
日本特種ボディー(日本自動車車体工業会 正会員)は、埼玉県越谷市に本社を持つキャブコンビルダー。いすゞのキャンピングカー専用シャシー「Travio(トラヴィオ)」「Be-cam(ビーカム)」をベース車両に採用し、独自の技術とノウハウで安心・安全なキャンピングカーを追求している。
ラインナップは、トラヴィオベース・ビーカムベースの2系統。その中でコンパクトモデル、ハイエンドモデル、オフロード系モデルなど多種多様なキャブコンが用意され、乗り手の幅広いニーズに対応している。本記事では、同社がラインナップするキャブコンを一堂に集めて紹介。ベース車両トラヴィオ&ビーカムの優位性と、各モデルの特徴について解説する。
目次
いすゞ・トラヴィオをベースにしたモデル
トラヴィオは、いすゞが提供するキャンピングカー専用シャシーのエントリーモデルだ。このシャシーをベースにしたキャブコンは、AT限定普通自動車免許で運転できることが最大のメリット。最小回転半径4.4mと取り回し性も抜群で、キャブコンだからと構えることなく、初心者から女性まで誰でも気軽にドライブを楽しめる。
パワートレインは、1.9ℓディーゼルターボと6速ATの組み合わせ。排気量こそ小さいが、カムロードの2.8ℓディーゼルターボをしのぐ最大トルク(カムロード300N・m、トラヴィオ320N・m)で、街中から高速道路までスムーズなドライブを楽しめる。誤発進抑制機能やプリクラッシュブレーキ、車線逸脱警報、ふらつき警報など、充実した先進安全機能も標準装備。専用テーパーリーフサスペンション、リアスタビライザー、150Aジェネレーターなどのキャンピングカー専用装備も採用され、快適な乗り心地と優れた走行性能を実現している。
NTBがラインナップするトラヴィオベースのキャブコン3車種は、それぞれ新レイアウトやマイナーチェンジモデルが近く発表される予定。各モデルの説明の下に現在判明している最新情報も追記しておくので、キャンピングカー選びの参考にしてほしい。
HAYATE(ハヤテ)
全長4930mm×全幅1770mm×全高2930mmのスリムボディが最大の特徴。全幅は、3ナンバーの大型ミニバンよりもスマートな1800mm未満に抑えられ、最小回転半径4.4mの取り回し性と相まって、都市部や狭い山道もスイスイと走行できる。コンパクトボディからは想像もできないほど開放的な室内空間は、大人でも立ったまま生活できる室内高1910mmを確保。レイアウトは、前方上部にバンクベッド、中央に4人がテーブルを挟んで座れる対面ダイネットとキッチン&マルチルーム、最後部に2段ベッドを配したファミリー向けキャブコンのスタンダード仕様となっている。バンクベッド、ダイネットベッド、リア2段ベッドで大人6名が就寝でき、家庭用エアコンや電子レンジ、88ℓ冷蔵庫なども標準装備。
使い勝手のいいセンターエントランスの既存モデルに加えて、ダイネットを広く確保したリアエントランスのバリエーションモデルも近日発表予定。ニーズに合わせて、異なる2つのレイアウトから選べるようになる。
KAGAYAKI(カガヤキ)
キャブコンとしては比較的コンパクトな、全長4880mm×全幅1900mm×全高2850mmのボディで、市街地から混雑した観光地まで走る道・止める場所にさほど気をつかわずに乗り回せる。室内には、バンクベッド、対面ダイネット、クローゼット、リア2段ベッドを備え、7名乗車・7名就寝を実現。家庭用エアコン、電子レンジ、48ℓ冷蔵庫などの快適装備も標準化されている。生活電源は、ディープサイクルバッテリーを採用したスタンダード電装モデルと、ポータブル電源の搭載を前提にしたシンプル電装モデルの2タイプを用意。シンプル電装モデルには、エコフロー走行充電器とAC/DCコンバーターが標準装備されており、好みのポータブル電源を組み合わせて使用できる。
バリエーションモデルの「カガヤキ・ロング」を近日発表予定。全長を既存モデルの4880mmから4970mmに拡張し、クローゼットをマルチルームに変更。「車内にトイレが必要」というユーザーをはじめとした、幅広いニーズに対応する。
EXPEDITION STRIKER(エクスペディション・ストライカー)
オフロード系キャブコン・エクスペディションシリーズのトラヴィオベースモデル。「悪路走破性と居住性・快適性の両立」をコンセプトに、日本初の軽量オールアルミシェルを採用している。デパーチャーアングルを大きくして悪路走行時のリアボディ接地を回避したほか、分離式のキャブとシェルでボディのねじれを逃がしてタイヤの接地性を高め、オフロード性能を向上。バンクベッド、対面ダイネット、キッチン、広い通路を完備した室内は、土足でラフに使えるヘビーデューティ仕様となっており、生活電源はカガヤキと同様に、鉛サブバッテリー100Ahを搭載したスタンダード電装モデルと、ポータブル電源の使用を前提としたシンプル電装モデルが用意されている。
エクスペディション・ストライカーは、キャンピングカー業界では初めてとなる「フェーズフリー認証」を取得した。
日常と災害時の垣根をなくすフェーズフリーの思想に基づき、平時にはレジャーやワークユースに、非常時には被災地での電力や居住空間の確保など共助の拠点として高いレベルで実装できている点などが第三者機関に評価された。
全長を150mm延長してフロアを低く設計した、ニューバージョンを近日発表予定。可動式仕切り板を動かすことでリアキッチンを個室化でき、床下にはラップポンサニーの収納スペースも確保。全長を伸ばすことで生まれた空間に2段式電動ステップを格納し、ステップも幅広タイプに変更される。
いすゞ・ビーカムをベースにしたモデル
ビーカムは、居住性・先進安全性・走行性能を追求したキャンピングカー専用シャシーのフラッグシップモデルだ。パワートレインは、最高出力150馬力・最大トルク375N・mの3ℓディーゼルターボエンジンと9速AMTアイシムの組み合わせ。ゆとりのエンジンパワーと低速から立ち上がるビッグトルクで、合流時の加速や急な登り坂もストレスフリー。変速ショックをほとんど感じさせない9速AMTの採用で、重量級のキャブコンでも優れた燃費性能とスムーズなドライブフィーリングを実現できる。
安全装備の充実度も、キャブコンのベース車の中では群を抜いている。プリクラッシュブレーキ、ふらつき警報、車間距離警報、フロントブラインドスポットモニターのほかに、前車と車間距離を保持しながら加減速や発進・停止を行う全車速車間クルーズ、ステアリング操作を電動でアシストするレーンキープアシスト、カメラでドライバーの異常を自動検知して車両を緊急停止させるドライバー異常時対応システムなど、最上位の先進安全装置を標準装備。長距離運転の機会が多く、高齢ドライバーの比率が高いキャンピングカーでは、これらの安全運転支援機能が大きなアドバンテージとなる。
NTBが製造するビーカムベースのキャブコンは、大きく分けて3車種。キャンピングカー専用シャシーのフラッグシップモデルをベースに採用したことで、どのモデルも安全性と快適性を兼ねそなえたハイエンドなキャブコンに仕上がっている。
SAKURA Special Edition(サクラ・スペシャルエディション)
サクラは、ビーカム・ハイキャブ2.0tをベースにしたハイエンドキャブコン。従来モデルは内装フルオーダーメイド(標準モデルは設計変更2ヶ所まで、サクラαは設計変更3か所以上に対応<家具設計変更料別途>)だが、スペシャルエディションはオーダーメイドシステムの代わりに、ユーザーの声をフィードバックしてボディ形状や高級感あふれる内装デザインを造り込んだモデル。使い勝手と快適性を追求した装備内容をパッケージ化したことで、価格を抑えつつ納期短縮と品質向上を実現している。バンクベッドは、従来モデルより100mm延長。家庭用エアコンやFFヒーター、温水ボイラーシャワーシステム、5kWhリチウムバッテリー、1000Wソーラーパネルなどの贅沢な装備もすべて標準化されている。
AKATSUKI WIDE BED(アカツキ・ワイドベッド)
ボディは、全長4990mm×全幅1990mm×全高3050mm。日本の道路事情に合った“大き過ぎず小さ過ぎないサイズ”なので、運転や駐車がしやすく、納車時の車庫証明も取りやすい。室内は、フロント上部に大人3名が就寝可能なバンクベッド、センターに対面ダイネット・キッチン・マルチルーム、リアエンドに常設2段ベッドを配した使い勝手抜群のレイアウトを採用。家庭用エアコンやFFヒーター、5kWhリン酸鉄リチウムイオンサブバッテリー、1500Wインバーターなどの標準装備も充実している。ワイドベッドモデルの最大の特徴は、マルチルーム・ダイネット・キッチンの寸法を調整することで、リア2段ベッドの幅を既存モデルの650mmから850mmに拡張したこと。広いダイネットを望むなら既存モデル、広いリアベッドを望むならワイドベッドモデルと、ニーズによって2タイプから選べる。
EXPEDITION EAGLEⅡ(エクスペディション・イーグルⅡ)
バンクベッドがない既存モデルのエクスペディション・イーグルに対し、エクスペディション・イーグルⅡは、大人3名が就寝できるバンクベッドの追加や最大1500Wのソーラーパネを搭載可能にするなど、各部のアップグレードで居住性と利便性を進化させたモデル。唯一無二のデザインと抜群の悪路走破性で、アウトドアユースから災害支援まで幅広い用途で活用できる。室内前部にはバンクベッド、中央には横座りの対面ダイネット、後部にはキッチンを完備し、ダイネットを展開すれば大人5名が就寝可能。エントランスには防水パンフロアが装備され、ワイルドなシチュエーションでも汚れを気にせずラフに使用できる。駆動方式は、2WDのほかに4WDも近々供給開始。4WDベースを選べば、シリーズのアイデンティティである悪路走破性が大幅にグレードアップすること間違いなしだ。
まとめ
日本特種ボディーでは、AT限定普通免許で気軽に乗り回せるトラヴィオベースのキャブコンから、豪華装備と先進安全装備を満載したビーカムベースのキャブコン、オフロード走行に特化したエクスペディションシリーズまで、多種多様なモデルを取りそろえている。ライフスタイルや使用人数をシミュレーションして、自分にピッタリの1台を選び出そう。



