あなたはなぜキャンピングカーのユーチューバーになったのですか?

メーカー・販売店インタビュー
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1月31日から2月2日まで、ジャパンキャンピングカーショー2020が幕張メッセで開催されました。国内最大のキャンピングカーショーで、たくさんのクルマと来場者が集まり、会場は人で溢れていました。そんななか、目立っていたのが、動画を撮っている人たち。

GoProなどの動画用撮影機材を手に、キャンピングカーを撮影する姿が目立ちます。室内の様子を詳細に撮影していたり、動画でクルマを記録する人が増えたのかもしれません。個人的な撮影と思われる人も多かったのですが、やはり、ユーチューバーの姿もありました。

そこで、今回はキャンピングカー系ユーチューバーの方に声をかけて、インタビューをしてみました。みなさんがどうしてキャンピングカーを撮影しているのかなど、素朴な疑問を投げかけてみました。

ケンキャン

キャンピングカーと社員研修

まず最初に見つけたのは、キャンピングカー系ユーチューバーでは有名なケンケンさんです。大柄な体と軽キャンという組み合わせが特徴的なケンキャンというチャンネルを運営しています。根っからのアウトドア好きで、最初はキャンプ動画をアップしていたんですよ。

子供のころから狭いところが好きだったおかげで、キャンピングカーに乗りたいと思った時、候補にあがったのが軽キャンだったといいます。そこで、情報検索でユーチューブを検索してみると、ユーチューブでは軽キャンの情報がほとんどなかったそうです。

あまりにも軽キャンの情報にヒットしなかったことに不便を感じたといいます。その時の思いがキャンピングカーユーチューバーのスタートだったと振り返っていました。「私は近くにビルダーがあったのでよかったのですが、クルマを見られない人がいるはずと感じました」と言っています。

あえて大きな体をいかした映像

撮影中のケンケンさん

アップされる映像は車両紹介や旅モノがメインですが、他のユーチューバーと違うのは、レビューするケンケンさんの体の大きさではないでしょうか。身長185cmもあるので、クルマによっては狭く感じてしまうことがあるかもしれません。

それでも、あえて自身がレビューする理由は、同じ境遇の人が少なからずいることだからといいます。「ケンケンさんが寝られるなら、私も大丈夫」という声が多く届いているといいます。また、軽キャンで生活している様子を見て、スペースへの不安を感じなくなる人もいるそうです。

ひとりからふたりへ

ケンケンさんとやまめさん

ケンキャンはこれまで、ケンケンさんひとりの映像が多かったのですが、今後は新人やまめさんと、2人の映像が増えるそうです。2人での旅行などもどんどんアップしていきたいといいます。2人で行動することで、より自然な映像が取れるのではとケンケンさんも期待しています。

さらに「これまでは常に1人で行動していたので、楽しいことがあっても、どこか冷めた雰囲気になっていました。でも、2人だと旅先での感動を共有できるのがいいですよね」とも。これからも、楽しさを追求した映像をどんどんアップしたいというので、今後が楽しみです。

キャンピングカーTV

キャンピングカーTVのタックルさん

テンポ良い口調で、キャンピングカーのレビューをしているキャンピングカーTVTackleさん。三脚を立てて、カメラに向かう姿は有名な光景です。キャンピングカーのレビューに特化した映像で、さまざまなメーカーのクルマを幅広く紹介しているチャンネルです。

キャンピングカーに特化する理由を聞いてみると、「キャンピングカーのことを知るため」だったそうです。友人のキャンピングカーを使って、レンタルキャンピングカー事業を始めたTackleさんは、まず最初に、自身がクルマの知識を付けないといけないと感じたそうです。

キャンピングカーの裏側までを紹介

撮影中のタックルさん

貸出、清掃など、日々のレンタルキャンピングカーの仕事もこなしながら、動画を撮影、編集するハードスケジュールの毎日を送っているのは、簡単に想像できます。そんな業務をこなしながら、キャンピングカーのレビューに加えて、旅の様子なども紹介しているとは驚きます。

時々、ビルダーの工場見学をすることがあって、しっかりと制作現場の様子を伝えている映像がアップされています。キャンピングカーが生まれてきた背景を紹介している動画はキャンピングカーTVらしい、チャンネルの特徴ともなっています。

国内キャンピングカーの発展とともに

キャンピングカーショーなどは、特に撮影に気を使うといいます。映像を撮ることで、他の人に迷惑がかかっていないかを常に気にしているのです。キャンピングカーを見に来ている人が主役であって、映像を撮る人が邪魔になってはならないといいます。

そんな気遣いを忘れないTacleさん。そこまで一生懸命に撮影する目的を聞いてみたら「日本のキャンピングカーの進化と一緒に成長したいと考えています。キャンピングカーは常に進化しているので、この発展の過程を映像に残していきたいんです」と語ってくれました。

みるみるランド

みるみるランドさん

2人で映る姿とその掛け合いが特徴的なみるみるランドさん。自分たちが面白いと思ったことを撮影してきただけといいます。最初は美容系などもあったそうですが、以前から興味のあったキャンピングカー動画をアップしたところ、視聴者さんの反応が良かったので、キャンピングカー動画がメインになってきたといいます。

紹介するクルマのバリエーションは豊富です。軽キャンからキャブコンまで、幅広いジャンルがまんべんなく映像化されています。これは、クルマが偏らないように気をつけいるからだそうです。実際に人がクルマに入って紹介するスタイルで、サイズ感や使い勝手などをダイレクトに感じる、みるみるランドらしい演出といえるのではないでしょうか。

男女それぞれの視点を取り入れたレビュー

撮影中のみるみるランドさん

よく夫婦ではと言われるそうですが、ご夫婦ではないそうです。泊まりも別々というスタンスで、かえって珍しいシチュエーションが成立しています。だからこそ、レビューや企画に特徴があって、男女の見方がはっきりと別れているとも言えます。視点がまったくずれている意見など、カップルでは出せない味を感じてしまいます。

2人にとって印象的な取材となったのは、ドイツキャラバンサロンだったそうです。ヨーロッパへ渡る前に、カナダでキャンピングトレーラーの旅を体験し、そこから、ドイツに渡った旅でした。このロングキャラバンは動画としても公開されていますよ。

本場のキャンピングカーライフを体験し、そのスケールの大きさに驚いた2人。国内のキャンピングカーを外から見ることができたことも貴重な体験だったといいます。

ビルダーの思いを伝えるメディアとして

最近、キャンピングカーショーなどで、いろいろな人に声をかけられることが多くなったといいます。ビルダーとのつながりも増え、ビルダーの思いをしっかりと聞けるようになってきたと実感しているそうです。そして、その思いを視聴者に伝えられるようになったことは、大きな変化だったといいます。

これからはキャンピングカーに貢献したいという2人。いろいろな場所に行って、地方らしい良さなどを伝えていくそうです。キャンピングカー関係の人々のやさしい人柄が好きだ、という2人、今後は、たくさんの人と交流できるオフ会も予定しているといいます。

キタローちゃんねる

キタローさん

北海道やスキー旅行など、キャンピングカーを使った遊び動画をアップしているキタローちゃんねる。映像に映る、そのアクティブな行動力は、キタローさんの体験そのもの。なんと、北海道でのキャンプは300泊以上。学生時代のバイク&キャンプからスタートしているそうです。

もともと、キャンピングカーのレンタルや販売をしているNEXT LIFEをやっていたので、キャンピングカーの使い方や北海道などのルートなど、プロの立場でしっかりと紹介したかったと言います。そんな時、キャンピングカーの使い方などを紹介するチェンネルが少ないと感じたことが、チャンネルスタートのきっかけでした。

キャンピングカーを乗り継いで12台目!

キタローちゃんねるのキタローさん

キタローちゃんねるの強みは、いろいろなキャンピングカーに接してきた経験です。しかも、自分でキャンピングカーを作って、販売しているとは、唯一のユーチューバーといっていいでしょう。キャンピングカーを所有した台数も多くて、今のクルマがなんと12台目!

キャンピングカーのいいところ、悪いところ、すべてを知っているので、キャンピングカーのコアな情報が出てきそうです。スタートして間もないですが、今後の展開が楽しみなチャンネルです。

ぜひキャンピングカーで子育てを

キタローちゃんねるでは娘さんとの北海道旅行がアップされていました。そこには「キャンピングカーで子育てしてほしい」というメッセージが込められているようです。今後はキャブコンのリフォームなど、実際にキャンピングカーに触れた、リアルなキャンピングカーライフを紹介するチャンネル展開を目指すそうです。

本業のレンタル事業ではキャプテンスタッグのラッピング車両を作成したり、おもしろいクルマが展開されています。こちらも注目したいですね。

ユーチューバーの皆さんのチャンネル

ケンキャン
キャンピングカーTV
みるみるランド
キタローちゃんねる
WRITER PROFILE
渡辺圭史
渡辺圭史(わたなべ・けいし)

1971年東京生まれ。アウトドア好きな編集者、そして、算数が好きだったライター。アウトドア用品メーカー、出版社を経て、キャンピングカー専門誌編集長に。現在はフリーとして、いろいろなメディアにて執筆中。アウトドアをキーワードに、より楽しいライフスタイルを求めてゆるりと奮闘中。最近気になっているワードは、旅、ミニマリスト、車中泊。趣味はコンパクトな旅とモノづくり。

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