながります。
キャンピングカーで地方を旅していると、こんなにいい施設なのに終わる時間が早すぎるといった不満を持つことが良くありますが、生活する人の定着が難しい地域では利用者とのギャップを埋めるのは一筋縄ではいかないようです。
これから
かじかの館内でハチミツを販売していました。
これはかつての銅山の影響で周辺の山々がはげ山状態になり、その荒廃した山に植林し、今ではニセアカシアのハチミツを採取できるようになりました。このハチミツを地域経済の活性化につなげようという活動を行っています。
今まで銀山平公園キャンプ場へキャンピングカーで来る人はそれほど多くなかったようです。キャンプ場とかじかに分かれて泊った場合、全員がかじかの食事を楽しめるのか、温泉の利用など、かじかと相談しながら進めていく必要があります。
先ほど触れた通り、対応する人手の問題もあり当日の状況によって変わってきます。宿の側でもキャンピングカーで泊まる人と宿に泊まる人が一緒に訪れることへの対応は状況を見ながら進めることになりそうです。
ただ、キャンピングカーで行く人たちと宿との良い関係が進んでいくと、そのようなホテルや旅館も増えてキャンピングカーの旅も一層楽しくなりそうです。
【キャンピングカースタイル編集部】