キャラバンの車中泊車両2台展示で日産キャンピングカー純正への期待!?

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キャラバンの車中泊車両2台展示で日産キャンピングカー純正への期待!?

手軽に車内でくつろげるクルマがあれば、普段使いでできたちょっとした時間に、キャンピングカーライフを楽しむことができます。

各社からは、このライトな感覚のキャンパー仕様が登場しています。ベッドにテーブルだけといった簡単なレイアウトで、エントリーのしやすさが人気です。

2022年2月に開催されたジャパンキャンピングカーショーでは、このライトな感覚のキャンパー仕様車両が日産ブースに展示されていました。

自動車メーカーが提案するクルマはどのようなモノだったのか。その内側をのぞいてみました。

オーテックジャパンが作った日産キャラバンマルチベッド

現行モデルのキャラバンマルチベッド

日産ブースには2つのクルマが展示されていました。こちらは現行モデルとして販売中のキャラバンマルチベッド。日産のクルマをカスタマイズしているオーテックジャパンが製造しているモデルです。

オーテックジャパンは日産直系のメーカーで、ディーラーで販売されるカスタマイズモデルや特別仕様車を作っているので、知っている人も多いのではないでしょうか。

キャラバンのロングボディ・標準ルーフ車両のリアスペースにワンタッチでセットできるベッドが組み込まれていました。

ベッドは両サイドに収納されていて、壁から降りてくるように展開できます。センターにはオプションの脱着式テーブルがあり、リビングスペースとして利用できるようになっていました。

現行モデルのキャラバンマルチベッド、ベッド展開

両サイドから降ろしてきたベンチのセンターにプレートをセットすると、縦1760mm×横1510mmのベッドが完成します。

クルマのボディ全長は4695mmなのですが、セカンドシートを使用できる状態のまま、この広さが確保できるのは便利。車内の荷物をあちこちに移動することなく、簡単に就寝できそうです。

ベッド・ベンチの生地

日産直系だからできたのは、ベッド・ベンチの生地にクルマと同じものを使っている事。しかもベースグレードに合わせて、2種類を選べるので、車内の統一感はバッチリです。

シート生地と合わせるだけであれば、カバーをつけるなどで対応できますが、ドアパネルなどに利用されている生地と同じ、というのは純正感がとても高いです。

シンプルなベッドシステム

シンプルなベッドシステムはフレームなどがセットされていないので、シンプルで扱いやすいモノに仕上がっています。

床下もスペースが確保されていて、350mmの高さがあります。これならベッドやベンチを使用しても、広いラゲッジスペースが確保できるようになりました。

フロアパネルも汚れが付きにくい仕様になっているので、アウトドアの遊び道具をどんどん詰め込んでも心配ありません。

シンプルでワンタッチ展開できる仕様で、その使い勝手もライトなカジュアル感を演出する日産キャラバンマルチベッドでした。普段使いしながら、手軽に車内でくつろぐにはちょうどいい仕様かもしれません。

日産の提案するマイルームスタイル

日産のマイルームコンセプト

もう一台のクルマがマイルームコンセプトというモデルでした。キャンピングカーというよりは、モデルルームのような、もはや部屋です。

こちらは日産が企画して作ったコンセプトモデル。ベースは日産キャラバングランドプレミアムGX。ボディサイズは4695×1695×1990mmで扱いやすいサイズのベース車両です。

日産のマイルームコンセプト、ミニマルデザインなモダンリビング

外装はノーマルと変わりませんが、中が別世界でした。素敵な部屋を載せた「どこでもMY ROOM」がデザインコンセプトモデルだそうです。

ミニマルデザインなモダンリビングの中におしゃれなソファが1つ。格子状になったストレートなラインテクスチャーが室内の統一感を出しています。

センターのダウンライトに加え、フロア、サイドから間接照明が、室内全体を照らし、くつろぎの空間となっていました。

日産のマイルームコンセプトの収納ボックス

壁の格子を使って収納ボックスがセットされていて、自分の好きな位置へ移動することもできます。ボックスの間を棚のように使えば、壁全体が収納スペースにもなります。

日産のマイルームコンセプトの移動式テーブル

下の棚がスルスルっと迫り出してきて、逆側の格子にハマることで、テーブルとしても利用できます。

試しにテーブルセットをしてみると、軽く天板が回転してくれて、セットされるとガッチリとした剛性を出していました。

日産のマイルームコンセプト、ベッド展開

閉まっていた左側の壁にはベッドが収納されていました。こちらも簡単に操作できて、力をそれほどかけることなく開閉ができます。

その力加減が不思議と軽くなっていて、ヒンジ部分に工夫があるようでした。重心を考えて支点が支えられていて、ベッドマットを持ち上げて重たくなるころ、重心が移動して重さを軽減してくれるのです。メーカー設計の凄さを感じてしまいました。

日産のマイルームコンセプト、窓とブックシェルフ

ベッドマットが展開されると、左側の壁には窓が現れ、その下にはブックシェルフが取り付けられていました。

こちらのデザインも室内と合わせるように、モダンリビングスタイル。そこにベッドがあったことを忘れさせるような、統一感のあるデザインになっていました。

自動車メーカー日産のキャンピングカーへのアプローチ

デスクワークの様子

日産ブースではオーテックのキャラバンマルチベッド、日産自動車のマイルームコンセプトの2台が展示されていましたが、その使い勝手をイメージしやすい演出も行われました。

モデル2人が登場して、移動しながら、好きな場所で過ごす様子を見せてくれたのです。自由に行動できる機動性、どんな場所でも自分の部屋を持ち運んでいる快適性がよく分かる内容でした。

パソコンを広げて、デスクワークなど、リモートワークにも使える環境も、現在の社会状況にあっているのかもしれません。

ソファーに腰をかけてリラックスしている様子

ソファーに腰をかけてリラックスしている様子は、家の中を覗いているようでした。素敵な部屋を載せた「どこでもMY ROOM」のコンセプト通りの光景です。

若い2人が自分らしいライフスタイルを送っている様子がイメージできます。この使っているシチュエーションを見せてくれたのは、長年、普通乗用車を展開してきた日産自動車の巧みなマーケティングを感じます。

会場にはスペック表の下に「CRAVAN MYROOMを一緒に作りませんか?」の言葉と一緒にQRコードが掲載され、リンクへ飛ぶと、アンケート画面が出てきました。
そこには

  • デザインで好きなところ/好きではないところ
  • オプションで追加してほしい機能や装備
  • 家庭用100Vコンセントがあればどのような家電製品を積みたいか
  • 誰と出かけたいか
  • どんな用途で使いたいか
  • クルマの価格の妥当金額

などの質問がありました。

コンセプトモデルを展示して、使い方をイメージしてもらい、自分だったらどのように利用するのかを聞いてくるのです。これなら、ちょっとキャンピングカーが気になっている、潜在的ユーザー層へのアプローチも完璧です。

このような展示をみていると、社会的ニーズなどを踏まえ、日産自動車が本気でキャンピングカーへ参入する日も近いのかもしれない、と感じてしまいます。

WRITER PROFILE
渡辺圭史
渡辺圭史(わたなべ・けいし)

1971年東京生まれ。アウトドア好きな編集者、そして、算数が好きだったライター。アウトドア用品メーカー、出版社を経て、キャンピングカー専門誌編集長に。現在はフリーとして、いろいろなメディアにて執筆中。アウトドアをキーワードに、より楽しいライフスタイルを求めてゆるりと奮闘中。最近気になっているワードは、旅、ミニマリスト、車中泊。趣味はコンパクトな旅とモノづくり。

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