
ロッキー2が、ミニバンや軽自動車をベースにキャンピングカー仕様へカスタムして展開しているのが「MOUNTAIN VILLAGE」です。ベース車本来の使い勝手を残しながら、車中泊に対応する装備を加えています。
日常と旅を分けず、その延長線上で使えるクルマを「トラベルワゴン」と位置付け、エヌバン、フリード、ステップワゴン、デリカへ対象を広げてきました。その範囲は、軽自動車からミニバン、オーバーランダー風のクルマにまで及びます。
ステップワゴンMV(MOUNTAIN VILLAGE)は、ミニバンらしい外観とインテリアを残したモデル。通勤や送り迎えに使う普段の姿は変えず、車内には旅先で過ごすためのキャンパー装備を組み込みました。さらに、エンジンを止めた状態でも使えるエアコンも装備可能です。
一見すると通常のステップワゴンですが、車内はキャンパー仕様へ変わっていて、これまで積み重ねてきた架装と電装の技術が細部に生かされています。限られた空間で、キャンパー装備と普段の使い勝手をどう両立したのか。ステップワゴンMVの魅力をチェックしてみましょう。
普段乗りの外観に収めたステップワゴンMVのエアコン
ステップワゴンMVは、ベース車の外観をほぼ変えずにキャンパー架装を施したモデルです。見た目だけではキャンピングカーとは分かりにくく、普段乗りにも使いやすいデザインです。
一般的なキャンピングカーと比べると、ステップワゴンなどのミニバンはカスタマイズ用のアフターパーツが多く用意されています。ホイールなどを交換でき、自分の好みに合わせて外観をカスタムできる点も、ミニバンをベースに選ぶことのポイントになりました。
室内の天井にはコンパクトなエアコンの室内機を組み込み、ミニバンの車内で使える冷暖房設備が完備されていました。この車両に装着されたルーフエアコンは冷房と暖房の両方に対応し、消費電流は冷房40A、暖房50Aで、エンジン停止中も使えます。
別車両となりますが、ロッキー2でテストを行っています。設定温度25℃、外部電源なし、エアコン以外の電気製品は未使用という条件で、約16時間30分の運転テストを行いました。
バッテリー残量は99%から、終了時は3%という消費ペース。消費電力から計算しても長時間の運用ができたのですが、これは途中で電気消費を抑えた運転が行われていたと考えられます。
夕方から翌朝という時間帯でしたが、車内温度はおおむね23~25℃台を保ち、終了時は車外38.1℃に対して車内24.2℃という結果を残しています。
エアコンの室外機はルーフ後方に取り付けられ、ルーフキャリアとほぼ同じ高さに収まっています。本体はボディと同じカラーで塗装され、ミニバン本来のエクステリアデザインを大きく変えません。
配線や配管も外側へ露出せず、室外機の周辺はすっきりと整理されています。全高への影響が少ないため、高さ制限のある駐車場でも利用できる場所が多そうです。
ベッドとダイニングを備えたMOUNTAIN VILLAGEの室内
キャンパー架装を施した車内は、ステップワゴンの純正トリムやインテリアを残していました。ミニバン本来の空間へ家具やエアコンを組み込みながら、追加した装備による圧迫を抑えるよう、きれいにまとめられています。
普段乗りの使い勝手がキープされているので、旅行だけに用途を限定せず、通勤や送り迎えにも使えるのが便利。外観からキャンピングカーとは分かりにくく、日常の移動で周囲の目を気にすることもありません。
セカンドシートを倒し、その上へマットを敷くとベッドスペースが完成。ベッドサイズは全長2,100mm、全幅は前方1,250mm、後方1,000mm。大人2人が横になれる広々サイズの就寝スペースが生まれるのです。
リア両サイドにはキャビネットが装着されています。左側には5連スイッチパネル、ボルトメーター、USBポート、AC100Vコンセントなどを配置し、車内で扱う電装類を一カ所へ集約。
ベッドマットをアレンジすれば、リア部分を向かい合って座れるダイニングレイアウトへ変更できます。中央には取り外し可能なフレキシブルテーブルが設置され、2人でゆったりと使えます。
テーブルの天板は、左右に配置されたサイドキャビネットの天板と同じデザインでそろえています。シート生地も好みに応じてセレクトでき、家具とシートを含めた車内全体を自分のスタイルに合わせられる仕様です。
着脱できる家具と床下まで整えたキャンパー架装
リアに設置されたカウンターテーブルは、用途に合わせて取り外すことも可能。リアゲート側へ向かって座れば、車内から外を眺めながら飲み物を楽しめます。
カウンターは車外からも手が届きやすい高さに設計され、リアゲートを開けて過ごす際には、小物などを置く場所としても使えます。
リアカウンターテーブルを取り外した際に、固定部分を隠すカバーも用意されています。テーブルを使わないときも、キャビネット上部の見た目を損ないません。
カウンターの固定部分に使われているビスは、家具になじむブラウン系で統一されています。テーブルの着脱に関わる細かな部品にも、周囲から浮かない色が選ばれました。
リアには、ミニバンとして荷物を積めるラゲッジスペースがそのまま残されています。黒いベッドフレームは車体側へしっかりと固定され、ベッド展開時にはマットを安定して支える仕組みです。
ベッド下には、電装品やFFヒーターがコンパクトに収められています。必要な機器を床下へ集約することで、リアの収納スペースを確保し、ミニバン本来の積載力を保っています。
ミニバンへのエアコン搭載を支えるロッキー2の技術
上で紹介した室内機は冷房と暖房の両方に対応するモデルですが、こちらの写真は冷房専用のクーラーです。室内側への張り出しはわずか1.5cmで、天井から出ている部分を室内灯と同じ程度に抑えているのが特徴。
配管と配線は室外機側と一体にまとめられ、インテリアへ露出する部分もありません。車内を移動する際にも頭上へ大きな機器が張り出さず、クーラーの存在をほとんど意識しない室内です。
エンジン停止中にエアコンを動かすには、電源システムの強化が欠かせません。ロッキー2では、ミニバンへリチウムイオンバッテリーを組み込み、停車中に使うエアコンへ必要な電力を供給します。
これまで数多くのリチウムイオンバッテリーを扱い、車両へ組み込むためのノウハウを蓄積してきました。現在はオンリースタイルと共同で、ミニバンへ組み込みやすいオリジナルのリチウムイオンバッテリー開発を進めています。
バッテリーを含む電源システムは、室内の収納を圧迫しないように床下へ収められています。各機器の周囲を頑丈なフレームで囲み、外部から力が加わった際にもバッテリーや配線を守れる構造へ仕上げました。
内部の配線は性能面を考慮しながら、ケーブルが乱れないようにきれいに整理されています。普段は見えない部分にも見た目の美しさを求める姿勢に、キャンピングカーのメンテナンスを長年続けてきた経験が現れているのです。
ロッキー2が展開するエアコンは、独自のルートで開発を続けてきたオリジナルアイテムです。日本の軽自動車やミニバンへ取り付けられる仕様を考え、日常で使うクルマであっても旅に使える機能を加えるための取り組みを進めてきました。
ミニバンにもエアコンが求められるようになり、キャンピングカー仕様のあり方も変わりつつあります。今回のモデルは、車内で休憩するときだけでなく、犬を連れて移動する際にも、エンジン停止中にエアコンを使用できます。通勤や送り迎えに使うミニバンでありながら、常に快適に過ごせる装備を備えたステップワゴンMVは、日常と旅を意識せずに使える、まさに「トラベルワゴン」といえるのではないでしょうか。
- ベース車両
- ステップワゴン
- エンジン
- e:HEV/ガソリン
- 駆動形式
- FF/4WD
- 車体サイズ
- 全長4,800mm/全幅1,750mm/全高2,090mm
- 定員
- 乗車定員5人/就寝定員2人
- 価格
- 6,293,400円~



