VANTECHのキャンピングカーに「移動」を追求した新しいブランド「アストラーレ」が登場!

キャンピングカー紹介
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キャブコンの老舗メーカーで、先鋭的なモデルを次から次へと世に送り出してきたVANTECHから、新しいブランドASTRARE(アストラーレ)がリリースされました。

これまでのVANTECHラインアップとは一線を画すシリーズで、少し違った味付けが感じられるモデルです。2025年のジャパンキャンピングカーショーの会場ではシリーズの5モデルが展示されていました。

このアストラーレとはどのようなブランドなのか、詳しく紹介します。

走ることを目的にしたキャンピングカーブランド「アストラーレ」

新ブランド、アストラーレ

ジャパンキャンピングカーショー2025の会場で、VANTECHブースは例年通り、大きなスペースを確保して、さまざまなモデルを展示していました。これまでと違っていたのは、新たなブランドが登場したこと。

ブースの入り口付近で展開されていたのは「アストラーレ」というブランドです。惑星をイメージしたブースデザインで既存モデルとの違いを感じるエリアでした。

この新しいブランドの特徴は、これまでのVANTECHブランドが上質な空間を追求したくつろぎのスペースを提供していたのに対して、走りにこだわった「移動」に焦点をあてていることです。

そのブランド特性はクルマづくりに表れています。今回、会場には

  • CC1 venus(キャラバンベースキャブコン)
  • CH1 mars(ハイエースベースキャブコン)
  • GX4(ハイラックスベースキャブコン)
  • NS-BEART(キャラバンベースバンコン)
  • TRIAS480(カムロードベースキャブコン)

がアストラーレのラインアップとしてディスプレイされてました。なかでも、ブランドイメージを直感的に感じられるのが、上の写真のモデル、カムロードベースのキャブコンTRIAS480でした。

カムロードベースのキャブコンTRIAS480

ベース車両はカムロードで、ボディサイズが4800╳1960╳2700mmというコンパクトサイズ。乗車定員6名、就寝定員4+1名となっています。ベンチシートを採用したことで、限られたスペースながら広さを感じることができます。

カムロードベースのキャブコンTRIAS480の車内

家庭用エアコンなどが標準装備され、最新のキャンピングカーシステムが組み込まれていました。電子レンジも標準装備となっていて、サブバッテリーは大容量のリチウムイオンバッテリー6000whか、鉛のディープサイクルバッテリーを選択できます。エアコンも安心して利用できる環境です。

TRIAS480のマルチルーム

全長はキャブコンとしては短い4.8m。車内スペースが制限されてしまいますが、リア2段ベッド部分を完全に独立させることで、空間にゆとりが生まれました。リア2段ベッド部分の入り口にスライドドアが取り付けられていて、完全な個室として利用できるようになっているのです。

ベッドマットは分割されていて、アレンジすることで上の写真のようにベンチのような使い方も可能になっています。このスペースをマルチルームとして使えば、これまでのキャンピングカーと違ったキャンピングカースタイルを体験できるのです。

移動を考えたボディ構造がTRIAS480の最大の特徴

TRIAS480のタイヤ

コンパクトなボディに効率的な室内レイアウトを完成させたTRIAS480ですが、アストラーレのコンセプトでもある「移動」に特化した作りはエクステリアデザインに強く表れています。

ボディをまとう数々のエアロパーツデザインが、その特徴を表しています。走行時に空気がリアへスムーズに流れるように設計されていて、空力抵抗を軽減して、安定した走行を生み出すデザインになっているのです。

TRIAS480のASTRAREロゴ

リアエンド部分に、キャンピングカーの弱点でもある、立ち上がった背面の空気の乱れを調整するスポイラーを装備(オプション装備)。

両サイドには流れてきた空気を上に跳ね上げる羽が取り付けられ、中央部分にはリアカメラの手前から下方向へ空気を送り出す形状に。その2つの気流が合わさることで、安定した空気の流れが生まれるといいます。

TRIAS480のバンク形状

何気ないバンク形状も、よく見てみると、こだわりが詰まっています。両サイドが雨どい形状になっているのですが、その角度がフロントへ向けて鋭角に下がっているのが分かります。雨水を素早く掻き出し、フロントウインドーの視界を確保してくれる設計です。

そして、上部の形状部分にも注目すると、波打っている形状であることが分かります。両サイドの肩部分は直線的に落としてしまった方が造型も楽なのではないか、と思ってしまうのですが、これには理由がありました。

ソーラーパネルがルーフの上部へと収まるように、表面積を広げるために考えられているというのです。このちょっとした工夫がソーラーパネルの収まりをよくしているのでした。

TRIAS480のベンチレーター

「移動」に特化するために、空力抵抗の軽減はとことん突き詰められています。グランドレベルでの確認では気づかないのですが、ベンチレーターの出っ張りがほとんどありません。上の写真のルーフ部分を確認すると一目瞭然です。ここまで空気抵抗を考えているのです。

前出のフロント側ソーラーパネルの仕舞い込みもキレイに収まっているのが分かります。

TRIAS480のリアバンパー収納庫

収納力を補うべくリアバンパー収納庫も標準装備されています。VANTECHの特徴ともいえるリアバンパー収納庫の幅を広げたバージョンです。排出口も装備されていて、さまざまな用途に使えそうです。

幅広い用途に対応したアストラーレのキャンピングカーたち

CC1 venus(キャラバンベースキャブコン)

CC1 venus(キャラバンベースキャブコン)

キャラバンベースのキャブコンCC1はVANTECHのラインアップにありましたが、アストラーレブランドの1つとして確立されました。コンパクトボディのロープロファイルデザインを採用して、街中でも扱いやすいボディサイズと安定した高速走行を実現してくれます。

CC1 venus(キャラバンベースキャブコン)の車内

室内は落ち着いた雰囲気で、リア2段ベッドで就寝定員は2+1名。キッチンキャビネットには大きなダストボックスが設置され、使う人の快適性を追求しているのも特徴です。

CH1 mars(ハイエースベースキャブコン)

CH1 mars(ハイエースベースキャブコン)の車内

ハイエースベースのキャブコンも発表されていました。移動時の乗り心地を重視して、サードシートにはしっかりとしたクッションが採用されたコンフォートシートが設置されていました。上部収納はシンプルな形状で、室内へ迫り出していないので、広さを感じるデザインです。

CH1 mars(ハイエースベースキャブコン)のリア

リアが大きく開く形状になっていて、大量の荷物を積み込むことができます。リア常設ベッド下全体が収納スペースとして利用できます。ベッドマットを取り外すことで、さらにラゲッジスペースは広がり、大型のギアを積み込むことができるようになります。

NS-BEART(キャラバンベースバンコン)

NS-BEART(キャラバンベースバンコン)

VANTECHとしては珍しい、バンコンもアストラーレブランドに追加されました。キャラバンをベースにしたモデルで、普段使いできる手軽さを感じるモデルです。毎日の移動に利用しながら、そのままキャンピングカーの旅へ出かけることも可能です。日常から非日常をスムーズに繋げてくれる存在となるのではないでしょうか。

NS-BEART(キャラバンベースバンコン)

セカンドシートを倒して、ベッドマットを広げれば2名分の就寝スペースが生まれます。オプションマットを使うことで、子供2名の就寝スペースも確保できます。趣味のクルマとしても重宝しそうです。

GX4(ハイラックスベースキャブコン)

GX4(ハイラックスベースキャブコン)

ハイラックスのキャブコンモデルとして注目されていたGX4もアストラーレブランドへ統一されました。走破性の高さをベースに、キャンピングカーとして機能性をプラスしたモデル。キャビンを架装しても、クルマとしてのポテンシャルを損なわないように設計されています。

GX4(ハイラックスベースキャブコン)

インテリアは長年VANTECHが培って進化させた、上質な空間美を感じます。美しさを感じさせるライティングの妙。悪路を走破しながらも、最上級のくつろぎを提供してくれる空間が備わっています。

アストラーレは新しいブランドとしてのスタートを切りました。これまでのVANTACHとは違うブランドとしての立ち位置です。

2024年より企業組織の変更が行われ、VANGUARD HOLDINGS(バンガードホールディングス)が設立されました。傘下にVANTECHが置かれ、さらに、キャンピングカー製造メーカーのファーストカスタムも同じグループへ参画。キャブコンビルダー同士がタッグを組んだことで、これまで以上の相乗効果を発揮することが期待されます。今回のアストラーレブランド誕生の背景にも、そんなグループとしての連携があったようです。

アストラーレは「移動」にフォーカスしたブランドです。これまでのVANTECHが求めてきた、室内でのくつろぎを追求したモデルとはキャラクターが少し違ってきます。その「移動」に特化した特徴的なブランド「アストラーレ」の今後に期待です。

WRITER PROFILE
渡辺圭史
渡辺圭史(わたなべ・けいし)

1971年東京生まれ。アウトドア好きな編集者、そして、算数が好きだったライター。アウトドア用品メーカー、出版社を経て、キャンピングカー専門誌編集長に。現在はフリーとして、いろいろなメディアにて執筆中。アウトドアをキーワードに、より楽しいライフスタイルを求めてゆるりと奮闘中。最近気になっているワードは、旅、ミニマリスト、車中泊。趣味はコンパクトな旅とモノづくり。

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