
キャンピングカーの装備で、よく話題にあがるテーマがあります。そのひとつが「トイレを設置するかどうか」という問題です。限られたキャンピングカーの室内空間をどう使うかは、旅のスタイルによっても考え方が大きく変わります。就寝スペースや収納を優先したい人もいれば、長距離旅や渋滞、深夜利用を考えてトイレの必要性を重視する人もいます。
そんななか、ここ数年で注目を集めているのが、水を使わないフィルム式トイレです。以前からありましたが、新しいメーカーや製品が増え、選択肢も広がってきました。
そして、もうひとつが、100Vで稼働するインバーター式エアコンです。これまで車載クーラーといえば大型キャンピングカー向けという印象がありましたが、最近ではハイエースクラスにも取り付けしやすいタイプも登場しています。
今回は、そんな最新キャンピングカーのトレンドのなかから、旅の快適性を高めてくれる2つのアイテムを紹介します。
持ち運べるフィルム式トイレという新提案「クレサナX1」
クレサナはスイス生まれの水を使わないトイレです。キャンピングカーへ固定設置するタイプがほとんどで、家庭用トイレに近い見た目も特徴でした。日本総代理店であるトイファクトリーのキャンピングカーへの導入例も増え、国内でも少しずつ認知が広がってきています。
排泄物を専用フィルムで自動密閉することで、臭い漏れを抑えながら衛生的に処理。従来のポータブルトイレのように汚水タンクを扱う必要がなく、処理もシンプルに行えるので、防災需要の高まりとも重なり、注目されるようになってきました。
今回取り上げる「クレサナX1」は持ち運びや収納性を重視したモバイルタイプ。収納時のサイズは約302×344×384mmとコンパクトで、重量も約11kg台に抑えられているため、車内へ積み込みやすいサイズになっています。
使用しないときは高さを抑えられる構造になっていて、ちょっとしたスペースに収納できます。キャンピングカーはもちろん、車中泊やアウトドア用途でも取り入れやすくなっています。
必要なときだけ取り出して展開できるため、常設設備に抵抗があった人にも使いやすいトイレです。最近は普段使いのクルマで車中泊を楽しむユーザーも増えているため、このコンパクトさは大きな魅力になります。
トイレ利用以外にも、残飯処理やおむつ、ペットシーツの処理など、臭いを抑えたい場面でも活躍します。車内で長時間過ごすキャンピングカーだからこそ、「臭いを持ち込まない」というのは大きなメリットになります。
実際に展開した状態を見ると、クレサナX1はしっかりとした高さがあり、使用時の座面高は約407mm。便座高や開口サイズが家庭用トイレとほとんど変わらないため、一般的なポータブルトイレ特有の窮屈さを感じにくく、車内でも使いやすいサイズです。
さらに特徴的なのが、電源部分。欧州で使用されている電動工具用のEinhell製18Vバッテリーが使えるので、電源のないところでも使えるのが便利。12V・24V・AC100Vにも対応しているため、キャンピングカーだけでなく、屋外でも柔軟に使えるシステムになっています。
これによってキャンプサイトや災害時など、電源環境を選ばず利用しやすくなりました。ヨーロッパの仕様になりますが工具用バッテリーでも使え、手軽にフィルム式のトイレを導入しやすいのもポイントです。
クレサナX1の使いやすさを支えているのが、自動フィルム密閉機能です。使用後はボタン操作だけでフィルムが自動的に圧着され、中身をしっかり密閉してくれます。臭い漏れを抑えながら衛生的に処理できる構造です。
処理方法はシンプル。従来のポータブルトイレでは、汚水処理や洗浄に負担を感じる人も少なくありませんでした。クレサナX1は、直接触れずに処理できる点も使いやすさにつながっています。家族利用や小さな子ども、高齢者との旅でも扱いやすい仕様です。
利用用途によってフィルムサイズを調整できる点も実用的。トイレ用途だけでなく、生ごみ処理やおむつ、ペットシーツの廃棄など、使い方に合わせて必要なサイズだけフィルムを使用できるので、無駄が少なく、ゴミの保管スペースも効率的に使えます。
積み重ねて保管できる構造も便利です。アウトドア用品は収納効率が重要になりますが、クレサナX1は使用時だけでなく、保管時の収まりまで考えられているのです。スタッキングもしやすくなっています。公共施設での災害対策として、複数台のトイレをストックしておくのにも便利なのではないでしょうか。
コンパクトに収納できることで、キャンプサイトへ持ち出して使うことも簡単。トイレ用テントへ設置したり、使い方の自由度も高めです。固定式トイレでは難しかった柔軟な使い方ができるのがクレサナX1の最大の特徴。トイレを積むことへの心理的ハードルを下げながら、利用シーンを広げてくれました。
ルーフエアコンにも広がるAC100V化という新しい流れ
もう1つ、最近のキャンピングカー市場で注目されている装備が、車載エアコンです。特に夏場の車中泊環境は年々厳しさを増していて、体の安全を確保したり、夜を快適に過ごせることを重視するユーザーも増えました。
これまでエアコンといえば、大型キャブコンや輸入キャンピングカー向けという印象がありました。しかし最近では、バンコンのハイエースクラスにも導入しやすい100V仕様のエアコンが登場し、車載エアコンの導入ハードルが下がってきています。
RVランドが取り扱っているインバーター式ルーフエアコンは、コンパクトなデザインが特徴。ルーフへ取り付けても圧迫感が少なく、車両デザインとのバランスも取りやすくなっています。
さらに大きなポイントが、AC100Vで駆動すること。家庭用家電のような感覚で扱えるため、既存の電源システムとの相性もいいです。
車両へ取り付けた状態を見ると、ルーフ上への収まりも自然です。この写真ではハイマーのバンコンへ装着されていますが、大きく飛び出た印象もなく、クルマ全体のシルエットも崩していません。
キャンピングカーに後付け装備を追加するとき、見た目や高さ制限を気にするユーザーは少なくありません。その点、このタイプは比較的コンパクトにまとまっていて、既存車両への追加装備としても導入しやすくなっています。
配管工事が不要な点もポイントです。一般的な家庭用エアコンでは室外機設置や配管処理が必要になりますが、このルーフエアコンは一体型で車両向けとして設計されているため、施工時の負担も軽減されています。
特に既存キャンピングカーの快適化で、車両を買い替えなくても、空調を追加できるという選択肢は、今のニーズにも合っています。
このAC100Vルーフエアコンは、ハイエース系キャンピングカーにも取り付け可能です。ベンチレーターなどが設置できるサイズであれば、多くの車両へ対応できるため、既存ユーザーからも注目されています。
サブバッテリーシステムに大きく手を入れることなく、必要な部分だけ快適化したいというニーズにも対応可能です。ポータブル電源との組み合わせでの利用もしやすくなっています。
ハイエースクラスは車内空間に限りがあるため、家庭用エアコンの後付けが難しい場合もあります。そんな時、ルーフエアコンであれば室内スペースを圧迫しにくく、限られた空間を有効に使えます。
AC100Vインバーター式ルーフエアコンの魅力は、電源まわりの自由度にもあります。エアコンから車内へ引き込んだ電源コードを施工することで、ポータブル電源へ直接接続も可能で、オーナーが以前から持っている既存の電源環境を活用することができるのです。
最近は大容量ポータブル電源を所有するキャンピングカーユーザーも増えていて、キャンピングカーのサブバッテリーを大幅に改造しなくても、エアコン運用を考えられるようになってきました。
RVランドでは、大容量ポータブル電源との組み合わせも提案しています。おすすめなのがEcoFlow DELTA 3 Max Plus。2048Whの容量と最大6000Wクラスの高出力を持つ大型モデルです。AC100V機器を安定して使用しやすく、ルーフエアコンとの組み合わせでも安定しています。
従来の車載エアコンでは、専用バッテリーシステムや大掛かりな電装工事が必要になるケースもありました。しかしAC100V仕様であれば、家庭用家電に近い感覚でシステムを組みやすくなり、導入のハードルも下がります。
こちらはAC100Vクーラーのオプション的なアイテムのRVランドオリジナル「簡易自動切替リレー RVAC-20P」。コンパクトなサイズながら、キャンピングカーの電源管理をサポートしてくれる便利なアイテムです。ポータブルバッテリーとAC100Vエアコンなどを設置する時、配線システムを簡単に構築できる優れものです。
そのシステムは2系統のAC入力を自動的に切り替えられる構造になっています。例えば外部電源とポータブル電源を接続しておけば、優先設定された側を自動的に使用してくれます。RVパークを利用した時など、電源が切り替わっても、電源供給をスムーズに行ってくれる装置です。
キャンピングカーでは、外部電源を接続したり、ポータブル電源へ切り替えたりと、状況によって電源環境が変わります。そのたびに配線を差し替えるのは意外と手間になるので、このアイテムを組み込むことでシンプルになります。
電子レンジやIH調理器、充電機器など、AC100V家電を車内で使うケースも増えています。そうした流れのなかで、電源管理を効率化するパーツとして重宝します。
今回紹介した2つのアイテムは、既存のキャンピングカースタイルへ無理なく追加できるという点が優れています。車両全体を大きく作り替えなくても、必要な快適性だけを追加していく。そうした考え方が、最近のキャンピングカー市場ではトレンドといえるかもしれません。


