温泉旅館とキャンピングカー車中泊の関係 赤沢温泉旅館(那須塩原)の取り組み

車中泊地
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温泉旅館とキャンピングカー車中泊の関係 赤沢温泉旅館(那須塩原)の取り組み

昨今の環境変化で従来とは違う体制を考えるホテルや旅館が増えています。那須塩原にある温泉旅館赤沢温泉旅館でも新しい試みとしてキャンピングカーの車中泊利用をはじめました。
全国的に車中泊が出来るスポットが増えつつあるとはいえ、まだ快適に車中泊出来る場所は不足しています。温泉付きの旅館で車中泊できれば、キャンピングカーの利用者にとっては見逃せないのではないでしょうか。

同館を見ながら、ホテル、旅館とキャンピングカー車中泊の関係を探ってみました。

温泉が自慢の赤沢温泉旅館

赤沢温泉旅館の玄関

施設は2015年に大手製紙会社を退職した遠藤正俊氏が休止していた旅館を買取り、赤沢温泉旅館として開業しました。
遠藤氏はアメリカで学び、製紙会社では南米や中国でパルプの原料となる木を植え、森を作る仕事にたずさわってきました。それぞれの国では現地に温泉が湧いており温泉の素晴らしさに触れ、退職後は日本独特の素晴らしさを持つ温泉旅館を経営したいという想いを実現しました。

敷地は旅館裏の山を含めると4ooo坪の広さがあります。
自慢の温泉は露天風呂とヒノキの内風呂があり、源泉かけ流しです。温度は少し低めで、長い時間ゆっくり入るのがお薦めです。家族でゆっくり入りたい人には別料金で貸し切り風呂があります。

赤沢温泉旅館の露天風呂

旅館としての客室は11室。ペットと泊まれる部屋が2部屋あります。
新しい試みとしてグランピング施設が2箇所登場しました。一つは川の目の前で開けた景色と川の音が心地よい「リバーサイドビューテラス」と木々に囲まれた「フォレストビューテラス」。どちらも大人気です。

赤沢温泉旅館のグランピング施設

オープンカーのレンタルもあり、キャンピングカーで数日ここに滞在する人がオープンカーを借りて那須を散策するには最適です。

赤沢温泉旅館のレンタルオープンカー

今回車中泊の取り組みをはじめたきっかけは、併設されているglampark赤沢のグランピングが旅館の温泉を使えることで大人気になり、駐車場を利用した温泉車中泊キャンピングも需要があると考えたからです。旅館としては収益の増加がはかれ、キャンピングカー利用者には旅館を知ってもらい、次回旅館利用のきっかけになるとも考えました。

車中泊のシステム

赤沢温泉旅館の車中泊スペース

赤沢温泉旅館での車中泊は、良いロケーションを楽しんでもらおうと川沿いに2区画を用意しています。この場所は地面が芝になっており、気持ちよく過ごせます。
車中泊スペースでは車外に椅子やテーブルを出し、屋外での調理も可能なスペースとしています。
「車中泊であっても訪れた人には景色の良い場所で寛いで過ごして欲しい」という温泉旅館としてのホスピタリティにあふれています。

赤沢温泉旅館のロビー

温泉旅館なので滞在中は宿泊客として持てなされ、何度でも温泉に入れます。もちろん翌日の朝風呂にも入れ、快適な朝をむかえられます。

脱衣場にはコインランドリーがあり、これはキャンピングカーで長旅をしている人にはうれしい設備ではないでしょうか。温泉に入っている間に旅行中の衣類を洗濯できます。

夕食はクルマを駐車した横でBBQを楽しめますし、事前の予約で旅館の食事(別料金)を食べることも出来ます。屋外に旅館のBBQスペースもあり、こちらは事前に夕食として予約しておけば手ぶらでBBQが楽しめます。

BBQエリア

面白いサービスとして、朝食にパンとコーヒー、ジュース、牛乳を無料で提供しています。朝、ラウンジスペースにパンやチーズが置いてあり、自分でチーズトーストにしたりして食べます。車中泊でコンビニ食や電子レンジ調理が多くなる中、オーブントースターで焼いた香ばしいトーストはお薦めです。

無料提供の朝食

今のところ電源の設備はありません。延長コードで電源を引くなどはこれからの検討課題です。また、屋外に水道はありますが、炊事場のような施設にはなっていません。
入り口へ続く道路は狭くなっているので注意が必要ですが、写真のようなバスも入ります。(途中に枝を張った木があり、大型車は要注意)

バス
塩原温泉のご当地グルメ「スープ入り焼きそば」(周辺情報)
見た目はつゆの入ったラーメンのようですが、どんぶりに入れるめんはソースにからめた焼きそばが入ります。これがスープとからんで絶妙な味を提供します。有名店は行列が出来ていますが、食べてみたい一品です。
那須塩原のスープ入り焼きそば

温泉旅館でのキャンピングカー車中泊が広がる可能性

那須塩原

全国の温泉旅館が車中泊可能なスペースを提供できるようになると、キャンピングカーの旅はより快適になります。最近ホテルや旅館で車中泊できる施設が少しずつ増えていますが、一気に増えるところまでは行きません。そこには次のような理由がありそうです。

  • 施設側が駐車場にお客さんを泊めるという認識を持っていない
  • 車中泊のお客さんを受け入れるノウハウがない
  • 車中泊の人が、外で大声を出したりして一般宿泊客に迷惑をかけないか心配
  • 土日は一般宿泊客のクルマで駐車場は一杯。場所が確保できない
  • 部屋に宿泊しないお客さんにホテルや旅館としてのおもてなしが提供できるのか心配

車中泊する側もそのときの状況によって求めるものが違うのではないでしょうか。例えば、安心してキャンピングカーを泊められればサービスは求めず、安い方が良いといったときや、地元の美味しい料理を食べて、温泉に入ってお酒も飲むのである程度お金を払ってもその場で車中泊したいというときなど。

車中泊の料金は1泊2,000円前後の料金設定が多く、数台のスペースではこの金額のみでビジネスとして成立することは難しく、館内の日帰り温泉やレストランを使って利益を確保するビジネスモデルになります。

赤沢温泉旅館の看板

今回の赤沢温泉旅館の料金設定は車中泊駐車スペース+入館料(人数分)という設定です。
車中泊スペースは眺めが良く、椅子、テーブルが広げられるスペースを提供。温泉は滞在中何度でも入浴でき、旅館としてのおもてなしで迎えることで人数分の入館料を設定したかたちになります。那須塩原でどう楽しみたいか、そういった相談にも気軽に応じてくれ、地元ならではの情報が得られるのも大きなポイントです。

赤沢温泉旅館の車中泊料金
通常期
車中泊スペース2200円+2200円/人数(一人当たりの施設利用料、入浴、トイレ、パン等)
繁忙期
車中泊スペース2500円+2500円/人数
*小学生はその70%、幼児は1100円
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赤沢温泉旅館車中泊の楽しみ方 例1)
親子・孫3世代で利用。おじいちゃんとおばあちゃんは旅館に宿泊。子どもたち家族はキャンピングカー泊。夕食は手ぶらで旅館のBBQを皆で楽しむ
赤沢温泉旅館車中泊の楽しみ方 例2)
空いている平日に車中泊で連泊。日中は近くの散策と温泉三昧。ときにはオープンカーを借りて近隣を観光
ロビー

車中泊地としてキャンピングカーを受け入れてくれるホテルや旅館が増えることは期待したいところです。施設側も対応や設備、料金の設定など検討したいところがいろいろあると思います。
施設側にあまり負担にならないかたちでスタートし、お互いに納得できる料金設定で、車中泊スペースの提供に参加するホテル、旅館が増えることが望まれます。

赤沢温泉旅館
住所
〒329-2921 栃木県那須塩原市塩原1149
TEL
0287-46-5700
受付時間
9:00~20:00
車中泊につていの予約、詳細は直接お問合せ下さい。
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