近頃気になる!「トレーラーって、どうですか?」

キャンピングカー紹介
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キャンピングカーに限らず、日本の路上ではトレーラーはまだまだ少数派。日常的に、「乗用車で何かを引っ張って走る」習慣はあまりない。だが、キャンピングカー人気もすっかり定着してきた昨今、じわじわと人気を挙げてきているのがキャンピングトレーラーだ。
「なぜ今トレーラー?」「どこが魅力?」など、人気の秘密に迫りたい!

安い初期費用で遊びが充実!

当然だが、トレーラーにはエンジンがついていない。エンジンがついていないからといって車検がないわけではないが、それでも車両価格は「自動車」よりも安い。
それが最もわかりやすい魅力のひとつだろう。
自走するために必要なものが何もない分、室内も広い。構造はいたってシンプルだ。
日本で販売されているキャンピングトレーラーのほとんどが、ヨーロッパやアメリカからの輸入車で、キッチンやベッドなど、豊富な設備とゆったり快適な居住空間を約束してくれる。
それでいて、同様の設備や広さを持つ自走式キャンピングカーと比べると、車両価格は1/2~1/3なのだ。

維持費だって、自走式よりも安い。
トレーラーといえど「車両」なので自動車税や自賠責保険は必要だし、車検(2年毎)もある。だが、税金は自走式に比べて安価だし(※)、整備・点検にかかる費用もエンジンなどの走行機構がない分、少なくて済む。
※自動車税は排気量に応じて課税される。トレーラーは排気量ゼロなのだが最低ランクで課税される。都道府県によって金額は若干違うが、年間の車両税は1万円前後だ。

トレーラーと自走式を比較した時、メリットは初期費用だけではない。遊びの幅がぐっと広くなるのだ。
トレーラーは切り離してしまえば、普通の車。大型の自走キャンピングカーのように、街中の狭い路地で立ち往生、なんていうトラブルもない。
「スキー場近くのキャンプ場にトレーラーを停めて、昼間は車でゲレンデへ。夜はキャンプ場へ帰ってキャンプを楽しむ」
「キャンプ場から少し離れた温泉へ、お風呂に入りに行く」
「足りない食材を、乗用車だけで気軽に買い出しに行く」
など、車単体での機動力を生かしたメリットは数多い。
ただしここで絶対に守らねばならないルールと、マナーがある。
道の駅やサービスエリアなど、キャンプ場ではない場所にトレーラーを放置するのは絶対厳禁!ということ。これだけは心がけておきたい。

連結部分

トレーラー導入をためらうワケは?

キャンピングカーショーなどで、よく車選びについて相談を受けることは多い。
お話を聞いていて「この人にはトレーラーが良さそうだな」と思っても、「トレーラー?いやいやいや…」と返って来る。
詳しく聞いてみると、
「引っ張るには免許がいるんでしょ?そんなの持ってません」
「うちの車じゃ、引っ張れませんよ…(多分)」
「運転が難しそう。自信がありません」
こんなコメントが多い。
人気上昇中とはいえ、まだまだトレーラーについての理解されてないなー、と残念に思う瞬間だ。

必ずしも「けん引免許」は必要ない

けん引免許なしでも引っ張れるトレーラーはある。車両重量が750Kgを超えなければ、けん引免許は不要なのだ。750Kg、と言われてもピンとこないかもしれない。ショーなどでよく見てみるとわかるが、「けん引免許不要」と表示されたトレーラーの内部を見てみると、ダブルベッドに加えて2段ベッドがついていたり、トイレやキッチンも完備。家族4人が無理なく過ごせる広さでも、750Kg以下のモデルはあるのだ。

ファミリーカーでも引っ張れる

「うちの車、ミニバンなんです。けん引なんて無理ですよね」
よく言われるコメントだが、トレーラーを引っ張るのに、必ずしも屈強なSUVは必要ない。けん引免許不要なサイズ(=750Kg以下)の車両なら、1800ccクラスの乗用車で十分。雪山に行くのでなければ、必ずしも4WDである必要もない。FFでも、FRでも問題なくけん引できるのだ。

運転にはコツがある!

後ろに何かをつなげて、カーブするときにはそれが動く。そう考えただけで「難しそう」と思ってしまうのもわかる。トレーラー、といわれて街中で見かけるコンテナトレーラーや自動車積載車をイメージするのかもしれない。だが実際は、いつもの運転よりもほんの少し早めのハンドル操作を心がける程度で、すぐに慣れるぐらいの違いしかない。
もっともハードルが高いのはバック(後進)で、これは練習が必要かもしれない。もしも、どうにも困った状況になったとしても、切り離して大人1~2人で押せば動かせるぐらいの重量なので「手で押す」という解決策もある。
さらにムーバーといって、トレーラー単体をリモコン操作で動かせる機械もあるので、そんなに怖がる必要はないのだ。

いかがだろうか? 今、自分が乗っている乗用車で引っ張れるのはどの範囲か。その範囲で楽しめそうな車両はないか。そう考えてみたら、自走式を買うより安いし、何より車を買い替えなくてもいいのは魅力的ではなかろうか。
キャンピングトレーラー、ぜひ、選択肢に入れてみることをお勧めする。

室内
室内
キッチン
キッチン
トイレ
トイレ
WRITER PROFILE
渡部竜生
渡部竜生(わたなべ・たつお)

キャンピングカージャーナリスト。サラリーマンからフリーライターに転身後、キャンピングカーに出会ってこの道へ。専門誌への執筆のほか、各地キャンピングカーショーでのセミナー講師、テレビ出演も多い。著書に『キャンピングカーって本当にいいもんだよ』(キクロス出版)がある。エンジンで輪っかが回るものなら2輪でも4輪でも大好き。飛行機マニアでもある。旅のお供は猫7匹とヨメさんひとり

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