キャンプや旅だけじゃない! 趣味でも活用できるキャンピングカー

キャンピングカー活用法
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キャンプやクルマ旅だけがキャンピングカーの使い道だと思っている人も多いが、それは大きな間違い。「快適に就寝できる」「大量の荷物を積載できる」といった利点を持つキャンピングカーは、趣味をサポートするツールとしても便利に活用できる。

とくにキャンピングカーと親和性が高いのは、「機材や道具が多く、早朝から活動する」サーフィンや釣り、登山などの趣味。移動手段としてはもちろん、ベース基地としても使えるキャンピングカーのメリットを生かせば、趣味の幅を広げたり、趣味をより充実させることが可能になる。「遊びが大好き!」というアクティブなユーザーにとって、キャンピングカーは最高の相棒になってくれるはずだ。

サーフィン

早朝から活動するサーフィンの足・宿泊場所として、キャンピングカーを活用するユーザーは多い。都市部と海とを頻繁に行き来するサーファーのクルマは、単なる移動手段としてだけではなく、「サーフボードを車内に積める」「車内で快適に就寝できる」などの機能性・快適性も求められる。それらの要素に加えて、「車内で着替えができる」「シャワーが使える」といったメリットを持つキャンピングカーは、常に自然の中で遊ぶサーファーにとって最高のツールと言えるだろう。

ポイントを移動しながらサーフィンを楽しむ「サーフトリップ」も、キャンピングカーがあれば快適そのもの。「理想の波を求めて、キャンピングカーで気ままに旅をする」、そんなライフスタイルに憧れるサーファーが多いのもうなずける。

登山&トレッキング

キャンピングカーは、登山やトレッキングのベース基地としても便利に活用できる。山の天気は変わりやすいため、天候が安定している早朝から行動するのが登山・トレッキングの鉄則。キャンピングカーなら、夜のうちに登山口の駐車場に入ってそのまま車内で就寝できるため、翌日の早朝から行動を開始しても体力的にかなりラク。車内で立ったまま着替えられるので、登山装備を整える際も快適だ。

筆者が趣味でクライミング(岩登り)をやっていた頃は、愛車のキャンピングカーがクライミング仲間の定宿になっていた。深夜に登山口で就寝して、早朝から岩場に向かいクライミングを楽しむ。メンバーは、山岳テントでの宿泊に慣れたベテランぞろい。当時乗っていたのはポップアップルーフのバンコンだったが、大人4人で就寝しても「快適だなぁ」とメンバーたちが喜んでいたのをよく覚えている。

カヤック

キャンピングカーユーザーには、カヤックを趣味にしている人も多い。キャンピングカーでカヤックを楽しむ最大のメリットは、宿泊先を気にせずに遠方のポイントでも気軽に足を伸ばせること。キャンピングカーをベース基地にすれば、日本各地の川や湖、海などを訪れて、絶好のロケーションの中でパドリングを楽しむことができる。

キャンピングカーで旅をする際、コンパクトに収納できる組み立て式のファルトボートや、空気を入れて使用するインフレータブルカヤックを、常時積んでおくのも手。旅先で最適なスポットを見つけたら、すぐに愛艇を水面に浮かべてカヤッキング。そんな遊び方ができれば、キャンピングカーの旅がさらに充実することだろう。

スキー&スノーボード

冬シーズンには、スキー場の駐車場をベース基地として、スキーやスノーボードを楽しむキャンピングカーユーザーが多い。中には、「冬シーズンの週末にスキー場通いをするためだけに、キャンピングカーを購入した」というヘビーユーザーもいるほどだ。

ウインタースポーツを楽しむユーザーにキャンピングカーが好まれる最大の理由は、エンジンを停止した状態で使用できる「FFヒーター」で、真冬でも快適に生活・就寝できること。FFヒーターさえあれば、氷点下のスキー場でも車内はTシャツ1枚で過ごせるほど暖かく快適になる。収納スペースの広いキャンピングカーなら、ギアや着替えといった大量の荷物も余裕をもって積載可能。「鹿島槍スキー場」のように、キャンピングカー用の電源付き有料駐車場を完備したスキー場もあるので、そうした施設を活用すれば、生活電源の心配をすることなく快適にウインタースポーツを楽しめる。

写真撮影

写真撮影を趣味にする人にとっても、キャンピングカーは頼もしいツールだ。撮影対象は、風景、野生動物、天体など、人によって多種多様。どんな被写体でも、一瞬のシャッターチャンスを逃さずファインダーに収めるのがもっとも難しいポイントだが、撮影場所に止めたキャンピングカーをベース基地として活用すれば、絶好のタイミングを逃すことなくベストショットを撮影することが容易になる。

幻想的な早朝の風景、真っ赤に燃える夕日、視界いっぱいに広がる美しい星空……。車内で休憩や仮眠をとり、待ち時間を快適に過ごしながら、刻一刻と表情が変わる自然を相手にシャッターチャンスを狙う。もし撮影が深夜まで及んでも、車内でそのまま就寝可能。広大なカーゴスペースを活用して、カメラやレンズ、三脚などの機材を使いやすく整理して収納できるのも、キャンピングカーの魅力だ。

ここで紹介したキャンピングカーの活用法は、ほんの一例。

これらの趣味以外にも、「釣り」や「バイクやカートのトランポとして」など、多くのユーザーが幅広い用途でキャンピングカーライフを楽しんでいる。キャンピングカーの使い道は、キャンプやクルマ旅だけではない。「乗り手のライフスタイルに合わせて、さまざまな使い方ができること」。それが、キャンピングカーの最大の魅力だ。

WRITER PROFILE
岩田一成
岩田一成(いわた・かずなり)

1971年東京生まれ。キャンピングカーライフ研究家/キャンピングカーフォトライター。日本大学芸術学部卒業後、8年の出版社勤務を経て、2003年に独立。ライター・エディターとして、自動車専門誌を中心に累計1000誌以上の雑誌・ムック製作に携わる。家族と行くキャンピングカーの旅をライフワークとしており、これまでに約1000泊以上のキャンプ・車中泊を経験。著書に『人生を10倍豊かにする 至福のキャンピングカー入門』がある。

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