評判のポータブル電源エコフローで卓上IHクッキングヒーターを使った鍋料理に挑戦

キャンピングカーと食
, , , ,

評判のポータブル電源エコフローで卓上IHクッキングヒーターを使った鍋料理に挑戦

これまでポータブル電源IHクッキングヒーターを使って、いろいろな料理に挑戦してきました。ほとんどがクルマの中での調理だったので、限られた電気を効率よく使うために、常に省エネを考えてきました。

でも、実際にポータブル電源を使う時、そこまで気にするかな?と疑問に思ったので、普段通りの電気利用で、どのような消費電力になるのかをチェックしてみたいと思います。

それほど、電気の使用量が変わらないのであれば、省エネを気にしなくてもいいのでは。そんなことを考えながら、ポータブル電源とIHクッキングヒーターを使った料理をしてみました。しかも、今回は家庭用炊飯ジャーを使って、ごはんまで炊いています。

さあ、気にしないで電気を使った時のポータブ電源の実力はどのようなものだったのでしょうか?

カルディ縛りで食材をゲットして、軽くルールを設定

ムール貝、野菜ミックス、スンドゥブチゲの素

今回は寒い季節にピッタリの鍋に挑戦です。キャンピングカーで調理することを想定した簡単レシピです。でも、しっかりと電気は使わせてもらいます。

食材はカルディで購入してきました。アジアやヨーロッパなど、いろいろなエリアの食材がたくさんあって、棚をみているだけでも楽しいショップです。

せっかくなので、このカルディだけで揃えた食材を使うことにします。

大きなショッピングセンターに入っていることが多いので、旅を続けているキャンピングカーユーザーにも入手しやすく、イメージしやすいのではないでしょうか。

買ってきたのはムール貝、野菜ミックス、スンドゥブチゲの素など。特に冬の鍋は体が温まるキムチ風が合います。

いざ調理開始!のはずがトラブル発生

残量が少ないポータブル電源

食材も揃って、テーブルの上を片付け、ポータブル電源の写真でも撮影しようとしたら、なんと、残量がほとんど残っていませんでした。

そこで、急きょ、充電開始です。使用したポータブル電源はエコフローのEFDELTA(イーエフデルタ)です。電気容量は1260Whの大容量タイプ。

今日は撮影できないかな、と思っていたのですが、本体にX-Streamテクノロジーという機能が組み込まれていて、充電が早い!1時間ちょっとで満充電というスピードでした

ポータブル電源に炊飯ジャーとIHクッキングヒーターを接続

ポータブル電源に炊飯ジャーとIHクッキングヒーターを接続

サクッと充電できたので、気を取り直してクッキングスタートです。研いだお米を入れた炊飯ジャーをイーエフデルタに接続します。

AC電源のアウトレットコンセントはディスプレイとは逆の裏側にあります。ACの電源ON/OFFスイッチも同じ側にあるので、コンセントを接続した側のスイッチをオンする、と覚えておけば暗闇でもスムーズに使えそうです。

さて、改めて今回使用する家電の仕様を確認したいと思います。

炊飯ジャーはIHタイプの5合炊きで消費電力は

炊飯時消費電力 1230W
1回あたりの炊飯時消費電力量 172Wh
1時間あたりの保温時消費電力量 15.1Wh

となっています。最近の家電には消費電力量がWhの表示で出ているので、ポータブル電源を使う人にとってはありがたいです。

例えば、この炊飯ジャーでお米を炊いた時、172Whの電気を消費するので、イーエフデルタの容量1260Whを172Whで割って、約7回のごはんが炊ける計算になります。

もちろん、交流電流にした時のロスなども考えると、そのまま計算はできないのですが、おおよその利用回数は分かります。1日3食ごはんを炊くのであれば、2日は保つかな、という判断もしやすいです。

次にIHクッキングヒーターの消費電力をみていきましょう。こちらは

定格消費電力 1400W
火力調整 加熱モード6段階(火力)80W相当(500W間欠動作)〜1400W

となっていました。

IHクッキングヒーターを選ぶ時に気をつけるポイントがこの仕様のなかに隠れています。実は上に書いてある500W間欠動作というのがやっかいなんです

出力を絞れば、自分が持っているポータブル電源を利用できると思って、この80W相当だけをみてIHクッキングヒーターを買ってしまう人がいるのです。

ここでの表現は、出力500Wをオンオフを繰り返しながら通電して、1時間の平均で見ると80Wぐらいになるかな、程度の数値になっています。

なので、火力の最低出力が80Wであれば、最高出力300Wのポータブル電源で使えるというのは間違いとなります。

さて、この2つの家電を迎え撃つのは、エコフローのイーエフデルタ。そのスペックは

バッテリー容量 1260Wh
AC出力(x6) 合計 1600W(サージ 3100W)
AC充電入力電力 最大1200W

です。AC出力が合計で1600Wということは、上の炊飯ジャー1400WとIHクッキングヒーターの1400Wを同時に使うと2800Wになってしまい、使えないのでは?と思うかもしれませんが、ご安心ください。その後ろにサージ3100Wと書いてあって、瞬間最大出力が3100Wあることを示しています

これだけ余裕があれば、ある一定の時間2800Wになってしまってもカバーできるということです。

ポータブル電源でIHクッキングと炊飯を同時にしてもお米は美味しく炊けるのか

985Wの出力表示

では早速、調理開始です。まずは炊飯ジャーの電源をON。するとすぐに985Wの出力表示となり、一番左の連続利用時間が1時間となってしまいました。

ポータブル電源のシステム

でも、家電は起動電力といって、動き始める時に大量の電気を消費することがあるのですが、すぐに落ち着いて、消費電力は少なくなってきます。

この起動電力に対応しているのが、上で説明したサージです。ポータブル電源のシステムによって違うのですが、大きな電気消費の家電であればあるほど、この起動電力が大きくなる傾向があります。なので、自分が使いたい家電の瞬間的な消費電力も調べておくといいでしょう。

鍋も一緒に調理

今回はポータブル電源を酷使したいので、鍋も一緒に調理していきます。具材をすべて鍋に入れて、IHクッキングヒーターの電源をON。鍋は厚みのあるステンレスタイプを使っています。

鍋を調理中

IHクッキングヒーターは鍋の中を見ながら火力を調整して、いい火加減になった頃確認してみると、約500Wの消費電力となっていました。

意外と消費電力が少なかったです。同時にごはんも炊けて、イーエフデルタのディスプレイに表示されている数値からは、まだまだ電気使えます、といった感の余裕すら見せていました。

炊飯器の中のご飯

今回のテストで一番気になったことは、ポータブル電源から複数出力している状態で、ごはんがおいしく炊けるのか、ということでした。

お米がグルグルと釜の中を回っているときに、IHクッキングヒーターの出力が上がって、炊飯ジャーの動きに変化が起きないか心配していました。

でも、炊き上がったごはんを見てみると、そのような心配は必要なさそうです。おいしそうなごはんができていました。

鍋を温めながら炊飯ジャーの保温までするとやはり電気残量が気になる

イーエフデルタの電気残量は80%

火の通りやすい葉っぱ系を鍋に入れたら、IHクッキングは終了です。この時点でイーエフデルタの電気残量は80%を切ったぐらい。

電気のことを気にせず利用して、意外と電気が残ったな、というのが正直な感想です。

今回は鍋だけだったので、おかずの品目を増やせば、調理に使う電気量も多くなるので、電気の残量はもっと減ることでしょう。でも、炊飯ジャーと鍋だけであれば、この程度の消費で済むようです。

ごはんと鍋

しかし、ここからが本番でした。炊飯ジャーは保温を続け、温かい鍋のためにIHクッキングヒーターが動いているので、ポータブル電源のスイッチを切れないのです。

消費電力は少なくても、会話の途中でディスプレイの電気量が減っていくのが気になってしょうがないです。

具材を鍋に入れるだけの時短レシピだっただけに、明らかに食事している時間の方が長い。そして、食事を終えた時点で、イーエフデルタのディスプレイを見てみると、電気残量は50%。

上の消費電力の計算では7回も炊飯できる、と思っていたのに。実際のところは、同じような調理&食事が1回しかできない計算です。

キャンピングカーであれば、この後、どのようにして電気を確保するのかがポイントとなるでしょう。ポータブル電源を自宅で充電して運用する人は、もう少し余裕がほしい、と感じるかもしれません。

結局は省エネを考えて電気を利用するか、もっと大容量のポータブル電源を手に入れるか、自分の使い方と照らし合わせて、考えなければいけないようです。

WRITER PROFILE
渡辺圭史
渡辺圭史(わたなべ・けいし)

1971年東京生まれ。アウトドア好きな編集者、そして、算数が好きだったライター。アウトドア用品メーカー、出版社を経て、キャンピングカー専門誌編集長に。現在はフリーとして、いろいろなメディアにて執筆中。アウトドアをキーワードに、より楽しいライフスタイルを求めてゆるりと奮闘中。最近気になっているワードは、旅、ミニマリスト、車中泊。趣味はコンパクトな旅とモノづくり。

キャンピングカーライター一覧へ

キャンピングカーと食
, , , ,

レンタルキャンピングカーネット