東京キャンピングカーショー2020で印象に残ったモデルをピックアップ

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キャンピングカーの展示会が延期・中止されるなか、ひさしぶりに関東で大きなキャンピングカーショーが開催されました。2020年9月19〜21日の3日間、幕張メッセで行われた東京キャンピングカーショー2020です。いつもであれば、会場は東京ビックサイトなのですが、2020年は変更され、開催場所が幕張メッセとなりました。

例年、東京キャンピングカーショーでは、新車を発表するメーカーも多く、ユーザーから注目されている展示会でした。規模は小さくなってしまいましたが、今回も新車発表やニューモデルの展示、新技術の公開など、数々の話題がありました。そこで、東京キャンピングカーショー2020の会場で見つけた、気になった車両と技術などを紹介します。

バンライフを実現できるぴったりサイズのキャンピングカー

会場で初お披露目のモデルが数台ありました。そのなかで注目したのが、ダイレクトカーズのリトリートミニマックレーのディアラボックス。気軽にキャンピングカーライフを楽しめそうな、お手軽さを感じるモデルでした。

ダイレクトカーズ・リトリートミニ

ダイレクトカーズ・リトリートミニの車内

木目の室内が美しいビンテージシリーズの軽自動車バージョンです。ホンダN-VANがベース車両となりますが、車内はしっかりとウッドで覆われています。天井の木目が美しく、車内に入ると、木に囲まれて、ゆったりとくつろげる空間になっています。

ダイレクトカーズ・リトリートミニの外観

レイアウトは1人旅にピッタリ。会場のクルマには、ペット用のケージがディスプレイされていましたが、わんちゃんと一緒に旅行するのも、ちょうどいいサイズです。インテリアは木材なので、お好みのパーツを取り付けて、自分スタイルにアレンジするのもいいでしょう。

リトリートミニ諸元

ベース車両
N-VAN Gグレード
エンジン
ガソリン0.66L
駆動形式
2WD
寸法
全長3,390mm/全幅1,470mm/全高1,940mm
定員
乗車定員4名/就寝定員2名
価格
¥2,290,000(税別)~

マックレー・ディアラボックス

マックレー・ディアラボックスの車内

マックレーと言えば、電気設備の充実したモデルが有名です。その上位機種に装備されている強力な電力システム譲りの、Vスペックライトをオプションで選べる日産NV200ベースのバンコンモデルです。

マックレー・ディアラボックスの外観

VスペックライトはエンジンのアイドリングでAC100Vを取り出し、出力1500Wまで高めるシステム。サブバッテリーがなくても、アイドリングだけで電子レンジなどを使える強力な電力システムなのです。バッテリー充電できない時、災害時などに役立ちそうです。

ディアラボックス諸元

ベース車両
日産NV200
エンジン
ガソリン1.6L
駆動形式
2WD
寸法
全長4,440mm/全幅1,695mm/全高1,855mm
定員
乗車定員2名/就寝定員2名
価格
¥2,938,000(税別)~

気になる車両がようやくユーザーの目の前に

YouTubeやブログではすでに発表されていながら、実車を見る機会がなかったモデルも人気でした。特に、ミスティックのレジストロクコバンテック厚木のpuppy480など、多くの来場者が注目していたようです。

ミスティック・レジストロクコ

ミスティック・レジストロクコの車内

スズキハスラーと一緒にディスプレイされていた、コンパクトでおしゃれトレーラーです。アメリカンテイストのテクスチャーで、インテリアからエクステリアまで、そのデザイン性の高さが目を引きます。最大の特徴は軽自動車で牽引できること。もちろん、けん引免許も必要ありません。

ミスティック・レジストロクコの外観

室内は外観からは想像できないほどの広さを感じます。しっかりと断熱処理された壁に覆われているので、外気温の影響を受けにくく、オプションの12Vクーラーを取り付ければ、夏でも快適に過ごせるそうです。手軽に本格的なトレーラーライフをスタートさせるのにちょうどいいモデルではないでしょうか。

レジストロクコ諸元

寸法
全長3,525mm/全幅1,700mm/全高2,240mm
定員
就寝定員3名
免許区分
牽引免許不要
価格
¥2,180,000(税別)~

バンテック厚木・puppy480

puppy480の車内

カムロードベースのキャプコンで、バンテック厚木オリジナルのモデルです。バンテック厚木はバンテックの代理店としてスタートしましたが、軽カーゴキャンパーPuppyやこのPuppy 480をオリジナルモデルとして独自に製造販売しています。

puppy480の外観

Puppy 480の最大の特徴はナローボディ設計であることです。全幅が1740mmしかありません。他社同クラスのモデルよりも約200mmもコンパクト。国内の道路事情に合わせて、運転のしやすさを重視したそうです。とはいえ、室内は広々としていて、ベッド長は190cmを確保しているので、十分な広さといえるでしょう。

puppy480諸元

ベース車両
カムロード
エンジン
ガソリン2L
駆動形式
2WD
寸法
全長4,850mm/全幅1,740mm/全高2,750mm
定員
乗車定員7名/就寝定員4名
価格
¥5,980,000(税別)~

新しい技術でニューモデルへの期待も

キャンピングカーショーではニューモデルばかりでなく、各メーカーの技術的な取り組みを確認するのも楽しいものです。今後発表されるニューモデルへの期待や、新しいアイデアを発見できるかもしれません。

ケイワークス・エレベーター式ポップアップルーフ

ケイワークス・エレベーター式ポップアップルーフ

ケイワークスでは初となる、水平昇降のエレベーター式ポップアップルーフが展示されていました。まだモデルとしてのラインアップは揃っていませんが、今後、このスタイルのポップアップモデルが登場するそうです。

ケイワークス・エレベーター式ポップアップルーフの外観

室内高が1850mmになり、室内空間を平均的に広げてくれるので、車内での移動がスムーズです。ベッドスペースまでは必要ないけど、バンコンでありながら、室内を立って歩き回れる広さが欲しいユーザーにはピッタリではないでしょうか。

リンエイ・マイクロバカンチェスひとり旅専用オプションAC100Vスポットクーラー

リンエイ・マイクロバカンチェスの車内

快適な旅のためにスポットクーラーを組み込んだモデルが展示されていました。毎年のように酷暑を迎えるようになり、夏場の車中泊は厳しくなっています。そこで、クーラーが注目されているのですが、軽キャンパーへの設置は困難と考えられてきました。そんな常識を覆すモデルです。

リンエイ・マイクロバカンチェスの外観

組み込まれているのはスポットクーラー。狭い車内では暑い排気を逃さなければいけません。そこで、しっかりと配管して、熱を外に逃がす設計が施されていました。また、軽自動車という限られた空間なので、取り付け場所も工夫されていました。来年の夏はこれで涼しく過ごせるかもしれません。

WRITER PROFILE
渡辺圭史
渡辺圭史(わたなべ・けいし)

1971年東京生まれ。アウトドア好きな編集者、そして、算数が好きだったライター。アウトドア用品メーカー、出版社を経て、キャンピングカー専門誌編集長に。現在はフリーとして、いろいろなメディアにて執筆中。アウトドアをキーワードに、より楽しいライフスタイルを求めてゆるりと奮闘中。最近気になっているワードは、旅、ミニマリスト、車中泊。趣味はコンパクトな旅とモノづくり。

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